長き春の陣閉幕 3年ぶりの日本一は次なる〝頂戦〟へ/第71回全日本大学選手権

硬式野球 2022.06.10

 全国の壁は高かった。何とか投手陣が踏ん張るものの全く攻めることができずに迎えた9回表。最上級生の蓑尾海斗捕手(文4=日南学園)と西山虎太郎内野手(商4=履正社)が紫紺の意地を見せる連続適時打で同点に追いつく。一気に流れは明大に傾くが、10回表タイブレークで痛恨の無得点。暗雲立ち込める中、最後は悪送球でサヨナラ負け。長かった明大の春が終わった。



(明)蒔田、久野、髙山、渡部慎、●千葉蓑尾、菅原

山本、○木村井上

【安】(明)7(佛)

【二】(明)直井(5回)、蓑尾(7回)、宗山(9回)、西山(9回) ◇犠打1 堀内(1回) ◇併殺0 ◇残塁8 ◇盗塁2 直井(3回)、飯森(9回) ◇失策2


 〝明治の粘り〟は確かに見せつけた。序盤から攻守ともに苦しい展開が続く。苦しみながらも救援陣が粘りの投球で2回裏途中から8回裏までを1失点にまとめ上げた。どうにか投手陣を援護したい野手陣であったが、8回表まではわずか4安打無得点に抑えられる。しかし今年度の明大は簡単には負けない。9回表、先頭の宗山塁内野手(商2=広陵)が二塁打でチャンスメイク。後続が倒れ2死となるも走者三塁で打席にはリーグ戦優勝を決めた蓑尾が入る。「今春必ず日本一になる」。強く語った頼れる副将が初球をたたくと、中堅に抜ける適時打に。このままの勢いで追いつきたい明大は代走で走塁のスペシャリスト・飯森太慈外野手(政経2=佼成学園)を投入。絶対にアウトになれない場面で盗塁を決めてみせ、またも好機をつくり出す。打者は立大1回戦での同点適時打も記憶に新しい西山。その試合同様に9回2死2ストライクから変化球をはじき返した。打球は前進守備の中堅手と左翼手の間に落ち、同点適時打に。まさに今年度の強さを象徴する同点劇だった。

 

 そのまま逆転とはいかなかったものの球場全体は明大の勝利ムード一色。9回裏も千葉汐凱投手(営2=千葉黎明)がバックの助けもあり3者凡退に抑える。良い流れのまま10回表、今春明大としては初のタイブレークとなった。流れに乗っていきたかったが、先頭打者が犠打を失敗。何とかチームメイトのミスを取り返そうと村松開人主将(情コミ4=静岡)が打席へ。しかし左飛に倒れてしまうと、次打者も凡退。あってはならない無得点で裏の守備を迎えることになる。何とか次の攻撃につなぎたい中で佛教大の先頭打者はバントの構え。一塁手も大きくチャージをかけるが三塁側へボールは転がる。投手の千葉が捕球し、一つアウトを取るはずだった。しかし、一塁へ投じられたボールは無情にもベースカバーに入っていた二塁手のはるか上へ。白球が転々と転がる間に二塁走者がホームイン。試合終了にかけて上がった気温と同様、徐々に熱く盛り上がった好ゲームはまさかの結末で幕を閉じた。

 

 「目標は日本一しかない」(村松)。そう意気込んで臨んだ全日本選手権。明大らしさは見えたものの最後は力負け、全国レベルの高さを痛感した。しかし、この全日本で流した悔し涙は必ず来秋への礎となる。「もう一回全員で六大学優勝。そして神宮大会優勝できるように」(村松)。来秋こそは日本一の〝頂〟へ。明大野球部の〝頂戦〟はまだ道半ばだ。

 

[中村謙吾]


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