3年生コンビによる魂の投球で伝統の明早戦を制す/東京六大学春季リーグ戦

2022.04.25

 3年ぶりの第3戦で早大に勝利した。投手陣はこのカードでそれぞれ先発した蒔田稔投手(商3=九州学院)と村田賢一投手(商3=春日部共栄)が粘りの投球を見せ、9回をわずかに2失点に抑える。気迫の入った投球に呼応するように宗山塁内野手(商2=広陵)が本塁打で援護。日置航外野手(商4=日大三)も値千金の適時打を放ち、接戦をモノにした。

 

(明)蒔田、○村田蓑尾

●齋藤正、伊藤樹、原、伊藤大印出

【安】(明)3(早)8

【本】(明)宗山(3回)(早)吉納(4回)

【三】(明)日置(7回)

【二】(早)蛭間(5回)、吉納(8回)◇犠打3 蓑尾(2回)、小池悠(7回)、瀨(9回) ◇併殺1 ◇残塁5 ◇盗塁0 ◇失策0

 またしてもこの男のバットから快音が響きわたった。なかなか安打が出ない中で迎えた3回表二死、ここで打席には今季当たりに当たっている宗山。スライダーをファールで打ち損じ簡単に追い込まれる。しかし、追い込まれてからが六大学最強打者の本領発揮だ。1球粘り4球目、打ち損じていたスライダーを捉え、打球は中堅手のはるか上へ。「勝ちに貢献できるように」。頼れる3番の本塁打で2点を先制した。その後、7回表にも3年間苦しい思いをしてきた日置が殊勲の適時打を放ち、気合のこもったガッツポーズを見せた。

 

 頼もしい二人が気迫のリレーで早大を封じ込めた。先発のマウンドには早大1回戦で122球完投勝利を収め、中1日の蒔田。ランナーを背負いながらも要所を抑え、幾度となく雄たけびを上げた。本塁打こそ許したものの4回1失点、見事に流れを明大に呼んだ。その後を継いだのは前日6回2失点の村田。「自分の投球をして勝ちたい」。その言葉通り持ち味のテンポいい投球で相手を寄せ付けない。僅差のゲーム展開で緊張感が高まる中でも冷静な姿勢を崩さなかった。連投ながらも5回で許したのは犠飛の1点のみ。素晴らしい投球で2勝目を挙げた。「3年生が中心で投手陣を支えたい」(村田)。試合後、勝利に導いた3年生コンビは満面の笑顔で抱き合った。

 

 3年ぶりの第3戦で白星を挙げた明大。伝統の明早戦で2勝し、2カード連続での勝ち点獲得となった。しかし、まだまだ〝頂戦〟は始まったばかり。次カードは厳しい戦いを避けられない法大戦。「一試合一試合を大切に勝っていきたい」(宗山)。一戦必勝を続けることで、6季ぶりの栄光は見えてくる。

 

 [中村謙吾]