
オープンキャンパス特別号 メディア系サークル特集第1弾・放送研究会
8月1日発行の明大スポーツ オープンキャンパス特別号の3面では、2つのメディア系サークルを紹介しています。インタビューにて、各サークルの幹事長さんに活動内容や魅力をお話しいただきました。活動の様子からメンバーの皆さんの雰囲気まで、写真を添えてお届けします。第1弾は放送研究会幹事長・富沢亮太さん(営3)のインタビューです。
(この取材は6月25日に行われたものです)
――活動内容を教えてください。
「1、2年生は映像制作、ラジオ制作、映画鑑賞の研究グループ活動を週に2~3回しています。1〜3年生で番組発表会を行い、発表会に向けての活動は土曜や日曜にしています。発表会のパートは制作、技術、構成・進行、企画、美術の5つのパートで活動しています」
――放送研究会の人数について教えていただけますか。
「180人ほど所属していて、活動している人数だと100人いるかいないかくらいですね。男女比は学年によって変わってきますが、男子の方が多いです。番組発表会は全キャンパスでまとまって行いますが、中野キャンパスに中野支部があって、和泉と同じように作品をつくって中野支部の中で発表会を開いたりしています」
――番組発表会ではどのようなことをしていますか。
「年に2回番組発表会をしていて、毎回テーマがあります。6月末の発表会のテーマは『○をどう読むか』というテーマでした。テーマは5つのパートのパート長と発表会の委員長が話し合って決めます。バラエティー、構成・進行の劇など、テーマに沿って番組を作ります。テーマに沿っていないものを作るところもあります(笑)。例年、OBOGや他大学の放送研究会さんを呼んで見てもらいます。対面のときはフィードバックシートを書いてもらって、フィードバックを受ける形をとっていました」
(写真:『○をどう読むか』をテーマに行われた番組発表会)
――普段はどのような種類の映像をつくっていますか。
「バラエティー、バラエティーといってもお笑いから教育テレビ風のバラエティーやドキュメンタリー風バラエティーなど多ジャンルです。他はドラマ、音源はアーティストのものですが構成は自分たちで考えてMVを撮ったり。あとはラジオで、ラジオバラエティーとラジオドラマがあります。CMを作ってもらうこともありますね」
――撮る内容はどのように考えているのですか。
「独自に考えている人もいれば、放送研究会の人たちはテレビやラジオ、ユーチューブを見たりしている人が多いので、そこからパロディというか似たようなものを膨らませたり、違う形にしてみたりして考えている人が多いと思います。面白い意見が出るのですが、パロディ過ぎると逆に面白くなかったりするので、そこの葛藤はあるかもしれないです(笑)。全く同じものをつくるというよりは、そこに新しいものを加えたり、大学生だからできることをやってみたりしています。企画することが一番時間がかかると思っていて、何かをしたいと思っても現実的に予算などを考えたときにできないかもしれないとなって、他にはその企画が実際に面白いのかどうかを吟味したりして、そこの時間が一番多いですね。企画がパッと思い付くこともあるのですが、かかるときは1、2か月経ってもだめだなとなることもあって、結局ボツになるときもあります」
――1年生からでも企画が通ったりするのですか。
「3年生とやるものに関しては3年生の意見が中心にはなりますが、いい意見だな、面白い意見だなというのは取り入れたりします。研究グループ活動は1年生同士でつくることもできるので、1年生だけでドラマやMVを撮影したりしています。つくってくれたものを流す機会を設けて、3年生から『ここ面白かったね』、『こうしたらもっと良くなるかも』などと伝えたりしています」
――撮影や音響の機材はどのようなものを使っていますか。
「放送研究会で買っているものです。他の大学だと学校のものを借りたり外部からレンタルしたりしていることがあるのですが、明治の放研は自分たちの備品を使っています」
(写真:機材を使い番組の進行を裏から支える技術パートのメンバー)
――放送研究会のメンバーの雰囲気を教えていただけますか。
