
バスケットボール部(男子部) 覚悟のインカレ専大戦 光明差した最終Q/卒業記念特別企画
全日本大学選手権の決勝トーナメント、日本経大を下した明大を待っていたのは秋季リーグ戦2位の専大。圧倒的な高さとハイレベルな総合力から優勝候補の一角とされており厳しい戦いが予想されたが、第3Qまで10点差ビハインドと善戦を繰り広げる。「もしかして……」と担当部員も一縷(いちる)の望みをかけた最終Q、引退と勝利どちらかを決めるカウントダウンが始まる。
◆12・3〜11 第74回全日本大学選手権(大田区総合体育館他)
▼明大――ベスト16
試合開始直後から、リードは奪えないものの必死に食らいついた。「攻守の切り替えがうまくいき、留学生が戻る前に攻撃できていた」(SF勝山大輝・法4=正智深谷)。留学生のいない明大の中で培われてきた留学生対策がはまり、前半では4点ビハインドと接戦を繰り広げる。第3Qでも振り切ろうとする専大にすがり、少し離されるも10点差。十分に逆転が可能な位置で最終Qを迎えた。
(前半はPG平松克樹(情コミ2=福岡大大堀)の鋭いドライブがさく裂するなど、内と外の攻撃の使い分けが光った)
しかし最終Qが動いたのは専大の3Pシュートからだった。流れを引き寄せたい明大にとって、先制点を取れなかったのは痛い。相手に勢いを与えてしまうことになり、留学生に連続得点を許すなどずるずると引き離されていく。相手を止めたいがファールを取られてしまい、フリースローでさらに点差が広がる。気づけば残り3分弱で20点差がつき、逆転はもはや不可能な時間になっていた。
最終1分半、明大が大幅な選手交代をする。下級生が下がり、出てきたのは4年生が5人。「ああなったってことはもう終わりなんだって思った」(勝山)。明大が敗北を認めた。撮影をしていた自分は確信しつつもシャッターを切り続ける。出てきた選手たちは涙一つ見せずに前を向いているのだ、自分が落ち込んでいてはいけない。引退の知らせでもある試合終了のホイッスルが、鳴り響くまで戦い抜く姿を残し続けた。
(下級生主体ではあったが、最後は4年生だけのゲームとなった)
試合終了後「リーグ戦など全て来ていただいてありがとうございました」(勝山)と声を掛けられ、今年度の活動が終わったのだと身に染みた。我々記者は刻一刻と迫る試合終了の時間まで、敗北が見えていようが関係なく選手の姿を記録し続けてきた。バスケットボールに一発逆転はないことを理解しながら、次につながる試合になることを願い、残し続ける。選手たちは今季の内容を生かし、来年度こそ笑顔をたくさん見せてくれる。そう思いつつ今年度最後の試合会場を後にした。
[菊地秋斗]
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