青学大に無念の敗戦 準優勝で春の戦いを終える/第72回全日本大学選手権

硬式野球 2023.06.11


 決勝の相手は東都大学野球連盟1部の覇者・青学大。3試合連続完封勝利中の明大だが、初回から青学大打線に捉えられ、苦しいスタートとなった。反撃を図る打線は、好機であと一本が出ず、今年度初の完封負けを喫した。4年ぶりの王座を目指し戦い抜いた明大は、準優勝で全日本大学選手権の戦いを終えた。



(明)●村田、藤江、蒔田―小島

(青)○常廣―渡部

【安】(明)7(青)8

【二】(明)小島(7回)、(青)西川(1回)、中野(4回)

◇犠打0 ◇残塁10 ◇盗塁0 ◇失策2


 決勝のマウンドを任されたのは早大戦から17回連続無失点中の村田賢一投手(商4=春日部共栄)。優れた制球が持ち味だった村田だが、立ち上がりからまさかの乱調。2番・佐々木(青学大)に死球を出すと、相手クリーンナップに連打を浴び、先制される。その後も内野ゴロの間に加点され、2失点で初回の投球を終えた。


 2回裏を三者凡退にまとめたが、3回裏は味方のミスもあり再び失点。4回裏にも適時打を浴び、そこで交代を告げられる。リーグ戦からチームを支えてきたエースにとって、悔しいマウンドとなった。2番手として登板したのは藤江星河投手(政経3=大阪桐蔭)。1死二塁のピンチを切り抜けると、5回裏も無失点に抑え、2日連続となる完璧な投球を披露した。6回裏からは、蒔田稔投手(商4=九州学院)がマウンドに上がる。リーグ戦の胴上げ投手は、3回無失点被安打1の力投を見せ、攻撃陣の奮闘を待った。


 しかし、明大が誇る強力打線は、青学大エース・常廣に阻まれた。9回2死走者無し、あと1死で優勝の夢がついえる場面では、小島大河捕手(政経2=東海大相模)と榊原七斗外野手(情コミ1=報徳学園)の下級生コンビが、連打で意地を見せた。応援曲〝神風〟が地鳴りのように響き渡る中、打席には堀内祐我内野手(文4=愛工大名電)。明大の切り込み隊長は冷静にボールを見極め、5球目のストレートを力強く振り抜いたが、打球は最後まで立ちはだかった常廣(青学大)につかまれ、投ゴロに倒れる。この瞬間、明大の春が終わった。


 この試合では、小島が2出塁でリーグ戦の首位打者・飯森太慈外野手(政経3=佼成学園)は3出塁の活躍を見せた。飯森は打率5割でリーグ戦に続く今大会首位打者に。全試合でスタメンマスクを被り、明大投手陣を3試合連続完封勝利に導いた小島は敢闘選手賞に輝いた。


 長い春が終わり、夢の秋春連覇はあと一歩のところで成し遂げられなかったが。悔しさを糧に、リーグ戦4連覇、そして2年連続の3冠達成に向けて、猪軍団の戦いはまだまだ続く。


[李翔恩]



関連記事 RELATED ENTRIES