(15)東大戦事前インタビュー① 梅林浩大主将、別府洸太朗外野手

2023.04.07

(この取材は3月24日に行われました)

 

梅林浩大主将

――昨年度を振り返っていかがですか。

 「昨年度は実力のある4年生が多くて、井澤さん(駿介選手)とか松岡さん(泰希選手)とか。そういう選手がいた中で最下位脱出を目標に掲げて秋は明治大学さんといい勝負になって『もう少しで目指せる、絶対に取るんだ』って気持ちだったんですけど、そこで最後の法政に勝ち切れなくて負けてしまって、非常に悔しいというか。実力はあるし良い試合もできてたのに勝ちきれなかったのは悔しい部分ではありました」

 

――今年のチームはどんなチームですか。

 「今年のチームはやっぱりピッチャーの松岡(由機投手)と鈴木(健投手)が残っていて、彼らが二枚看板みたいな形でやっていくと思うので、まずは守備かなというところです。守備でリズムをつくって粘って粘って最後に勝負っていうのは去年からずっとやってきたことなので、今年もそれは受け継いで。かつ、下級生に元気のいい選手がたくさんいるので、彼らが活躍して最後に勝って2勝して勝ち点取って、最終的に最下位脱出したいと考えてます」

 

――雰囲気はいかがですか。

 「下級生の元気がいいなって(笑)。去年は結構松岡(泰)さんがばしっと締めるタイプで、今年はどちらかというと全員で仲良く、全員で元気出して、全員でチームで勝ちに向かって。一人一人がちゃんと勝ちに向かっていろんな方向を向きながら自分の立場で自分で頑張って、全員で勝ちに向かっていけるのが今年のチームかなって思ってます」

 

――主将像として高校時代のチームメイトだった村松開人選手(令5情コミ卒)を参考にしたと聞きましたが、どのようなことを意識していますか。

 「村松は最初にキャプテンになるって聞いた時に『えキャプテンなの?(笑)』みたいになって(笑)。高校の時キャプテンキャラじゃなかったので、どういうキャプテンになるのかなって見ていて。村松上手いのでプレーで引っ張るタイプなのかなって思ってたんですけど、春ケガして出られなくて。どうやってやるんだろうなって見ていたら、出てなくても例えばベンチから出て行ってネクストで待ってる選手に声かけて、その選手が落ち着いて打てたりとか。フィールドに立ってるみんなが頑張って勝ちに向かえるように後ろから支えてあげる姿がすごく印象的で、自分もそういう主将を目指していきたいなってその時に思いました」

 

――主将に関する話を村松選手とはしましたか。

 「村松には『キャプテンとしてどういうこと意識してた?』って聞いたら『とにかく全体練習でも普段の生活でも試合でも、チームが勝つために、チームが良くなるためにっていうのを常に考えてやってた』って。自分の練習とか自分の成長は二の次で、自主練習以外の時間は全てチームのために割いてたというのがキャプテンになって一番意識したことって聞いて、それは今でも自分がキャプテンをやる中でも大事にしているというか、その言葉は残ってます」

 

――オフに取り組んだことはなんでしょうか。

 「今年のオフはチームビルディングっていうところを大事にしていて。東大野球部って個人個人で取り組む能力が高いなって思うんです。受験勉強ってそういう感じじゃないですか。多分東大野球部は自分の能力に何が足りなくて何を頑張ってやるっていうのは得意なんですけど、逆にチームとしての強さ、組織としての強さを考えてチームが良くなるために自分が苦労するのはなかなか苦手だなってずっと思ってて。僕はそこを大事にしてこの冬やってきて、簡単に言えばチーム意識みたいなことなんですけど、まず雰囲気としてはそれを大事にやってきました。野球の面でいうと、一番の他大学との違いは体の面だと思うんで、去年までは個人でトレーニングを任せていたんですけど、どうしても足りないので、チームとしてトレーニングコーチをお呼びして、チーム全体としてトレーニングに力を入れてやってきて、打球速度とか球速とかにも数字として結果も出てきてるかなと思います」

 

――実戦に関してはいかがですか。

 「まず最初に出た課題が、やっぱり後半。前半はピッチャーが投げていくと締まった試合になるし、打線も下級生が出て行って点が入るいい形をつくれたんですけど、どうしても終盤にピッチャーが代わったり野手も元気がなくなったりして、終盤の粘りっていうところが課題として見えてきました。やってみて成果だなと思えるのは、序盤の均衡をつくるところ、去年と同じく今年もできるところが確かめられたのは収穫です。課題は終盤の粘りなんですけど、そこに関しても3月後半のオープン戦で意識してやってきて徐々に改善しつつあるので、リーグ戦までになんとかしたいと思っています」

 

――チームの注目選手はどなたですか。

 「1番の酒井(捷外野手)が、去年のフレッシュでも活躍して非常に走攻守そろった野球選手らしい野球選手だなって。去年の阿久津(怜生選手)も最初すごい活躍してたんですけど、あれぐらい神宮をかき回してくれるんじゃないかなと思います」

 

――明大の印象をお聞かせください。

 「去年チーム村松を見ていてすごく感じたのが、チームとして強いなって。もちろん個人個人の能力がものすごく高いんですけど、それに加えてチームとしても強さがあるなっていうのはすごい感じていて。そういう明治を見たことが、僕がこの冬にチームビルディングに力を入れたきっかけでもあります。なんというか、各選手が大人びて見えるんですよグラウンド上で。自分一人のことで精いっぱいってことじゃなくて、チームが勝つために自分がどうすればいいのかっていうことを常に理解しながらプレーしているような感じがして、おそらく村松が残してきたものもあるでしょうし、残っていると思うので、能力もあって組織としての強さもあるチームだなって思います」

 

