(5)開幕前インタビュー 渡辺佳明

2018.09.12

 逆襲の秋へ、準備は万全だ。リーグ後半戦から失速し、優勝争いから脱落した春。技術だけでなく、私生活を見直しチーム力を上げて帰ってきた。学生野球の真価が問われる秋に、4季ぶり40度目の天皇杯を手にする。

  

(この取材は9月2日に行われたものです)

  

渡辺佳明内野手(政経4=横浜) 

――春のシーズンを振り返っていただけますか。 

「チームとしては1点差の試合が6試合あって、そこを勝ち切れなかったのは悔しいです。個人としては初めてのショートでシーズンを戦えてベストナインも取れたので、充実したシーズンでした」

  

――7月の1カ月間は、大学日本代表としての海外遠征が続きました。

「他のチームの主力選手とプレーして、試合外での振る舞いとか野球以外のことでも学ぶことは多かったです。途中出場の選手もずっと試合のために準備をしていて、見習わなきゃと思いました」

  

――代表戦では二塁手起用が主でした。 

「自分がセカンドをして、別の人がショートをやっているのを見て、自分よりも周囲への声掛けができていたり、先輩の自分にも臆せず何でも言ってくれて、セカンドから見て『自分もショートに戻ったら真似しよう』と思っていました。個人としては、なかなか結果が出せなかったので、悔しい1カ月間でした」

 

――帰国し合流したチームの雰囲気はいかがでしたか。

「主力が抜けている中で、みんなが主導的にチームを引っ張っていて『お、違うな』と思いましたね」

 

――4年生になって、スカウトの目などもありますが。 

「3割は残せましたが、自分としてはいつもの打撃はできていませんし、余計なことを考えてしまって、というのは少なからずあったと思います。今振り返ると、結果を残しにいこうとして当てにいって、フォームが小さくなったりしていました」


――8月末には神宮球場で高校日本代表との試合もありました。 

「後輩の板川(佳矢・横浜高)から打てなかったのは悔しかったですけど、すごく良いボールを投げていましたし、対戦できて楽しかったですね。大学生は代表としての最後の試合だったので、伸び伸び楽しもうと言っていました」 


――高校生側の応援はいかがでしたか。

「観客の応援も吹奏楽もすごくて、球場の雰囲気全てが高校生側だなと思いました。一つ一つのプレーで観客が沸くのは、やっぱり気持ちが上がりますね」

 

――改めて、ご自身の打撃の強みを教えてください。

「勝負強い打撃だと思っています。春はここぞの場面で打てなかったので、秋はそこにこだわりを持ってやっていきたいです」

 

――夏季オープン戦は2番機用がほとんどでした。 

「そうですね、監督からも『2番で行く』と言われています。でも、個人的には打順はあまり関係ないですね」


――夏の期間にご自身のプレーで改善したことは。 

「まずはボールを強くたたくこと、フォームが縮こまる癖から脱却するために大振りをするように、できるだけファウルを打つという三つを意識していました。最近は少しずつ手応えも感じているので、やってきてよかったかなと思っています。調子は良くなってきています」 

 

――ラストシーズンに特別な思いはありますか。 

「もう卒業なので、下に何か少しでも残せるようにとは、常に考えています。内野手も4年生がみんなレギュラーを占めているんですけど、一人でも多く下級生に出てきてほしいなと思います」 

 

――秋の目標を聞かせてください。 

「結果というより、悔いを残さずにシーズンを終えるというのが目標です。個人タイトルも取れるなら取りたいですけど、それは二の次ですね。チームとしては優勝して、日本一を目指します」 


――最後に応援していただいているファンの方々にメッセージをお願いします。 

「2年間優勝から遠ざかっているので、今季は10連勝してダントツで優勝したいと思っています。最後のシーズンになりますが、熱いご声援をよろしくお願いします」 


――ありがとうございました。


[谷山美海]