
オープンキャンパス特別号 メディア系サークル特集第2弾・アナウンス研究会
8月1日発行の明大スポーツ オープンキャンパス特別号の3面では、2つのメディア系サークルを紹介しています。インタビューにて、各サークルの幹事長さんに活動内容や魅力をお話しいただきました。活動の様子からメンバーの皆さんの雰囲気まで、写真を添えてお届けします。第2弾はアナウンス研究会幹事長・米岡理子さん(国際3)のインタビューです。
(この取材は7月4日に行われたものです)
――アナウンス研究会の活動内容について教えてください。
「普段は、水曜日の6限の時間(19時〜20時40分)と土曜日の4限の時間(15時20分〜17時)までが合同練習といって、1〜3年生が集まって部屋割りごとに分かれて練習をするという形をとっています。合同練習では、フリートーク、ラジオドラマ、4人くらいでグループディスカッションをしたり、アナウンスの原稿を読んだりします。フリートークは種類が多くて、写真を見てそれに対して1分間のトークをする、自己紹介、他己紹介などいろいろあります。練習部長という練習の内容を考えたり原稿を用意したり部屋割りをしてくれる人がいて、その人たちが内容を決めています。3年生が指導役になることが多いです」
――サークルの人数について教えていただけますか。
「1年生~3年生で合わせて100人くらいです。水曜と土曜のどちらかしか来られない人、授業と被ったり他のサークルの活動と被ったりする人、行事だけ出られる人もいます。男女比としては、今までは女子が多い傾向にありましたが、今年男子がかなり入ってくれました。学年ごとだと、3年生が30人、2年生が20人くらい、1年生が50人くらいいます。2年生が中心になって新入生の勧誘を行っていましたが、インスタグラムやツイッターの運用を頑張ってくれていました。新歓のときに『インスタやツイッターを見ました』と言って来てくれた人もいました。所属でいうと圧倒的に和泉キャンパスの人が多いですが、私自身国日ですし、総合数理学部、農学部、理工学部の人もいます。中野キャンパスの人は11人、生田は5人です」
――皆さんはどのような理由でアナウンス研究会に入るのですか。
「かなり決まっていて、将来アナウンサーになりたい、表に出る仕事をしたい、話すのが苦手だから克服したいなどといった理由が多いです。友達が入っていたからという理由はあまり聞かないですね」
――サークル内はどのような雰囲気ですか。
「みんなしゃべりがうまいなと思います。『緊張した』『頭が真っ白になった』と言う人がいるのですが、そうは言っても『話せているよ?』みたいな(笑)。知らない人の前で話すのと友達がいる空間で話すのと違うので、サークル内の人と仲良くなってきたらその場に慣れてきたのかなというのはあります。自分が話しているのを聞いている人から合いの手が入ったりするとまた空気が変わったりして。人の話を聞くのも楽しいです。練習は1、2年生から順番に行っているので、時間がないときは3年生が練習できないこともあって、でもそういうときに自分よりも下級生のほうが話せているよね?と思ったりします(笑)」
(写真:練習の様子)
――サークルの現役生や卒業生でアナウンスに関わることをしている方はいますか。
「アナウンサーの方でいうと、斎藤ちはるさん(平31年卒)、伊藤遼さん(平29年卒)がいらっしゃいます。4年生で学生アナウンサーをしている方もいて、3年生でフリーアナウンサーの事務所に所属しましたという人もいます。アナウンススクールに通っている人もいますね」
――明大祭では発表などを行うことはありますか。
「出し物はしませんが、毎年明大祭実行委員会さんから依頼が来てMCをやらせていただいています。企画やトークショーの司会進行が3種類くらいあって、立候補者をサークル内で選考しています。立候補者はそこそこいて、選考する側は練習部長やアナウンサー志望の人、放送経験のある人たちが中心になっています」
――人前で発表するなどの活動はありますか。
「番組発表会が年に2回あります。コロナ禍以前は、他大学を招いて行っていました」
――番組発表会について、具体的にお話していただけますか。
「一番最近だと6月に番組発表会を行いました。毎回、番組発表会ごとにテーマを設定していて、構成長と他の役職の5人くらいで集まって決めています。最初に、番組を作りたい人に企画書を出してもらって番組を募ります。番組が出揃ったらそれを基にタイムスケジュールを組みます。その後、出演する人、テレビドラマやMVなどどのような番組を撮るかを決めます。ロケーションを決めて、メンバー内で日程調整をして集まって撮影して、その映像を編集します。撮影は、サークルの活動の曜日に関係なく行っています。本番は大教室を借りて行うので、スイッチをオンオフするだけなのですが演出上で必要なら照明も調整して、後はサークルで持っている機材を使ってマイクや番組自体の音量調節をしたりします。今年は装飾担当の子がTシャツを作ってくれてみんなで水色のTシャツを着ました。見ていただく方に事前にフィードバックシートを配って、オンラインのときはGoogleフォームで、フィードバックもらうようにしていました」
