(120)大学野球引退インタビュー 中村奎太

2022.12.24

(この取材は11月2日、12月7日に行われました)

 

中村奎太外野手(国際4=日大三)

ーー4年間を振り返っていかがですか。

 「とても早かったなと思います。苦しい場面もうれしい場面もありましたが、4年間ずっと自分たちの代で優勝したいと先輩方の悔しがってる姿を見て思っていたので、それが実際にできてとてもうれしいですし、後輩たちもこういう結果で終わってほしいなと思います。自分たちが三冠で四冠はできなかったので、後輩たちにはしっかり四冠してもらって最高の形で終わってほしいなと思います」

 

ーー4年間のリーグ戦を振り返っていかがですか。

 「自分は1年目の秋に初めて(ベンチに)入らせてもらったのですが、その頃はまだ何も背負うものがあまりないというか、まだまだ責任というものが芽生えていない状況でした。すごく目の前の試合に必死だったというのを今でも覚えています。2年、3年というのはコロナ禍ということもありうまくできないこともありましたし、無観客なこともありましたし観客を入れてもらえたこともありましたし。この点に関してはいい経験になったと思います。その中でいざ4年目に迎えたという時に、1年生の時にはなかった責任感というか、4年だからチームのためにとにかく動かないといけないという思いがあって、とても必死になってやらなければというのがあったと思います。いい経験をさせてもらった4年間だったなと思っています」

 

ーー途中からは野手に専念する形となりましたが、何か理由はございますか。

 「理由としては打者に専念したの方がいいのではないかと言っていただいて、自分もバッターの方が自信があったのでその方がいいかなと思ったからです。監督からも当時は善波(達也元監督)さんだったのですが、善波さんに絞ってみないかと話をしていただいたので、そう言っていただけるのは自分としてもとてもありがたいことだなと思っていました」

 

ーー今年のチームはどのようなチームでしょうか。

 「4年生が明るいチームだと思います。それに3年生2年生1年生がついてきてくれるというか、その点においてとても雰囲気がいいチームなのかなと思っています」

 

ーー4年生として心掛けていたことはありますか。

 「とにかく声を出すことです。自分は別に野球のことでなくても練習中も含めて、とにかく発言するということ、とにかく何かを言うということが一番大事だなと思っています。とにかく声を出す。それが本当に重要かなと思います」

 

ーー寮長に決まった経緯を教えてください。

 「(田中武宏)監督に『寮長を頼む』とお願いがあったというか『してもらってもいいか』みたいな感じで打診していただきました(分担はある)それはなくてみんな同じようにやっています。毎週寮内清掃があるのですが、そこで点検したりといった形です。それだけでなく普段の日常でもみんなやはり注意しなければいけないところはするという感じで、誰がどの役割とかではなく協力してやっていました」

 

ーー明大での4年間で成長した部分はございますか。

 「やはり4年間、人間として、やはり人として成長させてもらったかなと思います。人間力野球というのもあるじゃないですか。当たり前のことですけど、あいさつをするとか掃除をするとか部屋を整える。そういうことを心掛けて生活することの大切さというのは感じましたし、学べたと思います」

 

ーー中村選手が考える人間力野球とは何でしょうか。

 「まず仲間を否定しないとかチームとしてマイナスなことを言わないということだと思います。みんな練習とかで『お前はできないよ』ということとかそういう雰囲気がなくて。また野球だけではなくて普段の寮生活とか掃除だけを考えてもどうしたらいいのかとか少し視野を広げることで1人だけではなくてみんなで掃除することもできますし、そういう点を考えて普段の生活が野球につながっているというのは明治大学の野球部みんなが認識していることだと思います。なのでそういう面、生活が野球につながるというところも人間力野球なのではと感じています。とにかくプラスにプラスに考えて、日々の生活から野球に通じるものをとにかくやってつながっていると考える…といっただったりですかね」

 

ーー4年間で影響を受けた方はいらっしゃいますか。

 「福王(昭仁)コーチだと思います。自分の高校の先輩でもあり、明治の先輩でもあって、人としても野球選手としても成長させてもらいました。例えば野球がうまくいかないときに、じゃあ何でできないんだということをしっかり自分で考える。逆に良かったときに何で打ててるんだろうというの自分でしっかり考える。これをしっかりやらないといけないと教えてもらいました。チームの為に何ができるかというのを常に考える、自分がどうだとかいうより、やはりチームのことをとにかく考えてやらないといけないということ。それは生活もそうですし野球もそうですし。そういうところを考えてやらないといけないと日々教えていただきました」

 

ーー同期はどのような存在でしたか。

「つながりが良くて話しやすいというか。本当に何でも話せる関係で、自分はとても大好きです。いい雰囲気というか、それを実際につくっている蓑尾(海斗・文4=日南学園)、山田陸人(法4=桐光学園)であったり。みんなが明るくて、明るくしようというのがあるので、それはとても楽しいですね」

 

ーー後輩たちに伝えたいことはございますか。

 「やはり野球をやるからには4年間というのは早いですし一瞬なので、まずは楽しむというのと、自分の好きな野球をどれだけうまくできるようになるのかというのを考えて努力してほしいと思います。せっかく野球をこれだけやっているので本当に悔いないようにしてほしいです」

 

ーー優勝パレードを振り返っていかがですか。

 「多くの人に支えられて野球ができているなと感じました。これだけ多くのファンがいて明治の野球部は成り立ってると思えましたし、多くの方々が来てくれてとてもうれしかったです。ただそれと同時に結果を残さなければいけないんだなとも感じました」

 

ーーこれからの野球人生のビジョンはございますか。

 「社会人で野球を続けさせてもらうのですが、まだまだ守備の面だったりバッティングにおいても足りないレベルにあると思うので、しっかりと上を目指せるように日々練習して野球人生を長く続けられるようにしていきたいと思います」

 

ーーありがとうございました。

 

[伊藤香奈]

 

◆中村奎太(なかむらけいた)国際4、日大三高、175センチ、78キロ、右投げ左打ち、外野手。

 この1年間、常にベンチの一番端から声を出していた中村選手。「最初の方は違ったのですが、いつからかベンチにいるときは石川雄大(元学生コーチ・法4=明大中野)と鈴木一真(元主務・政経=明大中野八王子)と3人でそこにいるのが当たり前になっていました。声も出しやすくてみんなに聞こえやすいので」といつしか定位置になっていたようです。