大健闘するもシード権獲得ならず 12位で幕を閉じる/箱根駅伝復路

競走
2023.01.03

1区富田峻平(営4=八千代松陰)が区間賞を獲得するも、終盤の失速が響き12位でフィニッシュした往路。3年ぶりのシード権獲得のためには、往路以上の走りが欠かせない。そうした中、7区で杉彩文海(文3=鳥栖工)が区間賞を獲得。シード圏内を維持する場面も見受けられたが、力及ばず。総合順位12位でフィニッシュした。

 

◆1・3 第99回東京箱根間往復大学駅伝復路(箱根芦ノ湖駐車場入口~大手町読売新聞社前)

▼12位明大 11時間0137

 

 10位の創価大とは2分14秒差でスタートした6区・堀颯介(商1=仙台育英)。の箱根駅伝(以下、箱根)出走にもかかわらず、華麗なスタートダッシュを決めた。事前取材では山下りが得意と語っていたが、その強さを走りで証明。シード権内まであと1分22秒に迫る快走でチームに勢いを与えた。流れに乗った明大はさらにタイムを縮めていく。襷を受け取った杉は前を走る東洋大、東京国際大を視界に入れると、疾風迅雷の追撃を開始。瞬く間に距離を詰め、シード圏内にチームを押し上げた。昨年度はエントリーするも出走は叶わなかった杉。そのリベンジを果たすべく辛抱強く練習を重ね、1年間の集大成となる箱根で見事区間1位に。シーズン前半は成績が振るわず苦しい期間を過ごしたが、最高の舞台で最高の結果を残した。10位まで順位を上げると9位の城西大を射程圏内に入れた状態で、8区加藤大誠(営4=鹿児島実)に襷リレー。下級生2人が逆転の流れを生み出し、悲願達成へ4年生に望みをつないだ。

 

 復路も後半戦を迎え、シード権争いも佳境。4年連続で箱根に出走した加藤も一つ順位を上げ、9位に浮上。区間8位と奮闘を見せた。ここまでシード圏内を維持してきた明大、強豪校としての復活はもう間もなくかのように思われた。だが、勝利の女神は微笑まず。最終区間へのつなぎとなる9区を任されたのは、同じく4年生の下條乃將(情コミ4=東京実)。順位をキープするべく粘るも、他大学の追い上げに耐え切れず12位まで順位を落とす結果に。悲願のシード権獲得は10区漆畑瑠人(文4=鹿児島城西)に託された。10位で鶴見中継所を通過した城西大との差は1分20秒。粘り強い走りで、一時は10位と54秒差までタイムを縮めた。しかし快進撃もここまで。徐々に前を走る東京国際大の背中が小さくなり、そのまま大手町にゴールイン。シード圏内に押し上げることができず、最初で最後の箱根は悔しさが残る走りとなった。

 

 12位で幕を閉じた明大。しかし未来を担うエースたちは着実に育っている。今大会では7区区間賞の杉をはじめ、森下翔太(政経1=世羅)、堀颯など下級生が躍動。また箱根出走とはならなかったが、今年度主力の一員としてチームを引っ張ってきた児玉真輝(文3=鎌倉学園)も虎視眈々(たんたん)と復活のときをうかがっている。4年生が残した紫紺の魂、その思いを受け継ぎまた新たに走り出す。古豪明大から強豪明大へ、返り咲くのも時間の問題だ。

 

[石井遥]

 

レース後のコメントはこちら↓

(195)箱根駅伝事後インタビュー⑥/堀颯介

(196)箱根駅伝事後インタビュー⑦/杉彩文海

(197)箱根駅伝事後インタビュー⑧/加藤大誠

(198)箱根駅伝事後インタビュー⑨/下條乃將

(199)箱根駅伝事後インタビュー⑩/漆畑瑠人