
1点に泣く… 後半失速3位に転落

◆4・14~6・3 東京六大学春季リーグ戦(神宮球場)
▼明大――3位
〝奪冠〟には惜しくも届かなかった。明大は開幕から3カード連続で勝ち点を奪取。しかし慶大との天王山を落とすと、法大にも連敗。3位でリーグ戦を終えた。3季連続で優勝を逃したのは7年ぶり。不完全燃焼の春となった。
1点足りず
何度も見た光景だ。接戦を勝ち切り、ベンチを飛び出す相手選手。対照的にうなだれる明大ナイン。敗れた6試合全て1点差、サヨナラ負けは3度を数えた。「『あの時こうしていれば』という課題はいろいろある」(越智達矢外野手・営4=丹原)。悔しさだけが残るシーズンだった。
何が足りなかったのか。負ければ優勝が消える慶大2回戦では伊勢大夢投手(営3=九州学院)が完封勝利。法大1回戦では最終回に3点差を追い付くなど、粘りは見せた。「本当にちょっとの裏返しできっと勝てる」(善波達也監督)。チーム打率2割9分5厘はリーグ1位。ベストナインには六大学最多の4人が選出された。優勝できるだけの実力はあるはずだった。
厳しさ欠如
敗因は「雰囲気の甘さ」。選手も指導者も口をそろえた。開幕前、指揮官が語ったチーム状況。「少し緩い感じ。良い方に出ると信じているけど」(善波監督)。不安は的中した。仲は良いが、指摘の声が出ない。同じミスを繰り返し、戦う集団になり切れなかった。特にミスが目立ったのは捕手だ。単調な配球や捕逸に許盗塁。どの選手も信頼を得られず、スタメンは変動的に。善波監督は慶大の郡司裕也を引き合いに出し「総合力で差がある」と底上げを求めた。新たな扇の要の台頭が叫ばれる。
東大との開幕戦では星野仙一氏(昭44政経卒)の追悼セレモニーも挙行。「優勝を届けたかった」(吉田有輝主将・商4=履正社)。この結果には闘将からの叱咤(しった)が聞こえてきそうだ。秋こそは天国の先輩に優勝を、そして日本一を。厳しい夏を越え、神宮に帰ってくる。
【楠大輝】
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