髙山127安打 六大学最多タイ

2015.10.02

 髙山俊(文4=日大三)が9月27日の対早大第2戦で3回に左前安打を記録し、48年ぶりに高田繁氏(昭43農卒)が持つ127安打のリーグ通算安打記録に並んだ。今季は開幕から5試合にして計10安打と大暴れ。連盟90年の歴史において歴代1位タイにつけた。残すところ3カード。ついに前人未到の領域へ足を踏み入れる。

着実に成長
 3回1死一塁で迎えた第2打席。大竹(早大)から投じられた初球、低めの128キロの変化球に反応。打球はきれいな放物線を描き左前に転がり、電光掲示板にHのランプが点灯した。その瞬間、誰もが待ち望んでいた127安打目に神宮の杜が歓喜に沸いた。「ヒットの表示を見て、多くのファンの声援を受けて、記録を実感しました」。大記録に肩を並べ、塁上で歓声を味わった。積み上げてきた127本に、成長の過程をたどれる。髙山の内野安打は全体の19パーセント。俊足を生かし、凡打を安打に変えていくスタイルは今も昔も変わらない。しかし現在と比べると1、2年次には引っ張りの安打がメーン。特に2年次の左翼への安打はわずか1本のみにとどまっている。その後徐々に広角に打ち分ける技術を高めると、3年次には26パーセント、4年次には30パーセントと左翼への安打の割合が増加。善波達也監督も「4年間で成長したのはバットコントロール」と太鼓判を押す。節目となる127本目も、左前への安打だった。重圧を力に変えた。昨秋、通算100安打まであと1本に迫った際には、100本目を出すまでに10打席の間無安打に倒れた。シーズン終了後には「数字の面ではつらかった」と振り返るほど。だが今季は違っていた。「プレッシャーがいい緊張感になっている」。この試合、第1打席で安打を放ち127本まであと1本とすると、足踏みすることなく2打席連続安打で偉業に並んでみせた。

願掛け実る
 明大の大先輩が打ち立てた通算安打記録。大きな数字に迫っていく髙山に、善波監督は「記録更新を達成させてあげたいし、達成してほしい」と期待を込めていた。一方で髙山も「ここまでこれたのは監督が1年生の時から試合に出させてくれたおかげ。恩返ししたい気持ちは強い」と記録への思い入れを強くしていた。今夏、髙山は8月上旬から監督の指示で寮のトイレ掃除を継続して行っている。「最後は神頼み的な部分もある。ずっとトイレをきれいにすることで、何か少しでもいいことがあれば。汚いところをきれいにすればいいことがあるよ、と」(善波監督)。掃除をしている間は、その日に監督から言われたことを思い出す時間に。「あいつはすぐに忘れてしまうから」という監督の親心。今では一日を振り返る大事な時間になっている。挑戦は今後も続いていく。目指す先は東都連盟の持つ通算133本の安打記録更新だ。「神宮の記録として、目指していけたら」と意気込む。次カード以降は優勝争いが本格化していく。「チームがいい流れで、恵まれたチームメートに乗せてもらった」。4連勝で上昇気流に乗るチームと共に、希代のヒットメーカーは勝利のための一打を放ち続ける。