関東71チームの頂点に立った! 24年ぶりV 

2019.05.15

 24年ぶりの優勝で全日本を決めた。千田京平主将(農4=花巻東)率いる新チーム初の公式戦となった今大会。トーナメントを勝ち抜き迎えた決勝の相手は、昨年度の優勝校である東洋大。序盤から得点を重ねていくと、先発の高島泰都投手(法2=滝川西)が完投し、8―2で試合を制した。関東王者となり、チームが目標に掲げていた8月の全日本大学選手権への切符を手にした。


関東王者

 全員野球で頂点に立った。決勝6回裏1死満塁のピンチ。鋭い打球に竹村律生内野手(営4=佐野日大)がジャンプ一番。ファインプレーで併殺に抑え「流れを完全に持ってくることができた」(高島)。高島が2失点完投、打線は8得点で、24年ぶりの偉業を達成した。

 劇的勝利で波に乗った。2回戦の法大戦。昨年度リーグ戦で全敗の難敵に「一番のヤマ場で一番厳しい試合」(原晟也内野手・情コミ2=彦根東)を繰り広げた。延長10回裏、満塁の好機で谷口秀斗内野手(営2=広陵)が左前適時打を放ち、サヨナラ勝ち。準決勝・国士大戦でもサヨナラ勝ちと「負ける気がしなかった」(武田眞捕手・政経3=明大中野八王子)。チームは一戦ごとに勢いを増し、優勝杯をかっさらった。


意識改革

 部のモットーは自主性。試合も練習も自分たちで伸び伸びやる。しかし、昨年度はそのチームカラーが「甘えにつながってしまった」(竹村)。練習から参加率が低く活気がない。さらに「体調不良」の一言で練習を休めてしまう暗黙のルールが横行していた。その結果、関東大会の2回戦敗退から始まり、春秋リーグ戦も5位と低迷。「目標がなくバラバラ」(千田)。団結不足は逆転し切れない粘り弱いチームを生んだ。

 新チームでは個人で動くのではなく、集団で動くことを意識。「勝つ集団をつくりたい」(千田)。その思いを、主将が練習からチームに浸透させた。足りない部分を明確化し、メニューを作成。さらに全員で一日一日テーマを持って、練習後には反省点を共有。目標もスタメンも自分たちで決める。格段に厳しくなった練習でも「つらいことを乗り越えると盛り上がる」(竹村)。その成果が一番に表れたのが法大戦だった。延長10回に勝ち越しを許し、崖っぷちに。それでも全員が諦めずにサヨナラ勝ちにつなげた。言葉だけでなく行動でも引っ張る「怖い主将」(武田)に周りが付いていく。それぞれの自主性が一つの方向へ向き始めた。


日本一へ

 原点から頂点へ。「自分がどうやって貢献したいかをみんなが考えてくれた」(千田)。今年度の強さは全員が主役になれること。試合ごとに投打のヒーローが誕生し、チームの勢いにつながった。結束力で「足りないところをチーム全員でカバーしてきた」(高桑一真外野手・商3=日大二)。関東制覇の次は、集大成となる全日本大学選手権。「4年間、このチームで勝ちたいから野球をしている」(千田)。この優勝が野球の楽しさと勝利の喜びを気付かせてくれた。もう一度熱い野球を、熱い明大を。日本一と胸を張れる日まで挑戦は続く。

【中澤美月】

※この紙面のご購入を希望される方はこちらからお申し込みください

年間購読・新聞販売について