
(26)早大戦事前インタビュー③ 福岡高輝選手

第4カードに迎え撃つは早大。春季リーグ戦では開幕から勝ち点を2カード連続で勝ち点を落としたが、後半に追い上げを見せ明大と同率3位に終わった。毎季のように熱戦を繰り広げ、数々のドラマを生んできた〝明早戦〟。奇跡の逆転優勝へ、両校とも譲らない一戦に注目だ。
(この取材は8月30日に行われたものです)
福岡高輝選手
――夏の期間はどのような取り組みをされましたか。
「ブラジルをはじめ遠征に行く機会が多くて、試合を通してチーム力を高められました。春は打点を稼げなくて、チャンスで打てないとチームのための打撃にはつながらないなと痛感して。飛距離を出せる、長打を打てる選手になりたいと思って力強いスイングを意識して練習していました。芯で強く当てられるストライクゾーンを、自分の中でもう少し広く持ちたいなと思って練習に挑みました。手応えはまずまずです(笑)」
――法大3回戦では自身リーグ戦初の本塁打も放ちました。
「自分ではあまり感触も良くなくて、レフトフライが風で入ってくれたという印象でした。ただ、シーズンを通して逆方向によく打てるようになったので、そこは収獲かなと思います。なかなか打点が稼げていない中で、本塁打と二塁打で自分が挙げた2点で勝てたので、あの試合は自分の中ではすごく印象に残っています」
――17年春は規定打席には到達していないながらも、3季連続で打率を3割に乗せています。
「自分は長打を量産するタイプではありませんが、芯に当ててヒットゾーンに運べるのは長所だと思っているので、チャンスで回ってきたら走者を帰す、先頭で回ってきたらまずは自分が塁に出る、という当たり前のことを意識してやっていきたいです」
――夏のブラジル遠征はいかがでしたか。
「向こうは冬だったこともあって、湿度が低くてカラカラした野球に適した気候でした。試合も全勝で、レベルの差はあったんですけど、それでもフルスイングしてくる選手が多くて見習いたいなと思いました」
――7月には六大学選抜として、世界大学選手権にも出場しました。
「良い選手が集まっているので、その人たちが味方チームにいる状況でプレーするのは、楽しかったですね。自分は練習試合でエラーしてしまって、本戦で使ってもらえずに悔しい思いをしたんですけど、その経験はすごく身になりましたね。六大学というだけで共通の話題も多いですし、すごく結束できました。正直、本物の代表には申し訳ないなという気持ちはありながらも、JAPANのユニホームを身に付けると気持ちが高ぶりましたし、いつも以上の責任感が生まれました」
――優勝した瞬間は。
「本物のJAPANが別で試合をしていたので、複雑というか、日本一って言ってもいいのかなという思いはありながらも、優勝できたのはすごくうれしかったです。でも、自分はそれに貢献できなかったので、JAPANが終わったら自分を鍛え直そうと思っていました」
――代表期間中に仲良くなった選手はいらっしゃいますか。
「同期はみんな仲良くなったんですけど、その中でも相馬(優人・法大)とかですかね。伊勢は今も頻繁に連絡をとっています」
――刺激を受けた選手がいれば教えてください。
「打撃は右打者だと、やっぱり中山さん(翔太・法大)、越智さん(達矢外野手・営4=丹原)ですかね。左だと柳町(達・慶大)とか。逆方向にすごく飛ばすので秘訣を聞きたいです。(代表期間中は)聞きそびれたので、今度聞いてみます(笑)。越智さんはスイングが独特で、バットが平行でも下からでもなく上から出ていて。バックスピンがかかっていて打球の伸びがすごいです。」
――今まで戦ってきた中で感じた明大の印象は。
「野手も投手もまとまっていて、能力の高いチームだなという印象です。投手陣だと、森下は球がすごく綺麗で、変化球も投げられるんですけど、自分としては伊勢の方がすごく打ちづらいですね。真っすぐが急に曲がったり、斜めから投げるのに150キロぐらい出るので、合わせづらいです」
――改めて、今季の目標を教えていただけますか。
「一番はチームを勝たせられる打撃をすることです。結果的に首位打者やベストナインといったタイトルがついてきたらいいなと思います。チームとしては、まずは春に続いて早慶戦で勝って、リーグ戦で優勝したいです」
――では、最後にファンの方にメッセージをお願いします。
「秋は少しでも打点を増やして、チームの勝ちに貢献したいと思っているので、今シーズンも熱い応援をよろしくお願いします」
――ありがとうございました。
[谷山美海]
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