(68)秋季リーグ戦後インタビュー 村松開人

(この取材は10月30日に行われました)
村松開人内野手(情コミ3=静岡)
――今季を振り返っていかがですか。
「あまり納得がいくような成績は残せていないと思います。個人的にもチーム的にも勝ち切れなかったところがありますし、詰めの甘さというか、最後の一押しという部分が今回全く駄目だったので、そこは来季に向けての課題です」
――印象に残っている試合はございますか。
「慶應の試合ですかね。うれしかった試合というのは丸さん(丸山和郁主将・商4=前橋育英)がタイムリーを打った試合など結構ありますが、最初の慶應の2試合目ですね。1試合目引き分けて2試合目、1点差で勝っている中で9回2アウトまで取っているのに勝ち切れないというところがチームの弱さというか、そこで勝てなかったからずるずるいってしまったのは感じていました」
――今季は全試合二塁手として出場されましたが、守備に関してはいかがですか。
「全く駄目でしたね。神宮は打球が速いので、それに対して刺されることが多かったというのもそうですし、状況に応じてのプレーをしないといけないけれど、その選択ミスがありました。こういうプレーをすればアウトになるけれど、俺はこういうプレーをしてアウトにできなかったというケースが序盤に関しては結構多かったです。それを後半になって修正するのではなく、序盤からできるようにしていくことが大事かなと改めて思いました」
――打撃は3割6分1厘でしたがいかがですか。
「もうこのラインが最低限です。最低このくらいというベースになってくると思いますし、これからはこれ以上打たないと駄目だと思います。そこは満足することなく、どんどん上を目指して質のいい内容にしたいなとまだまだ思いますね。全く納得できるような打撃内容じゃないので、もっとレベルアップしたいなと思います」
――今季成長したところはどこですか。
「春に比べて全体的な広い視野を持ってプレーすることができました。野球はチームプレーなので、そこに関しては余裕を持ったプレーができていたのではないかなと思います。下級生が多いので声を掛けてやりやすいようにさせてあげないといけないのですが、そういうことも含めて余裕を持って広い視野を持ってできたと思います。まだまだ完璧ではないけれど、春よりはできたかなと感じます」
――長打が増えたことに関してはいかがですか。
「その辺は夏の成果が少しずつ出ているのかなと思いますが、やはりチャンスで打つということができていないので、そこはもっと練習が必要かなと思います。ここ一番で発揮する集中力がまだまだ足りないと思うので、練習で補っていくしかないと思います」
――下級生の台頭に関してはどう見ていますか。
「下級生が出てきてくれればレギュラー争いも起きてチームのレベルアップにもつながるので、どんどん出てきてほしいなと思いますね」
――シーズン通して意識していたことはございますか。
「春はやるべきことをやろうと思っていたのですが、秋は4年生が最後だったので、何としても優勝したいという思いが倍強くなって、4年生のためにと思ってプレーするようにはしていました。だから極論俺がヒットを打たなくても塁に出ればいいという考え方だったり、つないで1点取ればいいという考え方だったり、そういう考え方をするようになりました。俺がヒットを打って打率を残したいということはあまり思わなかったです。やるべきことをやるというのもそうですが、チームのためにという感じです。勝つために、4年生を勝たせるためにという感じでやっていました」
――立大戦の竹田祐投手(政経4=履正社)と丸山主将の活躍はどのように感じましたか。
「やはりすごいなと思います。俺らからしてみれば、最上級生のそういう立場にいる人たちがそうやって決めるところで決めるというのは、なかなか決めたくても決められないのが普通なので。ああいう大一番で力を発揮できるのは本当にすごいなと思いますし、見習いたいです」
――最終戦後は涙を流す姿も見られましたが、どのような思いがございましたか。
「優勝はなかったけれど勝とうという話はしていたので、そこで勝ち切れなかった悔しさと、4年生がもういなくなるので寂しいなという気持ちもありました。次は自分らの代なので、そういう立場になってやらないといけないなという思いもありました」
――4年生からはどのような言葉を掛けられましたか。
「丸さんには『来年頼むぞ、優勝しろよ』と声を掛けていただいていたので、自分らも四冠取りたいので期待に応えるつもりでいますし、頑張ります」
――4年生から引き継いでいきたいところはどこですか。
「丸さんがよく言っていた『凡事徹底』というのはすごく大事だと自分も思っているので、私生活や人として当たり前のことは、明治の野球部として継承していかないといけないと思います。そういった部分を残していきつつ、もっと改善するべきところがあると思うので、そういったところはもっと良くなるように改善しながらやっていければいいかなと思います」
