
(94)静岡高前監督 栗林俊輔氏インタビュー/ドラフト会議

先日のドラフト会議にて中日ドラゴンズより2位指名を受けた村松開人主将(情コミ4=静岡)。今回は、村松主将が高校時代プレーした静岡高の前監督・栗林俊輔氏へのインタビューをお届けする。
――村松主将指名の瞬間はどうご覧になっていましたか。
「仕事をしていて、職場の人に言われて、それで気付きました。2位なんだって。聞いた瞬間はもちろんうれしいのですが、順位が2位でびっくりしましたね」
――村松主将を初めてご覧になった時の感想はいかがですか。
「初めて見たのは本当に試験の時です。本人も緊張しているし、見られることは限られていましたからね。当時はまだ細かったのですが、第一印象は体の出力がすごかったです。出力が良いから足も速く、打つと打球も強く肩もいい。そんな印象ですね」
――高校時代はどのような選手でしたか。
「人間的なタイプでいうと誰からもかわいがられるタイプでしたね。先輩からもかわいがられますし、同級生からはかわいがられるというのは少し違うのですが、仲良くできる。リーダー的なタイプではなくて、それで野球やらせたらうまい、という感じでしたね」
――現在はミート力の高さが売りですが、高校時代から目を見張るものがありましたか。
「もともとそういうタイプなのですが、明らかに大学に入ってから成長しましたね。技量も人間的にも。技量はもともと高くて、六大学でレギュラーは取れると思っていましたが首位打者争いするとかは、そこまでいけるかなという感じでしたね。人間的にも、野球のときは自分のことに集中するタイプで、明治でキャプテンやるとかそういうタイプではなかったです」
――大学に入ってから一番変わったと思うところを教えてください。
「漂う空気ですね。体もすごく変わったと思うのですが、高校の時と比べると雰囲気が大人っぽくなりましたね。これは記事で知ったのですが、村松が言い出して4年生が率先して雑用するようになったって。そういうのも立派だなと思いましたね。あとは顔です。ドラフトの前からすごく顔が良かったですね。明治でキャプテンという立場がそうさせてくれたのかもしれないでが、どっしりしていて落ち着いた感じがあります。自信があるのか、あるいは試練を乗り越えたから腹が据わっている部分があるのかは分からないですけど。また、野球に取り組むにしても人として生きるにしても、考え方の土台や軸になる部分で大事だと思うことを村松に限らずみんなに繰り返し言ってきたことがあって、そういったことが生きていたなら嬉しいなと思います」
――逆に変わらないところはどこでしょうか。
「素直なところ、やはり人にかわいがられるというか、そういったところです。また、六大学でレギュラーになって明治大学でキャプテンをやらせてもらっても、思い上がるとか勘違いするとかそういうところを感じないですね」
――大学入学後の村松主将のプレーをご覧になっていかがですか。
「自分が監督をやっていた時はなかなか行けなくて、今年初めて行きました。まずはケガをして戻ってきて安心したことと、やはり成長したなと思いましたね。プレーもそうですが10番を着けていて。本当にキャプテンなんだなと思いましたね」
――栗林前監督から見た村松主将の良さを教えてください。
「野球の面で言えば、全てにおいて能力が高いことですね。プロではそういう選手ばかりかもしれませんが、打つことも守ることも走ることも全てにおいて見劣りしない選手だと思います。また、舞台に強いことです。今回の秋も、ドラフト前で大事だと分かっている中でそれなりの結果を出しましたし、高校の時の甲子園でも活躍しました。舞台慣れをしているというのも、あの子の持ち味なのだと思います。それと、どんな世界でも結局は人だと思うんですよね。実力はもちろん大事ですけど、そういう点でもあんまり心配はしていないですね」
――プロの世界で、どのような選手になってほしいですか。
「自分の持ち味を生かしたプレーヤーになってほしいですね。村松で言えばミート力、スピード、キャラクターですね。自分の良いところを、生かした選手になってほしいことと、静岡県なら静岡県、後に続く子供たち、野球少年たちに夢を与えられるような選手になってほしいですね」
――村松主将に向けてメッセージをお願いします。
「自分の持ち味を忘れずに、ケガには気を付けて頑張ってほしいですね。また、本人は分かっていると思うのですが、明治大学の方やお世話になった方々への感謝の気持ちを忘れずに、自分らしくやってほしいです」
――ありがとうございました。
[西村美夕、野口優斗]
関連記事
RELATED ENTRIES