――1年生から積極的に番組作りに関わることができるのですか。
「前期の番組発表会では、1年生だけで番組を作る団番というものがあって、任意参加ではあるのですが、そこで番組を作るとはどういうことなのかを体験してもらいます」
――発表会はどのような役割分担で行うのですか。
「番組発表会の役職と番組作りの有志の役職があります。番組発表会の役職はさまざまで、いないと発表会が成り立たないです。オープニングやエンディングを作る人、MC、会計などもあります。前期の番組発表会の役職は主に2年生に就いてもらいました。番組作りの役職は、統括・企画、出演者、脚本、編集などです。やりたい人が担当しますが、人によっては兼任したりします」
――番組発表会をしていて楽しいと思う瞬間はありますか。
「みんなが楽しんでいるのを見ると『よかったな』と思えるので、それに尽きますね。1年生もすごく盛り上げてくれて。今回の番組発表会は『ライブツアー』というテーマだったので、ペンライトを持って盛り上げてくれたりして。3年生からすると、うれしいなと思って(笑)」
(写真:『ライブツアー』をテーマに行われた番組発表会)
――米岡さんの番組発表会での思い出話はありますか。
「私たちが入った年は前期の番組発表会自体ができなくて、団番を後期の発表会で行いました。それまでオンラインで練習していて団番でほぼ初めて同期の人たちと会うことができて、そこで一緒に撮影したり個人的に仲良くなったりしました。そのうちの一人の子ととても仲良くなって、今年私が幹事長でその子が副幹事長をやることになって。団番がなかったらこの組み合わせはなかったかもしれないなと思っていて個人的には感慨深いです」
――アナウンス研究会の魅力を教えてください。
「人の温かさがあります。放送一筋という子が多いわけではなくて、ただおしゃべりをしたい、苦手を克服したいなど、いろいろな子が集まっていて、多様性があるけどみんな受け入れてくれて、和気あいあいとした雰囲気の中で練習できます。アナウンス研究会と言っても、ずっと原稿を読むとかではなくいろいろなことをやっていて、番組を作るのもフリートークするのも一種の自己表現であると思うので、自分を出したい人やいろいろな人と関わりたい人は入ったら楽しいと思います。みんな温かく迎えてくれて素でいられるところだと思います」
(写真:今年度、幹事長を務める米岡さん)
――ありがとうございました。
[守屋沙弥香]
※写真1~3枚目はアナウンス研究会提供
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明大スポーツ新聞 2022.08.018月1日付けで明大スポーツ第521号(オープンキャンパス特別号)を発行しました!今号の1面では北京冬季五輪のフィギュアスケート団体で銅メダルを獲得した樋口新葉選手へのインタビューを行い、裏面では今年度和泉キャンパスに新設されたラーニングスクエアの特集を掲載しております。さらに、2、3面では、明大生には馴染み深い下北沢特集や体育会特集など充実した内容になっております。ぜひお手に取ってご覧ください! 料金520号①:1〜4部→1部あたり 300 円(送料 200 円) 520号②:5〜9部→1部あたり 250 円(送料 300 円) ※10 部以上希望の方はお問い合わせ欄からお買い求めください 残部状況 ◯ お支払い方法(1)口座振り込み(お申し込み後に詳細をお送りいたします。下記のお問い合わせ欄から お申し込みください)→お問い合わせ(2)クレジットカード決済 【クレジットカードでのお申し込みについて】 対応カードブランドは VISA カード、MasterCard、JCB カード、アメックスカード、ダイナースです。クレジットお支払いについては、(株)ROBOT PAYMENT 様のシステムを利用しております。 下記のガイドラインをご確認の上、同意してお進みください。 1.新聞の購入に関しまして お申込みいただいた新聞は、翌週の月曜日に発送いたしますが、本年度は新型コロナウ イルスの影響で弊部活動に制限があり、発送が遅れる場合がございます。ご了承ください。 2.