――来年度に向けて伸ばすべきところはどこだと思いますか。
「打力も今以上に打たないといけないと思いますし、ピッチャーも大事な場面で抑える力が必要だと思います。どれを伸ばすということではなく、各ポジション、各打者陣の課題を全員で克服することが大事だと考えています。だからといってこういう練習をするというものは特にないですが、いつもの練習をどのくらいの意識でやっているかで神宮に立った時の気分が違ってくると思います。自分たちで詰めの甘さをなくしてスキのないチームをつくりたいとみんなで話していたので、そういったチームをつくれればいいです」
――刺激を受けた4年生はどなたですか。
「ほぼほぼ全員ですね。やはり丸山さん、竹田さんは別格ですかね。情に厚いというか、闘魂がすごいので。そういうのは見ていて伝わるので、最上級生としてあるべき姿というか、戦っていく上であのような姿勢は絶対に継いでいかないといけないなと思います。真似できるかどうかは分からないですが、自分たちなりの戦う姿を見せていきたいなと思います」
――新チームに向けてはどのような話し合いをされていますか。
「やはり自分たちのチームなので、どういうふうに効率よく練習するか、課題はどういったところなのか、そのためにどういったトレーニングや練習をしてその課題を克服するのか、そういったもろもろの話をしています。意外と3年生は考えている人が多いので、さまざまな意見があって面白いなと思います。みんな勝ちたいという思いが一番強くて負けず嫌いが多いので、そこを原動力にして頑張りたいなと思いますね」
――来年度はどのようなチームにしたいですか。
「明治は粘り強く執念があるチームだと思っているので、そういうところは残しつつ、アグレッシブにいきたいなと思っています。見ていて面白いなと思ってもらえる野球をすることや、応援されるチームになることが一番だと思います。特に目立ったことをするわけではないですが、こつこつとやることを積み上げてやっていけば見ている人は見ていると思うので、そういったところはぶれずに固くやっていきたいなと思います」
――チームのためにどのようなことをしていきたいですか。
「やっていない人に言われたところで全く響かないと思いますし、引っ張っていく人たちが一番やらないといけないと自分は思っているので、そこは先頭に立ってやります。野球のことであったり、私生活や寮の過ごし方だったり、何を取ってもそうなのですが、そういったところは4年生を見て3年生が真似をするというつながりがあるので、自覚と責任を持って行動したいなと思います」
――来年度の目標を教えてください。
「チームでは四冠を取ると決めているので、個人としてはタイトルをもう1回取りたいと思っています。ベストナインや首位打者を取れたらという感じではやっていきたいと思います」
――オフはどのような練習を中心にされますか。
「守備もやらないといけないし、バッティングもやらないといけないし、体づくりもしないといけないし、やることはたくさんあるのですが、3年間やってきてある程度の要領というか、コツというのはもうつかんできているので、それは実践します。あとは質ですね。チームとしても個人としてもやらないといけないことが多いから、そこはうまく調整してやります。何か一つを上げるよりは、全体のレベルを上げるイメージですね」
――ここまでの3年間は振り返っていかがですか。
「ここまでの3年間はとても早かったです。1年の頃は挫折して、2年になって開幕戦でレギュラーを取りましたが、結果を残せずに外されました。秋はそれを克服して少し打ちました。そして3年になってレギュラーを取ってベストナインも取りました。このような感じでやってきていて、この過程が順調かは分からないですが、3年間通じてやるべきことはやってきたと思っています。雑用などの野球面ではないところも全てやることはやっていたので、そこに関しては自信持ってしっかりやってきたと言えます。それは良かったと思いますし、自信を持ってこれからもやっていきたいと思います」
――最後の1年間はどのような年にしたいですか。
「やはり悔いを残さないようにしたいですが、多少の悔いは残ると思います。それでもこれでいいと思えるような1年にしたいです。それは今年の経験を生かしてやりたいと思っています。あとは日本一を経験している学年が自分らの学年しかいないので、日本一を取れずに自分らの学年が出てしまうと日本一を経験した学年がいなくなってしまうので、そういった面に関しては自分たちが後輩に『日本一ってこれだけいいんだよ』というのを味わわせてあげたいです。それは自分らの宿命というか責任だと思っているので、自分らの代にとっても後輩たちにとっても、いい1年だったなと思えるような、そういう代にしたいなと思います」
――ありがとうございました。
[西村美夕]
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