終盤に東大を突き放し勝ち点獲得/東京六大学秋季リーグ戦
1勝1分で迎えた東大3回戦は明大に軍配。先制点を挙げたい明大は1回表1死一、二塁、上田希由翔内野手(国際3=愛産大三河)の3点本塁打で先制に成功する。その後も長短打に機動力を絡め大量得点し、粘る相手を振り切った。
(明)○蒔田、石原、渡部慎、髙山―蓑尾、菅原
(東)●井澤、鈴木健、齊藤、木戸、綱嶋、平田―松岡泰
【安】(明)16(東)13
【本】(明)上田(1回)
【二】(明)蒔田(6回)、上田(8回)(東)林遼(2回)、松岡泰(2回)◇犠打2 飯森(1回)、千田(2回) ◇併殺1 ◇残塁8 ◇盗塁5 村松(6回、9回)、上田(7回)、飯森(8回)、西山(9回) ◇失策0
今季初先発となった蒔田稔投手(商3=九州学院)は立ち上がりから好調東大打線の猛攻に遭い、2回までに3点を失う苦しいマウンドに。しかし3回以降は変化球をコースに集める丁寧な投球で立ち直り、味方打線の援護を待った。走者を許しながらもピンチでギアを上げる〝大人の投球〟は出色の出来。また「秋は150キロを出したい」(蒔田)の公言通り、3回裏に自己最速となる150キロを計測した。7回裏からは継投に入り、8回裏2死から登板した髙山陽成投手(文4=作新学院)は前日に本塁打を浴びた相手2番・阿久津(東大)を二ゴロに打ち取るなど好投を見せた。
16安打を記録した打線の好調さがこの試合最大の収穫だ。初回の上田の本塁打を皮切りに、この秋ここまでフル出場の村松開人主将(情コミ4=静岡)も2安打を記録し、チーム全体としては13得点を記録した。さらには加藤巧也内野手(商2=大阪桐蔭)、菅原謙伸捕手(政経3=花咲徳栄)、宮田知弥内野手(商1=横浜)の3選手がリーグ戦初安打を記録するなど、新戦力の台頭は夏季練習の充実度を物語っている。
東大戦を2勝1分とし勝ち点を獲得した明大。次戦は空き週を挟み、開幕節で法大から勝ち点を奪った好調の早大と対戦する。日本一を目指す〝村松世代〟の挑戦はまだ始まったばかり。奇跡は、ほとんど最後に起こる。
[上瀬拓海]
関連記事 RELATED ENTRIES
-
打線爆発で快勝/春季オープン戦
硬式野球 2024.03.28東都大学野球連盟の強豪・中大との一戦。明大は2回表に先制を許すも、中盤に逆転し、大量得点で白星を飾った。 打線は昨夏に甲子園を沸かせた最速147キロ右腕・東恩納(中大)と対戦。2回裏、小島大河捕手(政経3=東海大相模)の内野安打と直井宏路外野手(商4=桐光学園)の絶妙なセーフティバントで1死一、二塁とするも、併殺打で無得点に終わる。2点を追う3回裏、飯森太慈外野手(政経4=佼成学園)が四球で出塁すると俊足を飛ばし盗塁に成功。打席の津田基内野手(文2=近江)は鋭く引っ張り、右翼への適時打で飯森を本塁に返した。出塁した津田はすぐさま盗塁に成功し、再び得点圏の場面をつくる。後続が倒れ、結果的に1得点に終わったこの回だが、まさに機動力野球を体現する攻撃を見せた。 5回裏、この日3度目の打席を迎えた飯森は甘い球を逃さず、左翼手の頭上を越える適時二塁打を放つ。「それまでは見逃す打席が多かったので、初球から振っていこうと決めた」(飯森)。さらに6回裏、2死満塁の好機では、代打・福原聖矢捕手(国際2=東海大菅生)が右中間へ華麗な流し打ちを見せ、2点適時打で逆転。優位に立った明大は8回裏にも打線のつながりが光る。杉崎成内野手(総合4=東海大菅生)の走者一掃となる3点適時二塁打などで7点追加。一方の投手陣は5回以降は得点を許すことなくリードを守り切り、8点差の大差で勝利。 序盤に主導権を握られるも粘り強さを発揮し、鮮やかな逆転劇を演出した猪軍団。残された試合でも好調を維持し、リーグ戦につなげたい。[李翔恩]試合後コメント飯森ーー試合を振り返っていかがでしょうか。「最近あまり安打が出ていなくて、とりあえず出て良かったですし、東都の強いチームに勝ち切れたというのは良かったと思います」ーーリーグ戦に向けての意気込みをお願いします。「優勝しか考えていないので、自分も成績を出してチームの優勝に貢献できるように頑張りたいと思います」福原ーー適時打を振り返っていかがでしょうか。 「緊張していたので、とりあえずストライクがきたら振ろうという感じで打席に入りました」ーー正捕手争いを勝ち抜くためのアピールポイントはどんなところですか。 「走れる捕手はあまりいないので、走塁とか守備とかの素早い動きが自分の強みだと思います」READ MORE -
最終回に勝ち越され惜敗/春季オープン戦