個人情報の取り扱いについて 明大スポーツ新聞部は、お客様からご提供いただいた個人情報については、新聞発送以外の目的では利用いたしません。 当該目的以外の目的で利用する場合は事前にお客様にお知らせいたします。 なお、利用目的に照らして不要となった個人情報については速やかかつ適正に削除・廃棄いたします。 3.お問い合わせについて サービスの内容やご契約の情報に関するお問い合わせは<こちら>から受け付けております。 回答には数日程度かかる場合がございますのでご了承ください 4.特定商取引法に基づく表記について こちらに記載してございます。 令和元年9月28日 制定 上記ガイドラインに同意して申込み手続きへ。521号①(決済額は送料込の値段が表示されます) ⾦額 300 円× 1 2 3 4 521号②(決済額は送料込の値段が表示されます) ⾦額 250 円× 5 6 7 8 9 READ MORE -
オープンキャンパス特別号 LS特集 明大施設課菅和禎氏、松田平田設計の山﨑敏幸氏特別インタビュー拡大版
明大スポーツ新聞 2022.08.018月1日発行の明大スポーツオープンキャンパス特別号の4面で、和泉ラーニングスクエア(以下、LS)の魅力について語っていただいた明大施設課の菅和禎氏、松田平田設計の山﨑敏幸氏。紙面ではやむを得ず割愛したインタビュー部分を掲載いたします。(この取材は6月30日、7月5日に行われたものです) 菅氏――建築にあたり一番大事にしたものは何でしょうか。 「まずソフト的なところでは、今の時代に合った教育環境を作るということでした。今までの何百の大教室の授業ではなく、ラーニングコモンズという少人数教育、学生たちの主体的な学び、対話的な学びという空間を作っていこうというのが一つの目的でした。同時に自分としては、この大学で一生付き合っていける友だちを作ってほしいというのがありました。もちろん勉強も大事ですが、交流を目指すというところを考えて作りました。ハード的なところでは第二校舎を設計された堀口捨巳先生の建物の記憶の継承といった学習環境を現代版に再解釈して今回この建物に移ったということです。第二校舎の大教室と第三校舎の小教室棟の単なる建て替えだけでなく、新しい教育環境を新しくした建物、教育棟という考えで作っています」 ――LS建築の際、教育的な観点を重視したと聞きましたかその点はいかがでしょうか。 「ラーニングコモンズを核とするアクティブラーニングで受動的な学びから学生主体の対話的な学びの学習スタイルということを考えていきました。それはもちろん高校卒業したばかりの新しい学生の新しい学習や多様な学びに興味を持ってほしいということを考えてやっていました」 ――吹き抜けは印象的な部分ですが、建設する際に大変だったことはありますか。 「まずハード的にいくと落下防止など気は使っています。ソフト的には一つの広場としての吹き抜けです。ヨーロッパで夕食時になると人が広場に集まってきてイベントや弾き語りが来ると一体になるじゃないですか。そのような感じで、なぜか人が集まってきてそこでわいわい賑やかにできる、そういう空間にしたかったです。そこでみんなで話したりしてもいいと思います」 ――学生の能動的な学びが重要という観点から見て、LSの中で目玉となる建築物はどれでしょうか。 「やはり共用部分ですね。1階から3階の吹き抜け周りや4階から7階の吹き抜け周り、それから屋外テラス。このように学生が集まってそこで勉強する、交流するという空間を魅力的にしていったという事だと思います」 ――至る所に遊び心があります。 「7階の男子トイレは見ましたか。人が望遠鏡見ているサインがあります。わざと工事中に窓をつけて、高速道路や新宿の夜景が見られるようにしました。それこそ欧米の建物にはくすっと笑える絵やオブジェってあるでしょう。それを狙っています。非常用ボタンも「HELP」という字を工夫するなど、さまざまなことをやっています」 ――センターアゴラの名称や、カイダン教室の形状などにヨーロッパさを感じるのですが意識したりしていましたか。 「いいところを突きますね(笑)。実を言うと今回皆にずっと最初から欧米の建物にしてほしいと言っていました。それはなぜかというと、うちの娘が勉強するからどこに行くのかを聞いたらスタバって言うのですよね。明大前のスタバだって狭いのにいつも満席です。高校から上がった1、2年生たちは勉強したらかっこいい、そういうところを思っているのかなと。自分は10年前くらいにある研修で海外の大学をいろいろ見に行っていたので、今回あまり日本の建物を参考にはしていないのですよね。欧米の物を持ってこい、イメージ写真を持ってこいとやっていきました。だから階段の色使いもそうなのですよね。