最多5度目V 野村27人斬り完封で有終

2011.11.30

 悲願の日本一達成だ併 明治が2―0で愛知学大を下し、15年ぶりに明治神宮大会優勝を果たした。 広島からドラフト1位指名を受けたエース・野村祐輔(商4)が先発し、無四球完封勝利。優勝回数を単独最多の5へと伸ばし、大学最後の神宮でまた新たな歴史をつくった。

圧巻のピッチング

 決勝の最終回、マウンドに立っていたのは、やはりエース野村だった。準決勝からの連投をものともせず、9回をわずか91球、被安打4ながら打者27人で完封勝利。1対0のリードで迎えた7回1死三塁の場面では、スクイズを外し、ピンチを切り抜けた。全ての面でトップレベルを目指してきた野村の真骨頂だった。

こだわった日本一

 「甲子園で悔しい思いをしたから日本一にこだわっていた」。しかし1年春から先発するものの、日本一には縁がなかった。だからこそ、


今大会に懸ける思いは誰よりも強かった。

 神宮大会への足掛かりとなった最後のリーグ戦は苦しんだ。新たなフォームに挑戦した影響もあり、本調子とは程遠かった。防御率は2・91と自己ワースト。「4年間で一番悪い」と語るほどだった。そこで苦悩するエースの姿を見て打線が奮起。「野手が打って勝とう」(竹田主将・文4)。援護に恵まれ自己最多の6勝を挙げることができた。

 仲間がつないでくれた日本一への道。「みんなに助けてもらった。恩返しがしたかった」と神宮大会では準決勝、決勝の2試合で16回無失点。最後はエースらしく締めた。

最高のフィナーレ

 「日本一だけを目標にしてみんなでがんばってきたので、本当に良かった。全員の勝利だった」と語ったエースは、仲間の手で3度宙に舞った。広陵高時代は、夏の甲子園決勝で逆転満塁本塁打を浴び、あと一歩のところで涙を飲んだ。あれから4年。精神・技術共に成長を遂げた野村は最高のチームメイトと悲願の日本一を達成し、笑顔で大学野球を締めくくった。