硬式野球 2024.03.24明大は初回に2点を失い、ビハインドからの攻撃となった。2回裏に光弘帆高内野手(商2=履正社)の適時打、4回裏に中山琉唯捕手(文4=常総学院)の適時打で追いつき試合を振り出しに戻す。しかし9回表に1点を勝ち越されそのまま敗れた。 対する関西大の先発は金丸夢斗。先日の侍ジャパン強化試合で日本中のファンを魅了した金丸はスピードを武器とし、その投球は圧巻だった。初回、明大はまさに手も足も出ず、苦しい試合展開が予感された。しかし2回裏、瀨千皓外野手(営3=天理)が四球を選び出塁すると、中山がバットを折られながらもセンター前に運ぶ。その間に一塁走者の瀨が三塁を陥れる好走塁で二死1、2塁とした。続く光弘がレフト線への適時打を放ち走者が生還。「初球を見た時にはスピードを感じて押されたが、待っていた球が来てくれた」(光弘)。一打にベンチが大いに盛り上がった。 さらに4回裏、先頭打者の加藤巧也内野手(商4=大阪桐蔭)がショートへの内野安打で出塁すると、2回に好機を演出した中山が二遊間を割る適時打を放ち同点とした。「チャンスだったのでランナーを返すことだけ意識して打席に立った」(中山)。その後は両軍ともに本塁が遠のく展開となったが、9回表に関大打線がつながり3-2とした。これが決勝点となり、明大は惜しくも敗れた。 開幕初戦まで残すところおよそ1カ月となった。中山は試合を振り返り「競った試合で勝ちきれなかったので、そこはリーグ戦に生かしたい」と語った。残された期間で調整を重ね、さらにパワーアップした姿を見せてくれるだろう。 [橘里多] 試合後のコメント中山――第1打席は金丸投手から安打を打ちました。振り返っていかがでしたか。 「真っ直ぐ真っ直ぐでくると思ったので、直球張りで打席に入りました」 ――競争が激しいですが、ご自身のアピールポイントはどんなところですか。 「守備は視野が広く見られることで、バッティングはパンチ力だと思います」 光弘――好守もありました。守備への思いはいかがですか。 「自分の中では守備を大半に置いているので、守備で絶対ミスが許されないという中であのようなプレーができ、今までやってきたことができたというか、できることをしっかりやれたなと思います」 ――リーグ戦に向けて意気込みをお願いします。 「まずはベンチ入りです。まだ1回しか入れてないので。宗山さんが出られないならその代わりになれるようにしっかり準備していきたいです」READ MORE -
投打かみ合わず完敗 オープン戦3連敗目を喫す/春季オープン戦
硬式野球 2024.03.13オープン戦3連敗となった。投手陣が計6失点を喫し、一方の打撃陣も相手投手陣を前に6安打1得点に封じ込まれた。 打線は2回裏、1死から「いい感じにバットが出た」と好調の木本圭一内野手(政経3=桐蔭学園)が安打で出塁。続く代打・加藤巧也内野手(商4=大阪桐蔭)の詰まった内野ゴロの間に木本が二塁まで進塁し好機を演出する。ここで打席に入ったのは勝負強さに定評のある7番・小島大河捕手(政経3=東海大相模)。「失点直後だったのでなんとか点を取り返したいと思った」と甘く入った直球を右中間に放ち得点を挙げた。4回裏にも無死から瀬千皓外野手(営3=天理)、木本の連続安打で好機をつくるも、後続が打ち取られ得点に結びつけることはできなかった。 オープン戦計5敗と苦しい試合が続いている。敗戦こそ続いているものの、昨年度の全日本選手権で準優勝を経験した主力が多く残る今年度の明大。個々が持ち味を存分に発揮し、投打の歯車がかみ合うことでさらなる成長曲線を描く。ここからの奮励に期待だ。 [伊原遼太朗] 試合後のコメント木本――今日の試合を振り返っていかがですか。 「2安打打てたのは良かったですが、感覚的にはあまり良くなかったのでこれから調整していきたいです」 ――現在の調子を教えてください。 「あまり良いというわけではないですが打率もそれなりということでまだまだこれからです」 ――これからのオープン戦とリーグ戦に向けた意気込みをお願いします。 「オープン戦はリーグ戦で活躍するために結果を残し、リーグ戦に入ったらチームのために貢献したいです」 小島――今日の試合を振り返っていかがですか。「先制されたあとすぐに取り返すことができたことが良かったのですが、大量失点した場面があったのでそこは最少失点で切り抜けたかったです」 ――ここまでのチーム状況を教えてください。 「いろいろ試し試しで、こういう感じでやるみたいな確立的なことはないです。各々が頑張っているのでこれからはチームとして勝てるようにしたいです」 ――ここまでの調子を教えてください。 「まだまだ状態を上げていかなくてはいけないと思うので好機に強い打撃をして、配球ではうまく相手打者を抑えられるように頑張りたいです」READ MORE