みんな木で段々みたいに積み木になっているのですが、少しグレーがあったり、赤や青といったアクセントカラーが出てきたり、オレンジや黄色といったそういうイメージです」 ――グループボックスなどガラス張りの教室は人の姿が見えて珍しいです。 「私は中野の建築もやっていますが、中野では抵抗感があった、先生からも嫌だと。和泉は先生が嫌なら第一校舎やメディア棟があるから、嫌な人はなるべくそちらを使ってもらう。学生にいろいろな場でいろいろなことができる空間を作って、先生も授業のやり方が変わってきていると思うので、やりたい授業によって場所を選べればいいなと思いました」 ――実際にLSを生徒が使っているのを見て想定と違うところはありますか。 「和室の畳は実を言うと僕は反対気味でした。寝るのはいいけど横になってだらしなく寝られてしまうのが嫌だなと思っていたのですが、意外とちゃぶ台を置くと寝るスペースなくて良かったと思いました。日本人だから靴を脱ぎたがりますね。グループボックスやソファで足を伸ばしていたりとか。足を伸ばしてパソコンを使っている姿は日本人っぽくないというか。そういう姿をキャンパスで見れたことは本当にうれしくて、これこそ欧米のようだなと思いましたね。僕が思ってない、想定してない使い方をされる方がうれしいなと思っているので、これからもっと出てきてほしいなと思います」 ――生徒の出会いを意識されていましたか。 「出会いというか交流ですね。やはり学生同士の友達は、将来損得がなく付き合えるから楽しいと思います。やはり社会人になってからの友達はどこか損得があったりしてしまいますから。仕事上で会うから仕方ないことですが、なんでも言えるのは友達だったり当時の先輩後輩だったり。だから本当に学生生活大切にしてほしいです。もちろん勉強も大事ですが、友達と交流してもらいたいなという気持ちが一番強いですね。一生付き合える友達や財産をつかんでほしいです」 山﨑氏――設計にあたり一番大事にしたものは何でしょうか。 「和泉キャンパスではLS建設の前に図書館の建設もやらせていただいていました。図書館の時のように生徒さんの居場所になるようなスペースを作ろうとしました。新しい校舎というのは教室が積層し、普段の生徒さんの居場所になるようなパブリックスペースを設けたいと。そこでとにかく学生さんたちが勉強に興味を持ってもらう、ここで他の学生が勉強しているのを見ることで、自分も勉強しよう、こんなこと学んでみたいというような学びに対する興味を膨らましてもらえるような校舎を作ろうと。建物が何か特徴的なシルエットになっているわけではなく〝学びの場の集合体〟というか、たくさんの生徒の学びの姿が積層して建物の外観を形成しているということが設計をして考えたことですね」 ――LSは生徒が座って作業できるスペースが多いと感じます。 「今回設計する時に第二校舎を見ましたが、第二校舎にあった大教室は授業がない時にオープンになっていたのですよね。皆さんがそこでお弁当を食べたりしているのを見て、やはり居場所が足りないのだなと感じました。それは学校の方も言っていて、外にいろいろなスペースを作っても季節によっては外にいることができない時もあるので、キャンパスの中にスペースを作りたいと。特に大学の方は何人入れるか、何人座れるかを重視していてそれをとにかく増やすように言われていました。外構の計画も設計をしている時にコロナ禍になって、外構も設計を変更しました。当初はベンチだけを作る設計をしていたのですが、テーブル付きのベンチを設計変更で入れ替えて、よくリモートで勉強されている学生さんもいらっしゃいますが、デスクトップも開ける机付きのベンチをたくさん作りました」 ――第二校舎は古き良き校舎でした。LSは大きくイメージが変わりました。 「今回のプログラムとしては、第二校舎と第三校舎、第四校舎を壊して、それらの機能を集約したものを建てるというもので、第二校舎の建て替えだけでなく第三校舎も含まれていました。ですから、第二校舎の大きい教室と第三校舎の小さい教室を組み合わせて作るというスタートでした。これも教育環境の変化で、昔は先生が生徒に対して一方的に一方向の授業をするという形でした。そうすると縦長の教室で生徒が聞きやすい教室が一番のスタイルだったと思うのですが、最近はどちらかというと横長で奥行きが浅く生徒と生徒の距離が近いというのが重視されています。実際全国の大学を見に行きましたが、やはりそういうふうにシフトしているなと。単に先生が授業するのではなく生徒同士でグループディスカッションをしたりグループワークをしたりするというふうに能動的に生徒が学習することが大事になってきているので、縦長ではなくフラットで横に広い教室が主流になってきています。