(12)開幕前インタビュー 善波達也監督

2018.09.14

 逆襲の秋へ、準備は万全だ。リーグ後半戦から失速し、優勝争いから脱落した春。技術だけでなく、私生活を見直しチーム力を上げて帰ってきた。学生野球の真価が問われる秋に、4季ぶり40度目の天皇杯を手にする。

 

(この取材は9月3日に行われたものです) 


善波達也監督

 ――夏のオープン戦の手応えはいかがでしょう。

 「春は4年生野手中心でしたが、秋もまた4年生中心になりそうです。3年生以下の技術が上がっていないわけではないです。4年生中心のラストシーズンにかける思いを出してもらいたいですね」

 

――監督ご自身も六大学選抜の台湾遠征に帯同しました。

 「台湾に行った人も、アメリカとオランダに行った3人も、代表ではそれぞれスタッフが期待してくれた仕事はしてくれたと思います。日米(大学選手権)に負けたのは残念だけど、オランダ(ハーレム・ベースボールウイーク)で優勝という素晴らしい成果を上げたと思います。(六大学選抜では)あの大会に勝つためにみんなで真剣に意見を交換して、真剣に話しながら勝つという成果を上げられました。六大学選抜という形の代表だったので、連盟として行って良かったねと思われるには勝つしかないので、そういう意味でも成果が出て良かったです」

 

 ――夏季オープン戦では渡辺佳明内野手(政経4=横浜)を2番で起用しています。

 「うまくつながりが出ると思うし、得点力が上がると思います。春の負けは全て1点差なので、何とかそれを詰めてひっくり返したいです。吉田(有輝主将・商4=履正社)が1番を打つと思いますが、犠打で送って1死二塁ではなくて、佳明(渡辺)でチャンスを広げて逢澤(崚介外野手・文4=関西)、越智(達矢外野手・営4=丹原)、森下(智之内野手・文4=米子東)につながっていくと彼らが返してくれるのではないかなと思います」

 

――逢澤選手と渡辺佳選手の2人はドラフトでの上位指名が期待されています。

 「佳明は高校の時には一塁手しかやっていなかったけど、大学入ってからは三塁手を守らせたり、二塁手、今年は遊撃手をやって、守備、捕球力、送球力が期待以上に伸びている気がします。打球も元々ミート率が高い選手でしたが、ピッチャーのレベルが上がってもそういう感じを出してきています。ベストナインも取ったように、周りから見ても認められるような選手になったんじゃないかなと思います。逢澤も打撃の飛距離も伸びているし、守備力は相当上がっています。元々投手をやっていたように肩は強いし、守備力は上がっているかなと。最終年で代表に選ばれるような伸び方もしていて、三拍子そろった良い選手になりつつあると思います」

 

――秋も投手は森下暢仁投手(政経3=大分商)、伊勢大夢投手(営3=九州学院)が中心でしょうか。

 「森下(暢)は1戦目を投げますね。あとは先発だと竹田(祐投手・政経1=履正社)が先発練習をコンスタントにやらせていて、選択肢に入るかなと。手応えはあります。代表では2人(伊勢、森下暢)ともしっかりとやっていました。暢仁(森下)も先発で何試合か中心で投げていて、暢仁が投げた試合は負けていないので。求められていた役割を果たしていると思うし、伊勢も台湾では『大事なところでは伊勢先発』という感じで、そこも役割を果たしていました。その経験を秋に大いに生かしてもらいたいなと思います」

 

――春に戦ってみて他大の印象はいかがでしょうか。

 「やっぱり慶応は勝つだけあって、少し余裕持ってやっている感じがします。ゲーム運びにも余裕があります。法政はやっぱり能力高いなと。立教も選手層厚くて、いつでも優勝争いしてくるチームになっていますね。早稲田は春見ると少しうまくいかないことが多いのかなという感じだけど、持っている能力があるからそれを出し切れていない印象です。東大は元々試合慣れをしていない子たちが相当努力して神宮に来ているというのは感じます」

 

――開幕から勝ち点を落とした法大、慶大と続きます。

 「巡り合わせが面白いですね(笑)。トレーナーさんと相談して前半のまず1カード目、2カード目と続きますが、体がフレッシュにぶつかっていけるような時期設定をしています。毎回そういう練習量を増やしたりというのはやるのですが、今回は早めて、その2カードに心も体もフレッシュにぶつかっていけるようにと。トレーナーさんと相談してそういうリズムでは練習をやっています。本当にそこね前半勝たないと、ということなのでよく分かっています」

――最後にファンの方へのメッセージをお願いします。

 「慶応の3連覇は明治が許しませんから、ぜひ選手の力になるようにいつもと変わらない応援をお願いします」

 

――ありがとうございました。 

 

[楠大輝]