堅守と猛攻 仙台大に快勝/第72回全日本大学選手権

硬式野球 2023.06.08

 仙台六大学の覇者・仙台大を投打で圧倒。試合序盤は仙台大先発・佐藤の鋭い変化球に苦戦し好機を生かせない苦しい状況が続いたが、先発マウンドを任された蒔田稔投手(商4=九州学院)が好投。試合中盤ではこれに打撃陣が応えた。5回裏、四球や失策などで好機を作ると、上田希由翔主将(国際4=愛産大三河)による左中間への適時打などで一挙に5得点を記録した。蒔田からマウンドを受け継いだ浅利太門投手(商3=興国)、石原勇輝投手(商4=広陵)が役割を全うし、明大が5-0で勝利した。


 

(明)○蒔田、浅利、石原―小島

(仙)●佐藤、樫本、川和田―坂口、唐澤

【安】(明)7(仙)2

【二】(明)小島2(2回、8回)、上田(5回)

◇犠打2 直井(5回)、宗山(5回) ◇残塁7 ◇盗塁0 ◇失策0


 試合序盤、明大打撃陣は相手先発・佐藤(仙台大)に苦しめられる。2回裏には瀨千皓外野手(営2=天理)がチーム初安打を記録し、続く小島大河捕手(政経2=東海大相模)が右中間へ二塁打を放ち好機を拡大。しかし鋭い変化球を攻略し切れず2者残塁となるなど、得点には至れなかった。苦しい試合展開が続く中迎えた5回裏の攻撃でついに試合が動く。8番・小島への四球に始まり失策などで明大は徐々に塁を埋め、満塁の好機でクリーンナップへと打順が回る。2番・飯森太慈外野手(政経3=佼成学園)が放ったセンターへの適時打を皮切りに、宗山塁内野手(商3=広陵)の犠飛、上田の2点適時打、内海優太内野手(商1=広陵)の適時打で立て続けに5得点。その後も代打・木本圭一内野手(政経2=桐蔭学園)の安打や、8回裏には小島がこの日2本目となる2塁打を放つなど塁をにぎわせた。

 

 「全日本大学選手権に照準を合わせて、全体のレベルアップを目標にしてきた」と、その発言通り、7回被安打1無失点という完成度の高い投球を見せた蒔田。女房役である捕手・小島が「蒔田さんは強い真っ直ぐがあっての変化球」と評するように、威力のある直球を軸にした配球は狙い球を絞ることを許さず、変化球に空振りする打者の姿も散見された。「村田(賢一投手・商4=春日部共栄)に僕も負けていられない」(蒔田)。明大投手陣の主力として理想を追い求め成長する彼の姿に期待が高まる。

 

 次戦の準決勝で、明大は白鴎大と対戦する。試合まで残された日数の中で入念な分析と準備を行い、明大の完全勝利に期待したい。

 

[松下日軌]

 


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