
リーグ制覇に暗雲 大量5失点で国士大に完敗/関東大学1部リーグ戦
台風の影響で延期となっていた第14節は国士大との一戦。試合は相手の激しいプレスに苦戦し、30分に先制されると、後半もペースを握れず立て続けに失点を許す。83分に太田が得点を挙げるも、反撃は間に合わず試合終了。終わってみれば5失点の大敗で勝ち点を落とし、再び2位との勝ち点差が3に縮まった。
「完敗です。サッカーのスコアじゃないね」(栗田大輔監督)。1―0で手堅く勝利を収めた前節から中2日。「アミノバイタル®︎」カップ関東大学選手権決勝で敗れた国士大との一戦は、序盤からインテンシティの高いサッカーを展開する相手がペースを握る。「勢いを持って前からプレスが来るということは分かっていたが、なかなか対応できなかった」(林幸主将)。試合が動いたのは30分。村上がピッチ中央でボールを失いカウンターを受け、左サイドからボールを運ばれると、最後はこぼれ球を強烈なボレーシュートで押し込まれ失点。その後は明大がボールを握る時間が続くも、大きなチャンスは作れずに前半を終えた。
逆転を狙いたい後半だったが、相手の勢いに出鼻をくじかれる。46分に右サイドを崩され、クロスからヘディングを決められ失点すると、直後の49分にもCKの流れから決定的な3点目を与えてしまう。それでも国士大の勢いは止まらず、62分、74分にも失点を許しスコアは0―5に。83分には田中克のFKを太田が頭で合わせ一矢報いるも、最終スコアは1―5。首位を走るチームには似つかわしくない、衝撃的な大敗となった。
(写真:一矢報いるゴールを決めた太田)
指揮官が大敗の理由に挙げたのはフィジカル面。「勢いを持って戦う相手に対して、足先でかわそうとしている。前までの明治は自信があった上での技術だったが、今は技術が先に来てしまっている」(栗田監督)。戦術や技術の根底となるフィジカル面で自信を持って戦うことが必要だ。
また、前節でのケガにより離脱を強いられているMF木村卓斗(政経4=横浜F・マリノスユース)の不在も大きな影響を与えている。林幸は「セカンドボールの奪取という部分は木村のストロングポイントでもあったので、チームとしてすごく痛い」と悔いるも「嘆いても仕方がない。現在いるメンバーでしっかりと戦って勝ちに行く」と前を向く。
リーグ戦残り3試合は全て上位チームとの対戦となり、今まで以上に勝ち点を落とせない戦いが続く。残り3試合で勝ち点7を獲得すれば無条件で優勝が決定する状況に「今回の負けを引きずらずに、しっかりと勝って優勝につなげられるように明日から修正して頑張りたい」(林幸)。リーグタイトル奪還に向けて、紫紺の勇者が今季最大の試練に立ち向かう。
[長﨑昇太]
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