
(76)木本圭一 走攻守全てで躍動しチームを救う

中学次全国優勝。U―15日本代表選出。多くの注目を集めた木本圭一内野手(政経1=桐蔭学園)は高校1年次からレギュラーをつかむ。しかし高校最後の夏は初戦敗退。その悔しさを胸に、東京六大学の舞台では走攻守全てで相手を圧倒する存在になってみせる。
大舞台での経験
小学1年次、父親の影響で野球を始めた。その才能はすぐに開花し、中学次は静岡裾野リトルシニアの主将としてチームの全国優勝に貢献。さらにU―15の日本代表に選出される。満を持して臨んだ世界大会では、熾烈(しれつ)なスタメン争いの中で試合に出られないことも多く「自信がなくなった」。しかし少ない出場機会をモノにしてスタメンを奪取。中学時代の仲間には、六大学やプロでプレーする選手も多く「今でも良い刺激になっている」。世界大会という舞台は木本にとって非常にプラスになる経験だった。
高校時代の明暗
高校は神奈川の強豪・桐蔭学園高に進学。1年次夏からレギュラーとして大活躍を見せる。その裏には2学年上の森敬斗選手(横浜DeNA)の助言があった。「バットに当たらなくても思い切って振れ」。その言葉が夏の活躍につながった。「良い部分を吸収して自分も成長できた」。偉大な先輩と過ごした日々は木本を大きく成長させた。
3年次には主将に就任。木本の高校最後の1年が始まった。しかし「歯車がかみ合わなくなった」。主力としての責任感、目標であったプロへの強い思い。それらがプレッシャーとなり不振に陥ってしまう。そんな中迎えた最後の夏、初戦の相手は慶應義塾高。1点ビハインドの最終回に木本が意地の三塁打を放つも、同点のホームを踏むことはできず。「あっという間に終わってしまった」。世代の先頭を走り続けた木本にとって、あまりに短い夏だった。
新たなステージ
進路は「まだプロのレベルに達していない」。そう考え大学進学を決意。目標のプロに行くために「誰よりも頭一つ抜けて活躍できる選手になりたい」と将来を見据える。今春のリーグ戦、優勝の瞬間はスタンドから見ていた。「早く試合に出たい」。高校時代の雪辱は、神宮で果たす。木本の逆襲は、まだ始まったばかりだ。
[久和野寛人]
◆木本 圭一(きもと・けいいち)政経1、桐蔭学園、175センチ、78キロ、右投げ右打ち、内野手
部員紹介で趣味の欄に映画鑑賞と書いたのは単に書きやすかったから。
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