六大学一の投手王国健在 山﨑 絶対的エース

昨秋の悔しさを晴らす。昨年、エース背番号「11」を背負った山汕福也(政経4=日大三)は昨秋5勝を挙げて春秋連覇に貢献。しかし、11月の明治神宮大会では決勝に先発するも6回途中で降板。亜大に1―2で敗れ、日本一を逃してしまった。その悔しさを胸にオフシーズンは球数を増やし投げ込み、直球中心に質を上げるなど、弱点強化へ精力的に取り組んだ。
痛恨の失投
一球に泣いた。春秋連覇を決めた後の明治神宮大会。亜大との決勝で先発のマウンドに上がった山汕は、両軍無得点の4回に4番嶺井博希(現横浜DeNAベイスターズ)を迎えた。好調の嶺井相手に2ボール2ストライクと追い込むも、決め球のツーシームが甘く入ってしまった。失投を見逃してくれず本塁打を浴び、先制点を奪われてしまった。その後、山汕は6回途中で降板。結局、チームは1―2で敗れ、負け投手に。春の全日本選手権ベスト4に続いて、秋も日本一を逃してしまった。「もっと丁寧にいっていれば勝てた試合だった」と、一球の怖さをあらためて痛感した。
再び頂点へ
届かなかった日本一に向けて、この冬は自らを追い込んだ。オフシーズンの目標を体力強化と直球の質の向上に設定。2月の沼津キャンプでは毎日120球から130球、キャンプから帰った後も毎日100球を投げ込んだ。また、1月には明大OBの鹿取義隆氏(昭54文卒)の大学生向け野球講座にも参加。「右肩の開きが早い」と元プロ野球選手からフォームの指摘を受けた。強くなるため、もっといい投手になるためにどんなことでも吸収した。
今年で2年目となる背番号11には「一度付けた以上は誰にも渡したくない」と、こだわりを持つ。善波監督も「厳しい言葉を掛けている」と語り、山汕への期待の大きさをうかがわせる。チームの期待を一身に背負い、3連覇へ導く責任感を人一倍胸に秘める。ドラフト1位候補としてプロからも注目を集めるが「今はプロ入りについて考えていない」とラストイヤーはチームの勝利に身をささげるつもりだ。リーグ戦3連覇、そして昨年果たせなかった日本一へ。「チーム全員でもう一度優勝したい」。絶対的エースは今年も投球でチームを引っ張る。
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