
(30)明大の若き4番 勝負強い打撃で頂点へ 上田希由翔

勝負強い打撃で神宮の空にアーチを描く。秋季リーグ戦で1年生ながら4番に座り、鮮烈なルーキーイヤーを飾った上田希由翔内野手(国際1=愛産大三河)。高校時代から4番に座り、通算46本の本塁打を放った。新世代の左の大砲が明大を勝利へ導く。
自信を持てる武器を手に。家が野球一家だったことから始めた野球。高校は地元・愛知の愛産大三河高に進学し、才能はすぐに開花。高校2年次から4番に座り主力としてチームに欠かせない存在となった。しかし、連日続く厳しい練習で「辞めたい」と思うことも。それでも「自分に自信を持てる打撃があった。なんの取り柄もなかったら続ける意味はない」と自分を鼓舞。そこからさらに練習に励み、打球も遠くに飛ぶように。するとその年、チームの22年ぶりの甲子園出場に主砲として5割越えの打率を残すなど大きく貢献。甲子園では及川雅貴投手(現阪神タイガース)から安打を放つなど計2安打を記録。チームは初戦敗退も「緊張せず、自分の力を最大限発揮できた」と自慢の打撃を甲子園の舞台で披露した。
運命の1球だった。3年次に主将となってから「全てのことを全力で取り組むようにした」と行動面においても成長。主将兼主砲として挑んだ最後の夏。2年連続甲子園出場という期待がかかる中、準々決勝を迎えた。2死満塁の場面で上田に打席が回ってくる。長打を打てば同点、逆転につながる場面。主砲の活躍に期待がかかった。しかし、結果は初球で凡退。「どうして簡単に終わってしまったのか」と悔いの残る結果に。そのまま、チームも勢いに乗ることができず敗退し、甲子園への切符をつかみ取ることができなかった。だが「粘り強く、勝負強い打者になりたい」。その1球が強い決意へと導いた。
自慢の打撃で安打を量産する
勝負強い打者誕生へ。プロからのスカウトもあったが「もう少しレベルアップしてからプロに行きたい」と大学進学を決意。持ち前の力強い打撃を買われ、春季リーグ戦で神宮デビューを果たし、好機で打席に立った。しかし、2打席凡退と勝負強さに課題の残る結果に。それ以来「好機を想定して練習するようにした」。すると、秋季リーグ戦では大きく飛躍し、チーム2位の打点をマーク。勝負強い打者へと変貌を遂げた。名前の由来は希望に向かって自由に羽ばたく。その名の通り、明大の勝利と3年後の未来に向かって大きく羽ばたいていく。
[宮本果林]
◆上田 希由翔(うえだ・きゅうと)国際1、愛産大三河、183センチ、83キロ、右投左打ち、内野手
最近先輩に勧められ、日向坂46にハマる
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