
(14)慶大戦事前インタビュー① 大久保監督

第2カードの相手は今春王者の慶大だ。優勝をかけた春季リーグ戦では善戦するも、2度のサヨナラ負けで慶大に軍配が上がった。それだけに今季は絶対に負けられない。勝負強い打撃に加え、層の厚い投手陣。手強い相手だが全員野球で春の借りは返してみせる。
(この取材は9月5日に行われたものです)
大久保秀昭監督
――昨季の優勝という結果を振り返って感想をお願いします。
「昨秋から接戦が多い中つかんだ優勝という部分では非常にうれしいかな。同時に最後は勝ち点5のチャンスがありながら早稲田に勝ち点を落とした部分もあって、課題も残しました」
――勝ち点5を取れなかった要因は何でしょうか。
「ピッチャーが最終的にケガとかで足りなくなってしまったのかな。2カ月状態をキープするのは難しいし、かと言ってこの子が駄目だから次というチーム状況じゃないです。ある程度軸でやっているメンバーが、優勝した後のプラスアルファ―のところまで乗り切る体力、精神力が求められるかなと思います」
――明大にはサヨナラ勝ちを2度して勝ち点を取られました。
「うれしかったなー(笑)。たまたまですよ。明治と本気で戦う中で学ぶところも多いチームだし、人間力など野球以外のところも教育されてる大学さんなので、いい試合をして勝てたのは良かったと思います」
――河合主将の評価はどうされてますか。
「最初は自分がレギュラーとして試合に出るという確約もない中、コツコツとヒットを積み重ねました。もともとは人格者、しっかりした子なので、それにプレーが携わってより信頼感を得ていくことができた春のシーズンだったかな。彼の一言一言含めて、より重みも出てきたと思いますね」
――今年のチームの良いところはどんな部分ですか。
「一言で言うと活気がある。当たり前なんだけど、ほとんどの選手が生き生きとしてグラウンドにいてくれる。楽しみ方がわざとつくる笑顔じゃなくて、本当に強い相手に向かって結果を出していくとか。最終的に勝利するプロセスで自分が成長する瞬間などは思います」
――オープン戦での調子はどうでしょうか。
「野手の調子はケガなく目標や意図を持ってやっていれば、基本的に気にしなくていいと思っています。ピッチャーは本当に勝敗を左右するので、調子や内容は良く見ていますね。そう考えると大崩れする選手もいないし、多少の故障者がいるだけでほぼほぼ順調にきてますかね」
――この夏、重点的に取り組んだものは何ですか。
「打撃力の向上かな。僕は打たないと面白くないと思います。『守って勝ちます』という前提にありますが、野球の醍醐味はホームランや、スピードボールだと思います。その部分では『このチームで2桁ホームランが出れば強いよな』ということを言ってます。スイングスピード計ったり、打球速度を計ったりなど、数字を一つの目安としています。久しぶりにグラウンドの練習とかを見にきたりした人は『力強くなってるね。バッティング良くなってるね』と思われるぐらいのレベルにはなったと思います」
――慶大の投打のキーマンは誰でしょうか。
「言うと本当に活躍するからね(笑)。サードの内田(蓮)と投手は髙橋佑樹。2人がいい成績を収めてくれると、また優勝に絡んでくるかなと思いますね」
――秋は46年ぶり、3連覇がかかっています。
「 そこを目指せる幸せは感じますが、1勝1勝の積み重ねです。それこそ勝ち点5を取るつもりで、そのためには10勝しないといけません。5敗してもいかに10勝するかが重要なので、1戦必勝でいきたいと思います」
――最後に意気込みをお願いします。
「慶応を応援して良かった、また神宮に来ようという試合を多くしたいです。高校野球のように、みんなが見入ってしまうようなところにも負けないような魅力を、もっと発信できたらと思います」
――ありがとうございました。
[坂田和徳]
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