準硬を甲子園で! 全国の精鋭たちが一堂に集う/全日本東西対抗日本一決定戦甲子園大会 

準硬式野球 2023.11.15

  前年度、雨天のため中止を余儀なくされた全日本東西対抗日本一決定戦甲子園大会(以下、東西日本一決定戦)。今年度は天候に恵まれ、無事晴天の下での念願の開催となった。球児の聖地とも呼ばれる甲子園球場で、全国の大学準硬式野球部員が躍動した。

 

◆11・14 全日本東西対抗日本一決定戦甲子園大会(阪神甲子園球場)

▼〇東日本選抜6―4西日本選抜

 

 日本一決定戦

 西日本

 東日本

×

 

 前年度、準硬式野球連盟設立75周年記念として開催が予定されていた東西日本一決定戦だったが、当日の雨で中止という悔しい結果に。その無念を晴らすべく、今年度こそという思いを胸に全国の準硬式野球部員は甲子園球場に降り立った。その願いが届いたのか、小春日和の晴天という素晴らしい天候の下、選手たちが躍動した。午前中には、前年度甲子園でのプレーがかなわなかった部員によるエキシビションマッチが開催。明大OBからは永井克樹さん(令5営卒)が3番・右翼手で出場すると、第1打席から適時打となる左二塁打を放つ。続く2打席目も安打とし、4打数2安打の活躍に、明大を率いたパワーヒッターの打力を甲子園の舞台でも見せつけた。

 

(写真:打点を挙げ笑顔でハイタッチする永井(左))

 

 午後からは、今年度の東西選抜メンバーによる決定戦が行われた。明大から選出された金澤永輝主将(法4=花巻東)は2番・遊撃手でスタメン入り。高校時代も立ったこの大舞台を振り返ると「高校の時はプレッシャーしかなくて縮こまって初戦敗退と、あっという間に終わってしまった。あまりいい思い出がない」。しかし、あれから4年。同じ球場、同じ守備位置でも見える景色は違っていた。「本当に楽しかったの一言」。プレー中やベンチで見せた笑顔がその様子を物語る。

 

 (写真:仲間の活躍に笑顔を見せる金澤)


 第1打席は犠打を試みるも、2度失敗。ヒッティングに切り替えた4球目、一、二塁間を破る安打でつないでみせた。その後、金澤の持ち味の鉄壁の守備でも魅せる。3回表には体勢を崩しながらも逆シングルで捕球し、一塁への正確な送球で観客を沸かせる場面も。選手交代も多く見られる中、数少ないフル出場を果たした金澤は「東日本からいろいろないい選手がそろっている中で、1試合フルで出していただけたのは本当にうれしかったし、それに見合ったプレーをできるようにと思っていた」。最終打席でも、高めの球をたたきつけた当たりが際どいタイミングとなるも、渾身(こんしん)のヘッドスライディングでセーフに。4打数2安打1打点と、かつての甲子園での苦い思い出を払拭する活躍を見せた。

 

 先日のドラフト会議では明大準硬式野球部出身の高島泰都選手(令4法卒・現王子)がプロ指名を受けるも、いまだ知名度は高くない準硬式野球。今回の甲子園での東西日本一決定戦開催によって「硬式野球に比べたらあまり有名でもなくレベルも低いかもしれないですが、準硬が高校生の一つの選択肢になってほしいですし、準硬やりたいという人が増えてくれたらいい」。確かに今大会の観客数は内野席に1000人ほど。今回の試みを機に、競技者の増加に期待することはもちろん、さらに多くの人が球場に足を運ぶことで準硬式の発展につなげたい。いつの日か満員の甲子園でプレーができる日を願う。

 

[高橋佳菜、布袋和音]

 

試合後のコメント

金澤

――今大会は緊張されましたか。

 「あまり緊張することはなく、楽しみしかなかったです。(ご自身のプレーに点数をつけるなら何点ですか)もう100点でいいかなと思います」

 

――甲子園はどのような存在ですか。

 「一言で表すのは難しいですが、自分は小学校から、プロ野球よりも高校野球とか甲子園を見てきて、プロ野球選手になりたいという思いよりも甲子園で野球がしたいという思いで高校を選んで入学してきたので、自分の一つの原点であって、モチベーションの一つかなと思います」

 


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