ですから教室は横長で縦の列は少なく、これだけ広いとプロジェクターは見にくいかもしれませんが、それでも距離感が近いことの方が今は重視されています。デザインでいうと小教室などは全部廊下側をガラスにしています。見る見られるの関係があることで中の集中度が増す、引き締まるなというのもありますし、グループボックスと同様に教室で勉強している、いろいろなスタイルでやっているのを見るとこんな感じで授業している、いろいろな場面が見られることで刺激を受けるというようなこともあると思います。計画論的にいうと今回みたいに大きい教室と小さい教室を作りなさいと言われた時に、今回は各階で大教室を2個、小教室をたくさんというパターンを各階で同じにして階ごとの利用人数を合わせる感じにしました。2階3階はやたら混んでいるけど上は少ないというふうになるとエスカレーターにしてもエレベーターにしてもある階で詰まってしまいます。それを各階の利用人数を分散させて快適に使えるように、見えるところに階段があるので、エスカレーター混んでいるから階段で行こうかという気分になりやすいような設計にしました」 ――第二校舎は堀口捨己氏が建築されたものでその意図を受け継いでいると思いますが具体的にはどのような部分ですか。 「やはり一つは屋外の導線で機能的な部分もありながらコミュニケーションスペースにもなっていたというところです。あと、この先生は校舎だけでなくランドスケープのデザインもやっていました。これは象徴的なメインストリートを設けながら校舎と校舎を斜めにつなぐということをしていました。今は建物が建て替わってきたのでこの導線があまり意味を持たなくなってしまっていました。それらを踏まえて新しい計画では考え方を変えずにメインの導線がありますが、校舎と校舎をつなぐところは、新しい校舎に合わせたラインでつないであげるというふうに基本的な考えを踏襲して中庭を整備しています。この中庭をスロープで移動しながら立体的に見るというやり方もしています。新しい教育棟でもスロープを上り下りしながら立体的に庭園や各階のテラスの緑、生徒同士の交流の様子をいろいろな角度で見られるように、いろいろな見え方ができるような、堀口先生の時にはできなかったような事実もあり、さまざまな場面をつくろうと思いました」 ――図書館の建築時と比べて変わったところは何でしょうか。 「やはり教育のあり方が大きく変わったなと思っています。図書館ができた10年前はまだ一方向的な授業で、ラーニングコモンズという学生たちの能動的な学習をやっていこうという考えが出てきたころでした。その考えによる事例がまだ少なかった時代だったのですが、10年の間に教育環境が変わったなと感じました」 ――設計者視点で、どのように生徒にLSを使ってほしいでしょうか。 「設計をしたときの設定としてはいろいろなストーリーがあって場所を作っているというのがあります。ラーニングピラミッドと言うのですが、講義をただ受けるだけだと授業の内容の5%くらいしか理解できないですよね。講義を受けたことで興味を持ってそれに関する本を読んだり、視聴覚学習や実験をしたり、議論するといった深めることによってだんだん理解度が上がっていきます。最終的にそれを人に発表することで一番理解度が上がるので、それに応じた場所を作っていくというのが今回の設計でした。情報や人と出会う場所、集まってみんなでつながる場所、これから共同一緒に研究したりする共同場所。加えて一人で集中して勉強する場所と発表ができる場所。この5つくらいの場所を設定して、特に一番不足していると分析したのが発表する場所でした。学生たちがそれぞれのニーズに一番合った場所を選べる、そういう選択肢をたくさん用意しておこうというふうな思想でいろいろな場所を設定しているので、気分や状況に合わせて一番過ごしやすい場所にいてほしいです。しかし、逆にこちらが全然想定していないような使い方をしてくれるのも楽しみではあります」 ――LSの魅力というのは何でしょうか。 「どこに行っても魅力的だなという建物にしたかったです。大きくは1階の吹き抜けと4階から7階の吹き抜け。やはり吹き抜けがあるというのは設計的にも難しいところでそこがすごく力を注いだところになります。これから外観も見えるようになるのですが、外観も力を入れたところですし、見せ場があちらこちらにあるという設計になっています。ですから、設計も非常に難しかったですし現場で工事を監督するという意味でも考えなければならないところでした。ぜひいろいろな魅力を再発見してほしいですね」READ MORE -
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