いざV40へ 哀歓知る吉田世代

金字塔を打ち立てる。今年で創部108年を迎える硬式野球部。東京六大学リーグでは通算39回の優勝を重ねてきた。V40という大記録を控えた今年、主将に就任したのは吉田有輝内野手(商4=履正社)。誰とも壁をつくらない人柄で周囲の信頼を勝ち取っている。リーグ戦経験豊富な4年生世代を率いて、歴史に名を刻む挑戦が始まる。
高コミュ力主将
代替わりから5カ月。吉田の色は強くチームに反映されている。善波達也監督が「ものをはっきり言える」性格を認め主将に任命。「悪いところでも隠さず、逆に良いところはどんどん褒める。下級生にも気になったことは言う」と、その個性を存分に発揮した方針をとっている。成果は明らかに表れ「主将に意見を言いやすくなった」(渡辺佳明内野手・政経4=横浜)。また、これに影響され他の選手間でも会話は増加。「話すのが好き」な吉田ならではのアプローチで、100人近い大所帯を統べている。
手本は柳メイジ
主将として、目指すのは〝勝てるチーム〟。そのヒントはすぐ近くにあった。2年前、春秋連覇と日本一を成し遂げた柳裕也選手(平29政経卒・現中日ドラゴンズ)率いる世代。「最上級生がまとまっていて、しっかり一人一人が考えていた」(吉田)。そこに少しでも近づこうと始めたのが4年生同士のミーティング。「練習がぐだぐだしてたなとか、寮内が汚かったなとか。軽いことから重いことまで話し合う」(吉田)。全体の底上げのため、まずは4年生が主体となり部を動かす。黄金世代に学びを得て土台からチームをつくっていく。
偉業へ挑む戦い
108年の歴史が味方になる。キャンプには歴代のOBが帯同。広澤克実氏(昭60文卒)が打撃指導を行うなど、チームに厚く貢献している。V40が懸かっていた昨年は春に12年ぶりの5位、秋に勝率差で2位と悔いのみが残る結果となった。だからこそ今年は「何としても優勝したい」(吉田)。積み上げられた歴史に〝奪冠〟を誓う。【三ツ橋和希】
◆吉田有輝(よしだ・ゆうき)大阪府出身。高校3年次、U―18(18歳以下)日本代表に選抜。好きな食べ物はたこ焼き。174㌢・75㌔
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