春制覇! 戦後初となる3季連続の優勝旗/東京六大学春季リーグ戦

硬式野球 2023.05.15

 勝てば優勝が決まる大一番。初回に上田希由翔主将(国際4=愛産大三河)、杉崎成内野手(総合3=東海大菅生)の連続適時打で3点を先制する。先発の石原勇輝投手(商4=広陵)は本塁打を浴びるも6回3失点の好投でリードを守った。そして迎えた8回裏、小島大河捕手(政経2=東海大相模)が試合を決める2点本塁打を放ち、連勝で早大を撃破。明大が圧倒的な強さを見せ3季連続でリーグの覇権を手にした。



(明)○石原、久野、蒔田―小島河

●清水大、伊藤樹印出

【安】(明)11(早

【本】(明)小島河(8回)(早)吉納(6回)

【二】(明)上田(1回)◇犠打 今井(8回)◇残塁6 ◇失策


 1回裏、明大は早々に得点機を迎えた。先頭打者の堀内祐我内野手(文4=愛工大名電)、飯森太慈外野手(政経3=佼成学園)の連打により、一死1、3塁の好機で主砲・上田を迎える。託された上田の第4球。やや内角寄りの直球を逆らわずに振り抜いた打球は三塁線を抜けて初得点を記録した。さらに今季初スタメンの杉崎が2点適時打を放ち、明大は一挙に計3得点。リーグ優勝が懸かる試合に勝利の風を呼び込む。


 援護をもらった先発の石原は、150キロに迫る外角への速球とチェンジアップ、手元に入ってくるスライダーを巧みに操り相手打者を翻弄(ほんろう)。5回までを被安打2与四球1に抑える好投を見せる。しかし4点リードで迎えた6回表、失策と四球でピンチを招き、打席には5番・吉納(早大)。投じた6球目が風に運ばれレフトスタンドへの3点本塁打に。危機を脱し切れず反撃を許し1点差に詰められる苦しい展開となる。何とかして苦境を逃れたい明大は8回裏、この日2安打と絶好調の杉崎が安打を放ちチャンスメイクに成功。ここで迎えるのは今季、勝負強い打撃が光る7番・小島。球場全員の注目が集まる中、内角寄りを引っ張った打球は低弾道のままライトスタンドへと突き刺さり、ダメ押しの2点を獲得。待望の追加点でチームのムードは最高潮に。


 終幕が近づいた9回表には抑えとして蒔田稔投手(商4=九州学院)がマウンドへ。注目を一点に受け、歴戦の4年生投手は一球一球をかみしめるような丁寧な投球で着実に勝利へと歩みを寄せる。そして迎えた最後の瞬間、27個目のアウトが宣言されるのとほぼ同時に、喜びの笑みをたたえた選手たちがマウンドへと駆け出していく。紫紺に染められた神宮球場で選手たちが歓喜の抱擁を交わす中、一人涙を零す主将・上田の姿が目に映った。


 今季を制した明大だが、まだ試合は残されている。現時点で戦った全ての大学から勝ち点を奪っており、次週に控えた立大戦ではリーグ覇者としての勝利に期待し、完全優勝で今季を締めくくりたい。


[松下日軌]



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