「多様性があって本当にいろいろな人がいます。面白いことが好きな人をはじめ、いろいろな人がいるからいろいろな作品をつくることができると思っています。同じような人が集まると同じ方向性の作品しかできないけれど、いろいろな人がいるから違うアイデアをもらえたりして。メディア志望の人が多くて、テレビ志望やアナウンサー志望などいろいろなジャンルの人が集まっているからこそ番組発表会などでうまく形に仕上がるのかなと思います」
――放送研究会に入る理由には、どのようなものがありますか。
「コンテンツが好きな人、就職先としてメディア業界を志望している人が人脈をつくりにきたり、友達に連れ込まれて入ったけど意外と楽しくやっている人などがいます。運動系サークルなど他のサークルにも入っている人もいて、1、2年生だと半分以上はそうしているかなと思います。活動を強制してはいないので、来たいときに来られるようなサークルの雰囲気づくりというのはしたりしています」
――このサークルの中で、コンテンツがとても好きな人のエピソードを聞かせていただけますか。
「ラジオだと僕が一番聞いていると思います(笑)。ラジオは週に15くらい聞いていて、昨年だと20~30聞いていたりした時期もありました。テレビならTVerで東京では見られない番組、関西だけで放送している番組を見たりします。映画が好きな人だと渋谷や新宿にあるミニシアターに行っていたりして『そんな映画見るの?』と言えるような映画や昔の映画を見ていたりします」
――日常的にコンテンツの話をしたりするのですか。
「そうですね。今クールこのドラマが面白かった、最近始まったこの番組が面白いとか。『この芸人のユーチューブのあの動画見た?』など、そういう話はしますね。最近、テレビやラジオを見ている人が減っていると思うので、話が通じたり盛り上がったりできるのはこのサークルだからなのかなと思います」
――学年を超えた交流や仲の良さの度合いについて教えていただけますか。
「番組発表会のパートの活動は1〜3年生でやるので、パートごとだと学年を超えた交流が多いです。パートを離れるとあまり知らない子がいたりしますね。中には半年に一回しか来ない人もいたりします。でも、そういう人を除け者扱いしなくてウェルカムな感じがあって、それはこのサークルだからなのかなと思いますね。コンテンツが好きな人は珍しいものに興味がある人が多いのかなと思っていて、久々にサークルに来た子に『最近何していたの?』と聞いてみてその人の面白い部分を引き出したりして、ウェルカムな部分はありますね」
――サークル活動の中で楽しさを感じるときはいつですか。
「作品を流して見てもらっている時ですね。自分が1、2年生の時は対面ではなくオンラインで映像を流したりしていて。オンラインだと見ている人の反応が分からなくて『つくったけど良かったのかな?』と思うことがあったのですが、対面になってサークル内ですが反応を見られるときは『つくって良かった』と思いますね」
――放送研究会の魅力を教えてください。
「いろいろな人が集まっていろいろな作品をつくることができる、いろいろなアンテナを張ることができるのが放送研究会の魅力だと思います。映像系のサークルはかなりあると思いますが、放送研究会は歴史もあって、OBOGとのつながり、映像をつくるノウハウや機材など培ってきたものがあるので、映像系のサークル選ぶなら放送研究会がいいかなと思います」
(写真:今年度、幹事長を務める富沢さん)
――ありがとうございました。
[守屋沙弥香]
第2弾・アナウンス研究会のインタビューはこちら
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明大スポーツ新聞 2022.08.018月1日付けで明大スポーツ第521号(オープンキャンパス特別号)を発行しました!今号の1面では北京冬季五輪のフィギュアスケート団体で銅メダルを獲得した樋口新葉選手へのインタビューを行い、裏面では今年度和泉キャンパスに新設されたラーニングスクエアの特集を掲載しております。さらに、2、3面では、明大生には馴染み深い下北沢特集や体育会特集など充実した内容になっております。ぜひお手に取ってご覧ください! 料金520号①:1〜4部→1部あたり 300 円(送料 200 円) 520号②:5〜9部→1部あたり 250 円(送料 300 円) ※10 部以上希望の方はお問い合わせ欄からお買い求めください 残部状況 ◯ お支払い方法(1)口座振り込み(お申し込み後に詳細をお送りいたします。