
谷口秀斗 成し遂げられなかった夢をここで果たす
派手さはないが堅実なプレーでチームに貢献する。谷口秀斗内野手(営1=広陵)は広陵高で甲子園準優勝を経験。大学でも1年生ながら春季リーグで二塁手としてレギュラーに定着した。走攻守そろった活躍でベストナインに選ばれるほどの実力の持ち主だ。
追憶
追い求めたのはいとこの背中だった。父が少年野球の監督だったことが理由で始めた野球。野球に対する姿勢に大きく影響を与えたのは日大三高で甲子園優勝を成し遂げた、いとこの存在だ。全国制覇の瞬間を目の当たりにして「自分も甲子園に出て全国制覇したい」と思うようになった。
甲子園に出るために選んだのは広陵高校。テレビもスマホもなく社会から切り離された環境だが、野球に打ち込める場所に自ら足を踏み入れた。ライバルは、チームメイト全員。「ついていくのに必死だった」。その中でレギュラーを勝ち取った谷口は自身が3年の時に夢だった甲子園に出場。10年ぶりの準優勝に輝いた。「自分の想像以上の場所だった」と甲子園を振り返る。
ただ後悔もある。甲子園が始まる前に調子を落とし、スタメンの予定だった準決勝、決勝はベンチスタート。自身が調子を落とした時の修正は今でも課題の一つだ。
信念
恩師として慕うのは広陵高の中井哲之監督。「メンバーを諦めかけた時に手を差し伸べてくれて、経験がない自分を県大会でずっと使ってくれた」。そんな監督の言葉で心に響いているのは「親に感謝しろ」「控えの選手を大切に」など、支えてくれている人に感謝すること。野球ができるのは他人の力があるからだと常に意識しながらプレーをしている。
理想は相手にとって嫌な選手になること。打席で粘り強く、そして選球眼を持ち四球を誘う。「ここでこいつは嫌だと思われるような選手になりたい」。2番打者として大事な仕事だ。4年間を通しての個人の目標は100安打。「1年の春から出させていただいているので、打てるのは自分しかいない」。
すでに1年生の中で頭角を現している谷口。高校時代に果たせなかった全国制覇の夢を目指す。
【岩田純】
◆谷口 秀斗(たにぐち・ひでと) 法1、広陵、168センチ・65キロ、高校時代のあだ名はヒデピヨ。自称「勉強大好き」。だが成績は心配な様子
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