
(34)春季リーグ戦後インタビュー 中薗遼太郎、石田健太朗アナライザー

(この取材は5月27日に行われました)
中薗遼太郎(文2=千葉県立船橋)
――今春のリーグ戦振り返っていかがでしたか。
「新チームになって、メンバーが残っている人もいたけどチームとして変わった中で、どういうふうに戦うのかなと思っていました。選手が自分の出せる力をしっかり出して、カードごとに活躍する選手が変わったことはすごくチームとしても良かったことですし、見ていても面白かったです。個人的に言うと同級生が活躍した場面が多くてそれはただのいち同級生として良かったです」
――試合ごとに新しい選手が出てきた。ご自身の中では何か要因など考えられますか。
「データを見ていてもすごくいい数字がたくさん出ていて、プロとかとも引けを取らない数字が去年ベンチに入っていない選手もあって、そのチーム内での競争が刺激になって今季の活躍につながったと思います。(具体的には何かありますか)シンプルに球速が速い投手がBチームにもたくさんいますし、新しく導入したバッティングのスイングスピードや軌道を測る機械でも普段レギュラーで出ていなくてもレギュラーの方と同じようなスピードが出ていたり、理想的なスイング軌道を描いている選手が多いです」
――試合の最中はどういったことを伝えられますか。
「データミーティングがカードの前にあって、そこと違ったことが試合で起こった場合に話すことが多いです。例えば『このピッチャーはインコース使ってこないピッチャーだよ』と言ったけど、試合中にインコース使う回数が多いなっていうのを感じたらそれを選手に伝えます。あとは、自分たちのピッチャーの調子や疲れを球速やボールが浮いてきてないかを確認して、コーチや選手に話すようにしています」
――選手から感謝された具体的なエピソードはありますか。
「法政1回戦の時に木本(圭一内野手・政経2=桐蔭学園)がホームラン打ったと思うんですけど、その日寮にいて試合が終わってすぐに『データありがとう』ってラインがきて、それはとてもうれしかったです。キャッチャーの小島(大河捕手・政経2=東海大相模)も試合終わって会話したりすると『ありがとう』と言ってくれることが多いです」
――今はどのような目標を掲げていますか。
「選手に必要とされるアナライザーになりたいです。そこへの思いが一番です。自分たちが何かして日本一になるというのは選手の力がないと絶対無理なので自分ができるだけいいデータを持ってくるというところではなくて、選手に必要としてもらえるアナライザーになりたいです」
――ありがとうございました。
石田健太朗(法2=大阪府立三島)
――今季を振り返っていかがでしたか。
「良かった点は作戦面で去年まではランナーが出たらすぐにバントというのが多かったのですが、今季はバスターを仕掛けてみたり、エンドランを掛けてみたりパターンが広がったことです。(首脳陣と話をされましたか)秋終わった後にバントが多いというのと、どれくらい効果があったのかというのをデータで示しました。それがどれくらい影響したかは分かりませんが、そういう取り組みはしました」
――相手投手の分析はどういった点を注視していますか。
「データだけでは、数字の羅列しかないので、それを見やすく選手に伝えることを意識しています。球速だったらこの球種のスピードはこの辺が多いとか、変化球はどれくらい曲がりますとかを整理しています。選手が試合を迎えた時に驚くことがないようにやっています」
――アナライザーをやっていてやりがいはどんなところに感じますか。
「選手から『ありがとう』と伝えられた時に感じます。個人的に言うと相手の癖を見つけた時に快感を感じます。そこは一番うれしい瞬間です。(具体的には)ピッチャーでこういう動きがあった時にこういうボールが来るよというのがたまにわかったりするのでひたすら映像を見て、少しでも気になる動きを見ています」
――自分たちが明大で初めての存在で難しさはありましたか。
「入ったばかりの時は何をやっていいか分からなかったので難しかったです。思い付きでいろいろやっていてその中で選手から反応が良かったものを残してどんどん続けていきました」
――大学入学時からアナライザーになる気持ちはありましたか。
「自分がやろうって決めたのは受験が終わってからで、計画的に考えていたわけでいたわけではなくて思い付きで入りました。自分は浪人をしているんですけど、親がとても野球が好きで、そこに少しでもここに入ることで恩返しができたらいいなと思っています」
――今後はどういった存在になっていきたいですか。
「あまり目標を立てずに目の前のことをやっているので先のことは分かりません。卒業後とか何年後かに振り返ってみて自分たちがいた時が一番強かったなっていう結果を出したいと思っていて、そこに何とか貢献していきたいです」
――ありがとうございました。
[中村謙吾]
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