下記のお問い合わせ欄から お申し込みください)→お問い合わせ(2)クレジットカード決済 【クレジットカードでのお申し込みについて】 対応カードブランドは VISA カード、MasterCard、JCB カード、アメックスカード、ダイナースです。クレジットお支払いについては、(株)ROBOT PAYMENT 様のシステムを利用しております。 下記のガイドラインをご確認の上、同意してお進みください。 1.新聞の購入に関しまして お申込みいただいた新聞は、翌週の月曜日に発送いたしますが、本年度は新型コロナウ イルスの影響で弊部活動に制限があり、発送が遅れる場合がございます。ご了承ください。 2.個人情報の取り扱いについて 明大スポーツ新聞部は、お客様からご提供いただいた個人情報については、新聞発送以外の目的では利用いたしません。 当該目的以外の目的で利用する場合は事前にお客様にお知らせいたします。 なお、利用目的に照らして不要となった個人情報については速やかかつ適正に削除・廃棄いたします。 3.お問い合わせについて サービスの内容やご契約の情報に関するお問い合わせは<こちら>から受け付けております。 回答には数日程度かかる場合がございますのでご了承ください 4.特定商取引法に基づく表記について こちらに記載してございます。 令和元年9月28日 制定 上記ガイドラインに同意して申込み手続きへ。521号①(決済額は送料込の値段が表示されます) ⾦額 300 円× 1 2 3 4 521号②(決済額は送料込の値段が表示されます) ⾦額 250 円× 5 6 7 8 9 READ MORE -
オープンキャンパス特別号 LS特集 明大施設課菅和禎氏、松田平田設計の山﨑敏幸氏特別インタビュー拡大版
明大スポーツ新聞 2022.08.018月1日発行の明大スポーツオープンキャンパス特別号の4面で、和泉ラーニングスクエア(以下、LS)の魅力について語っていただいた明大施設課の菅和禎氏、松田平田設計の山﨑敏幸氏。紙面ではやむを得ず割愛したインタビュー部分を掲載いたします。(この取材は6月30日、7月5日に行われたものです) 菅氏――建築にあたり一番大事にしたものは何でしょうか。 「まずソフト的なところでは、今の時代に合った教育環境を作るということでした。今までの何百の大教室の授業ではなく、ラーニングコモンズという少人数教育、学生たちの主体的な学び、対話的な学びという空間を作っていこうというのが一つの目的でした。同時に自分としては、この大学で一生付き合っていける友だちを作ってほしいというのがありました。もちろん勉強も大事ですが、交流を目指すというところを考えて作りました。ハード的なところでは第二校舎を設計された堀口捨巳先生の建物の記憶の継承といった学習環境を現代版に再解釈して今回この建物に移ったということです。第二校舎の大教室と第三校舎の小教室棟の単なる建て替えだけでなく、新しい教育環境を新しくした建物、教育棟という考えで作っています」 ――LS建築の際、教育的な観点を重視したと聞きましたかその点はいかがでしょうか。 「ラーニングコモンズを核とするアクティブラーニングで受動的な学びから学生主体の対話的な学びの学習スタイルということを考えていきました。それはもちろん高校卒業したばかりの新しい学生の新しい学習や多様な学びに興味を持ってほしいということを考えてやっていました」 ――吹き抜けは印象的な部分ですが、建設する際に大変だったことはありますか。 「まずハード的にいくと落下防止など気は使っています。ソフト的には一つの広場としての吹き抜けです。ヨーロッパで夕食時になると人が広場に集まってきてイベントや弾き語りが来ると一体になるじゃないですか。そのような感じで、なぜか人が集まってきてそこでわいわい賑やかにできる、そういう空間にしたかったです。そこでみんなで話したりしてもいいと思います」 ――学生の能動的な学びが重要という観点から見て、LSの中で目玉となる建築物はどれでしょうか。 「やはり共用部分ですね。1階から3階の吹き抜け周りや4階から7階の吹き抜け周り、それから屋外テラス。このように学生が集まってそこで勉強する、交流するという空間を魅力的にしていったという事だと思います」 ――至る所に遊び心があります。 「7階の男子トイレは見ましたか。