(28)明大の主軸を担う打者へ 父と同じ日本一の景色を 斉藤勇人

2021.01.30

 走攻守、三拍子がそろった大型スラッガーだ。全国屈指の名門・常総学院高出身の斉藤勇人内野手(文1=常総学院)。昨春の東大戦では神宮初安打を記録。昨秋早大戦ではスタメンに抜てきされるなど、将来が渇望される。幼少期から憧れていた紫紺のユニフォームに袖を通し、神宮での飛躍を目指す。

 

 「小さいころから明大野球部を目標にしていた」。明大バスケットボール部出身であり、現在はヘッドコーチを務めている父。そんな父を持つ斉藤は、中学時代はバスケットボール部に所属していたが、「好きなことをやれ」と高校からは野球一本で勝負。強豪・常総学院高で甲子園を目指した。しかし、最後の夏は準々決勝で敗退。憧れの舞台には一度も出場することができなかった。高校時代、幾度も日本一に輝いた父。「自分も父さんのように、日本一を経験したい」とその背中を追い、明大野球部への進学を決めた。

 

 満を持して臨んだ大学野球は、悔しい幕開けとなった。持ち前の打撃力を買われ、昨秋の開幕戦ではスタメンで出場。しかし、結果は無安打。チームに貢献することができなかった。「引きずっても仕方ない」と次の出番に備えバットを振り込んだ。それでも、昨秋はリーグ戦を通じて安打は出ず。「大学野球の厳しさを痛感した」。現在の課題はバッティング。高校時代に武器としていた長打力を引き出すため、この冬はウエートトレーニングに力を入れさらなる筋力増加に取り組む。

 

 「同学年の活躍を見ると、正直すごく悔しかった」。高校卒業後、瞬く間に頭角を現した同期たち。その中でも、最も意識したのは常総学院高時代の同級生である菊田拡和(読売ジャイアンツ)だ。菊田の活躍には敬意を表するものの、高校時代は共にクリーンナップを担っていた。それだけに、自分も同じ舞台に立ちたいという思いは強い。

 理想はバランスのとれた選手。恵まれた体格と技術に磨きをかけて、明大打線の主軸を任される選手になる。〝継続は力なり〟。父の教えを胸に、悲願の日本一へ。斉藤の挑戦は、まだ幕を開けたばかりだ。

 

[野口優斗]

 

◆斉藤 勇人(さいとう・はやと) 文1、常総学院高、185センチ・85キロ、右投げ右打ち、内野手

映画とアニメが好きで、鬼滅の刃は2回見に行った。好きなキャラクターは煉獄さん。中学時代のバスケ部は顧問にスカウトされて入部した。