――明大の中で警戒する選手はどなたですか。

 「僕としては上田希由翔(主将・国際4=愛産大三河)です。下級生の時から出てますし、キャプテンでもあるし、チームの大黒柱というか、すごく頼られてる存在なのかなと思うので、彼が打つとチーム全体が乗ってくるのかなって。逆に言うと彼を抑えることができれば少し明治の調子を崩すことができるんじゃないかなと。おそらく他のバッターにもたくさん打たれちゃうと思うんですけど、その中でもなんとかキャプテンの上田くんを抑えて少しずつ明治の調子を崩していけば、終盤の勝負に持っていけるんじゃないかなと思います」

 

――チーム目標と個人目標をお聞かせください。

 「チームとしては最下位脱出が去年から続いてる目標です。去年勝ちきれなかった分、今年は強く意識して冬前からずっとチームに言い続けてますし、チーム全員の目標でもあるので、そこはずっと強く思ってやっていきたいと思っています。個人としてはバッティングがやっぱり期待されてる部分ではあるので、去年は悔しい結果になってしまったんですけど、今年は1試合で(安打を)1本以上打ちたいっていうのが目標としてあって。というのも上田くんの時にも話しましたけど、僕もキャプテンでおそらく中軸を打ってっていう立場で、チームの柱になる、柱にならなきゃいけないので、そういう時に僕が1試合でどこかで1本出せればチームが乗ってきて打線も勢いがつくんじゃないかなと思っています。僕で決めたいというよりも、僕が頑張って呼び水効果を起こしてみんなを活気づけて最終的に勝ちたいっていう思いがあるので、まずは1本出したいです」

 

――意気込みをお願いします。

 「明治戦は初戦ですし、去年の秋に引き分けに持っていけて、おそらく明治のみなさんも去年の結果がある分より気持ちを入れて向かってきてくれるんじゃないかなとは思うんですけど、僕たちもそれに向けてすごく準備はしているので、初戦を取りたいというのがあります。僕たちがあっさりと負けてしまうとすごく明治が勢いづくので、僕たちでちょっと鼻を折るっていうのが明治戦の決意です。リーグ戦はなんとしても最下位脱出をしたいっていうのが目標なので。そのためには1勝で満足せず、絶対に2勝するんだって気持ちで毎カード臨んでいって最終的に最下位脱出できればと思っています」

 

――ありがとうございました。

別府洸太朗外野手

――昨年度を振り返っていかがですか。

 「いい場面で打てたなっていうのが振り返った時にいいところだったんですけど、それ以外の打率で見ると全然だったので、今年はその部分を、チャンスメイクの部分を上げていけたらと思います」

 

――今年のチームはどんなチームだと感じていますか。

 「プレーもそうなんですけど、チーム全体で勝てるチームになっていこうというのが梅林の方針で、雰囲気づくりから梅林中心になってるチームです」

 

――オフはどんなことに取り組みましたか。

 「特に長打が打てるようになりたいなってことでトレーニングに一番取り組みました。結構色々調べて栄養とかの知識も入れながら、体づくりをトレーニングと食事で取り組みました。チームも結構トレーニングに取り組んで、みんな飛距離とかそれこそ打球の強さだったり、プレーの強さは上がってるんでそこを見せられたらなと思います」

 

――実戦の中で課題は見えてきましたか。

 「アプローチの部分、打ち方とかっていうよりもこういう時はこういうのを待ってみたいな考える部分がまだちょっと甘いかなって思うので、そういうのを試合に慣れながらもうちょっと調整できたらと思います」

 

――自身の持ち味はなんですか。

 「自分の強みは、ここってところで集中力を発揮できるところだと思います。チャンスの場面とかピンチの守備とかで試合一番の集中力を持って来れるところかなって思います」

 

――今年度の注目選手はどなたですか。

 「チーム内でいうと、新4年生の矢追(駿介外野手)で。外野手長としてチームを引っ張ってくれるっていうのもあるのと、今まであんまり出場機会はなかったんですけど守備もすごくうまくて、バッティングも良くて足も速いっていうシンプルにいい選手なんで。それが今年暴れてくれそうだなって思います」

 

――明大の印象をお聞かせください。

 「明治はもう何させても強いというか(笑)。ピッチャーもいいし、打つし、総合力が。それぞれがスターなのにチームとしての完成度もすごく高いっていうのがあります」

 

――警戒する選手はどなたですか。

 「警戒する選手は飯森くん(太慈外野手・政経3=佼成学園)ですかね。足速いので出られると結構しんどいなっていう。守備も足速くて守備範囲広いんで。宗山くん(塁内野手・商3=広陵)とかみんな言うと思うので(笑)」

 

――対戦したい投手はどなたですか。

 「去年打てなかったので村田くん(商4=春日部共栄)です。すごくいいピッチャーなんで。なかなかチャンスを作れないと思うんですけど、チャンス回ってきた時には、そこでどうにかしぶとく1本出したい気持ちで行きます」

 

――昨季明大に引き分けましたが、開幕へ向けて今の雰囲気はいかがですか。

 「春はどこも新チーム一発目なので開幕戦は苦しいと思います。今年も明治ですけど、相手が苦しんでるうちに全力で突っ込んで当たっていきたいなっていう気持ちです。開幕戦いい試合になりがちなので今年こそは取れるように頑張ります」

 

――チーム目標と個人目標をお聞かせください。

 「チームとしてはやっぱり勝ち点を取って最下位脱出っていうのがチームの目標で、個人の目標は打ったことないので打率3割、打点は去年4だったので8。目標倍でいきたいと思います」

 

――今シーズンへの意気込みをお願いします。

 「最下位脱出します! 応援よろしくお願いします!」

 

――ありがとうございました。

 

[西田舞衣子]