早大にあと一歩及ばず 悔しい敗戦を喫する/東京六大学春季リーグ戦

硬式野球
2022.04.24

 奮闘するも、わずかに力及ばなかった。ここまで3試合連続で2桁安打を記録していた明大打線だったが、この日は相手先発・加藤(早大)に苦しめられ8回までわずか4安打に抑えられる。9回裏に明新大地外野手(政経4=明大中野)が左前安打を放つも、相手の好守備に阻まれ同点とはならず。春季リーグ戦初黒星を喫した。

(明)●村田、下江、渡部慎、渡部翔―蓑尾

(早)◯加藤―印出

【安】(明)6(早)8

【二】(明)上田(6回)(早)蛭間(2回)◇犠打1 瀨(7回)◇併殺0 ◇残塁7 ◇盗塁0 ◇失策0

 意地の投球を披露した。先発の村田賢一投手(商3=春日部共栄)が安打を許しながらも粘りの投球で6回2失点と試合をつくると、後を継いだ中継ぎ陣も得点を許さない。9回表に登板した渡部翔太郎投手(総合4=千葉黎明)は威力のある直球と切れ味鋭い変化球を投げ込み、三者凡退に抑える。帽子に〝大黒柱〟と書き込んだ頼れる4年生右腕が貫禄を見せた。

 

 投手陣の熱投に応えたい打者陣。1点を追う9回裏、ここまで2安打と好調の蓑尾海斗捕手(文4=日南学園)が相手失策で出塁すると、瀨千皓外野手(営1=天理)が内野安打で続く。瀨が見せた気迫のヘッドスライディングにベンチも大盛り上がり。ナインたちは身を乗り出し、逆転の雰囲気が漂っていた。後続が倒れ二死まで追い込まれ、打席には明新。一般入部ながら並々ならぬ努力と不屈の精神力でここまで這い上がってきた男だ。加藤の2球目を力強く振り抜いた打球は、三遊間を抜け左翼手の元に。同点に追いつくかと思われたが、そう簡単に点が入るほど早大の守備は甘くなかった。二塁走者は一気に本塁を狙うも、松木(早大)がストライク返球で本塁封殺。一瞬にして勝利を逃し、打った明新は一塁上で悔しさをあらわにした。

 

 劇的な幕切れで、白星を逃した明大。勝ち点1を手に入れるのは、明日に持ち越しとなった。6季ぶりの優勝に向けて落とせない一戦となるが「先を見ずに一戦一戦自分たちの野球をやっていく」(蓑尾)。〝粘りの明治〟を遺憾なく発揮し、全員野球で頂点へと上り詰める。

 

[伊藤香奈]