(1)開幕前インタビュー 吉田有輝主将

2018.09.10

 逆襲の秋へ、準備は万全だ。リーグ後半戦から失速し、優勝争いから脱落した春。技術だけでなく、私生活を見直しチーム力を上げて帰ってきた。学生野球の真価が問われる秋に、4季ぶり40度目の天皇杯を手にする。


(この取材は9月2日に行われたものです)


吉田有輝主将(商4=履正社)

――現在の調子はいかがですか。

 「調子よくここまで来ていると思います。春は三振の数が多かったので、減らそうという意識でやっています。今までは狙いの球以外も振ってしまって、積極的すぎました。練習からバッティングの状況を考えて、自分に制限をかけて打つようになって、改善してきたと思います。また下半身を強化して、下半身を使って打とうとしています」


――守備への取り組みは。

 「春のリーグ戦を経験して、それなりにできるかなという感触はあります。あとは確率を上げることと、よりピッチャーを助けていけるプレーをしたいです。この夏は基礎というよりは応用です。セカンドは前のシーズンが初めてでしたが、ベストナインも取れて自信はつきました」


――六大学選抜に選出され、台湾で世界一になりました。

 「自分でもびっくりするくらい調子がよかったですね。勝負どころでも打てて、正直自分でもびっくりしています。(印象的な試合は)決勝戦です。優勝した瞬間はすごく印象に残っています」


――野球以外で台湾での思い出はありますか。

 「周りの人は台湾の料理の味が濃くて食べられていませんでしたが、自分と越智(達矢外野手・営4=丹原)はパクパク食べて、太って帰ってきました(笑)。タピオカは甘すぎましたね。たくさんの量で、タピオカも一個ずつ大きくて、きつかったです」


――他大の選手との交流で吸収できたものはありましたか。

 「慶応が連覇しているので、慶応の雰囲気を感じたいなと思っていました。実際に慶応の選手は、自分たちで動くことに慣れているなと思いましたね。自主性がすごく育っていました。自分たちも自主性を育てようと思って、今までアップは全員で合わせてやっていましたが、フリーにする時間をつくったり、全体で合わすことだけではないように監督さんなどと相談しながら変えました」


――夏の高森キャンプを振り返って。

 「3年生以下でやる試合が多かったです。その中で新しく戦力として出てきた選手も多くいて、自分たちもうかうかしていられないなと思いました。特に内山(竣外野手・商3=静岡)です。高森から帰っても打っていますし、もともと能力はあったのでようやく出てきたなと。4年生は試合を見たり、体幹をしていました。(チームとしては)例年より振り込んだと思いますね。春は投手より野手の方が経験していたので、野手で投手を助けようと言っていましたが、春はピッチャー陣も経験して。それなりに投げられると思うので、お互い助け合っていきたいです」


――春季リーグ終了後、善波達也監督がチームに厳しさが足りないとおっしゃっていました。

 「自分たちも何とか厳しさを持ってやっています。春に比べたら徐々にそういう言葉を言ってくれている人たちは増えていますが、まだまだ厳しいことを言っていけたらいいです。自分も結構言うようにしています」


――ラストシーズンを迎えます。

 「まだ最後のリーグ戦という思いがないです。振り返ってみるとすごく早い3年間やったと思います。大学に入っていろいろ成長できたと思いますし、監督にも感謝しています。監督のためにも何としてでも秋優勝して日本一になって、後輩たちにもいいものを残して卒業していければと思います。春は初戦をずっと落としていたので、初戦を取れるようにしていきたいです」


――個人の目標は。

 「春はトリプルスリー(注:打率3割、本塁打3本、盗塁3)と言っていて達成できなかったので、秋こそは達成したいです。またホームランを神宮で打ったことがないので、打ちたいです。盗塁も増やしたいです」


――ファンの方へメッセージをお願いします。

 「日頃から苦しい時でも、負けている試合でも応援してくださるファンの方のおかげで、自分たちもより頑張らないといけないと思います。恩返しの意味も込めて優勝して、一緒に喜びを分かち合いたいと思います」


――ありがとうございました。


[浜崎結衣]