人が望遠鏡見ているサインがあります。わざと工事中に窓をつけて、高速道路や新宿の夜景が見られるようにしました。それこそ欧米の建物にはくすっと笑える絵やオブジェってあるでしょう。それを狙っています。非常用ボタンも「HELP」という字を工夫するなど、さまざまなことをやっています」 ――センターアゴラの名称や、カイダン教室の形状などにヨーロッパさを感じるのですが意識したりしていましたか。 「いいところを突きますね(笑)。実を言うと今回皆にずっと最初から欧米の建物にしてほしいと言っていました。それはなぜかというと、うちの娘が勉強するからどこに行くのかを聞いたらスタバって言うのですよね。明大前のスタバだって狭いのにいつも満席です。高校から上がった1、2年生たちは勉強したらかっこいい、そういうところを思っているのかなと。自分は10年前くらいにある研修で海外の大学をいろいろ見に行っていたので、今回あまり日本の建物を参考にはしていないのですよね。欧米の物を持ってこい、イメージ写真を持ってこいとやっていきました。だから階段の色使いもそうなのですよね。みんな木で段々みたいに積み木になっているのですが、少しグレーがあったり、赤や青といったアクセントカラーが出てきたり、オレンジや黄色といったそういうイメージです」 ――グループボックスなどガラス張りの教室は人の姿が見えて珍しいです。 「私は中野の建築もやっていますが、中野では抵抗感があった、先生からも嫌だと。和泉は先生が嫌なら第一校舎やメディア棟があるから、嫌な人はなるべくそちらを使ってもらう。学生にいろいろな場でいろいろなことができる空間を作って、先生も授業のやり方が変わってきていると思うので、やりたい授業によって場所を選べればいいなと思いました」 ――実際にLSを生徒が使っているのを見て想定と違うところはありますか。 「和室の畳は実を言うと僕は反対気味でした。寝るのはいいけど横になってだらしなく寝られてしまうのが嫌だなと思っていたのですが、意外とちゃぶ台を置くと寝るスペースなくて良かったと思いました。日本人だから靴を脱ぎたがりますね。グループボックスやソファで足を伸ばしていたりとか。足を伸ばしてパソコンを使っている姿は日本人っぽくないというか。そういう姿をキャンパスで見れたことは本当にうれしくて、これこそ欧米のようだなと思いましたね。僕が思ってない、想定してない使い方をされる方がうれしいなと思っているので、これからもっと出てきてほしいなと思います」 ――生徒の出会いを意識されていましたか。 「出会いというか交流ですね。やはり学生同士の友達は、将来損得がなく付き合えるから楽しいと思います。やはり社会人になってからの友達はどこか損得があったりしてしまいますから。仕事上で会うから仕方ないことですが、なんでも言えるのは友達だったり当時の先輩後輩だったり。だから本当に学生生活大切にしてほしいです。もちろん勉強も大事ですが、友達と交流してもらいたいなという気持ちが一番強いですね。一生付き合える友達や財産をつかんでほしいです」 山﨑氏――設計にあたり一番大事にしたものは何でしょうか。 「和泉キャンパスではLS建設の前に図書館の建設もやらせていただいていました。図書館の時のように生徒さんの居場所になるようなスペースを作ろうとしました。新しい校舎というのは教室が積層し、普段の生徒さんの居場所になるようなパブリックスペースを設けたいと。そこでとにかく学生さんたちが勉強に興味を持ってもらう、ここで他の学生が勉強しているのを見ることで、自分も勉強しよう、こんなこと学んでみたいというような学びに対する興味を膨らましてもらえるような校舎を作ろうと。建物が何か特徴的なシルエットになっているわけではなく〝学びの場の集合体〟というか、たくさんの生徒の学びの姿が積層して建物の外観を形成しているということが設計をして考えたことですね」 ――LSは生徒が座って作業できるスペースが多いと感じます。 「今回設計する時に第二校舎を見ましたが、第二校舎にあった大教室は授業がない時にオープンになっていたのですよね。皆さんがそこでお弁当を食べたりしているのを見て、やはり居場所が足りないのだなと感じました。それは学校の方も言っていて、外にいろいろなスペースを作っても季節によっては外にいることができない時もあるので、キャンパスの中にスペースを作りたいと。特に大学の方は何人入れるか、何人座れるかを重視していてそれをとにかく増やすように言われていました。外構の計画も設計をしている時にコロナ禍になって、外構も設計を変更しました。当初はベンチだけを作る設計をしていたのですが、テーブル付きのベンチを設計変更で入れ替えて、よくリモートで勉強されている学生さんもいらっしゃいますが、デスクトップも開ける机付きのベンチをたくさん作りました」 ――第二校舎は古き良き校舎でした。LSは大きくイメージが変わりました。 「今回のプログラムとしては、第二校舎と第三校舎、第四校舎を壊して、それらの機能を集約したものを建てるというもので、第二校舎の建て替えだけでなく第三校舎も含まれていました。ですから、第二校舎の大きい教室と第三校舎の小さい教室を組み合わせて作るというスタートでした。これも教育環境の変化で、昔は先生が生徒に対して一方的に一方向の授業をするという形でした。そうすると縦長の教室で生徒が聞きやすい教室が一番のスタイルだったと思うのですが、最近はどちらかというと横長で奥行きが浅く生徒と生徒の距離が近いというのが重視されています。実際全国の大学を見に行きましたが、やはりそういうふうにシフトしているなと。単に先生が授業するのではなく生徒同士でグループディスカッションをしたりグループワークをしたりするというふうに能動的に生徒が学習することが大事になってきているので、縦長ではなくフラットで横に広い教室が主流になってきています。ですから教室は横長で縦の列は少なく、これだけ広いとプロジェクターは見にくいかもしれませんが、それでも距離感が近いことの方が今は重視されています。デザインでいうと小教室などは全部廊下側をガラスにしています。見る見られるの関係があることで中の集中度が増す、引き締まるなというのもありますし、グループボックスと同様に教室で勉強している、いろいろなスタイルでやっているのを見るとこんな感じで授業している、いろいろな場面が見られることで刺激を受けるというようなこともあると思います。計画論的にいうと今回みたいに大きい教室と小さい教室を作りなさいと言われた時に、今回は各階で大教室を2個、小教室をたくさんというパターンを各階で同じにして階ごとの利用人数を合わせる感じにしました。2階3階はやたら混んでいるけど上は少ないというふうになるとエスカレーターにしてもエレベーターにしてもある階で詰まってしまいます。それを各階の利用人数を分散させて快適に使えるように、見えるところに階段があるので、エスカレーター混んでいるから階段で行こうかという気分になりやすいような設計にしました」 ――第二校舎は堀口捨己氏が建築されたものでその意図を受け継いでいると思いますが具体的にはどのような部分ですか。 「やはり一つは屋外の導線で機能的な部分もありながらコミュニケーションスペースにもなっていたというところです。あと、この先生は校舎だけでなくランドスケープのデザインもやっていました。これは象徴的なメインストリートを設けながら校舎と校舎を斜めにつなぐということをしていました。今は建物が建て替わってきたのでこの導線があまり意味を持たなくなってしまっていました。それらを踏まえて新しい計画では考え方を変えずにメインの導線がありますが、校舎と校舎をつなぐところは、新しい校舎に合わせたラインでつないであげるというふうに基本的な考えを踏襲して中庭を整備しています。この中庭をスロープで移動しながら立体的に見るというやり方もしています。新しい教育棟でもスロープを上り下りしながら立体的に庭園や各階のテラスの緑、生徒同士の交流の様子をいろいろな角度で見られるように、いろいろな見え方ができるような、堀口先生の時にはできなかったような事実もあり、さまざまな場面をつくろうと思いました」 ――図書館の建築時と比べて変わったところは何でしょうか。 「やはり教育のあり方が大きく変わったなと思っています。図書館ができた10年前はまだ一方向的な授業で、ラーニングコモンズという学生たちの能動的な学習をやっていこうという考えが出てきたころでした。その考えによる事例がまだ少なかった時代だったのですが、10年の間に教育環境が変わったなと感じました」 ――設計者視点で、どのように生徒にLSを使ってほしいでしょうか。 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