
(2)全日本インカレを終えて 4年生引退インタビュー 主将・坂本優斗
ヨット部では、11月に行われた全日本学生選手権(以下、全日本インカレ)をもって4年生が引退した。コロナ禍での試合の中止や延期といった難局に直面しながらも、ヨット部を支えてきた4年生。引退を迎えた現在の心境を主将、副将に伺った。
第2回は主将の坂本優斗(理工4=希望ヶ丘)のインタビューをお送りします。
――ヨット部に入部した理由を教えてください。
「スポーツが好きで、体育会で活動したいと思っていました。また自分が理工学部だということもあり理系でもハンデなく活動できる体育会を探していて、それがヨット部でした。基本的に週末にしか練習ができないので、平日に勉強が忙しくても自分に言い訳することなくスポーツができるということを聞いて入部しました」
――主将に就任した経緯を教えてください。
「同期で話し合い、推薦のような形でした。1年の終わり頃から学年リーダーのようなものをやらせてもらっていて、主将になる流れはそのままできていました」
――コロナによる試合の延期や中止はどう影響しましたか。
「春の大会が無くなり、一つの指標が無くなりました。下級生は春の大会で一通りレース経験を積み、秋のレギュラー決めをするので例年通りやっていたことができなくなったということは大きな影響だったと思います」
――4年間で一番記憶に残っているレースを教えてください。
「全日本インカレ団体戦の第5レース目です。強風の中で、一番最初のポイントを72艇中2位で回ることができました。4年間で数回しか見たことがない景色だったので、最後に見ることができて良かったです。その後、船のトラブルもあり順位を落としてしまいましたが、1レースの中で良いことと悪いことが同時に起きてしまうという思い出に残るレースでした」
――全日本インカレを振り返っていかがでしたか。
「総合8位という結果に終わってしまって、自分たちが目標としていた結果には届きませんでした。良かったところは、このチームなら勝てるという雰囲気を持っていたことです。悪かったところは、勝っても負けても終わる全日本インカレだったために緊張感を持ちづらかったことです。もちろん全日本で勝つためにやってきてはいましたが、レース前も全日本で勝とうという雰囲気ではなく、やることをやろうというような雰囲気になってしまいました」
――チームの雰囲気づくりは普段から意識されていましたか。
「主将をやらせていただいて、自分が何かできることと言えば一番大きいのは雰囲気づくりだと思っていたので、力を入れていました」
――具体的にはどのような雰囲気を目指していましたか。
「上下が仲良く、後輩も先輩を勝たせてあげたいと思うようなチームをつくりたいと思っていました。具体的に行ったことは副将の織田(悠輔副将・情コミ4=明大中野)君を後輩から選んでもらい、後輩に一番信頼されていてコミュニケーションを取りやすい人を副将にしました。また、織田くんを中心に後輩とコミュニケーションを積極的に取るようにしました」
――ご自身のチーム内での立ち位置を教えてください。
「かなり全部員と仲が良いです。もちろん部活は真面目にやっていましたし、いわゆる主将っぽいポジションもしていました。主将をやっているけど仲が良いというような二面性です」
――4年生になる前に学年全体で苦労したことを教えてください。
「ヨットはスキッパーが重要で、その人の技量が問われます。一つ上の先輩は経験者のスキッパーが3人いましたが、僕たちの代は1人しかいませんでした。技量が下がった中でどうやってチームの組織力を維持するかということが大変でした。その時は、実力よりも人間性で成り立たせようということが議題に上がっていました」
――チーム内で意見が食い違ったことはありましたか。
「ありました。僕たちは基本的に学生主体で活動していて、誰が試合に出るかなども自分たちで決めています。レギュラー決めを話し合う時は対立したこともありました。しかし、チームが勝つということを目指していて、お互いの目的は同じなのでけんかのようにはならなかったです」
――4年間で一番成長できたことを教えてください。
「思考力です。物事の本質を見極める力があるか分からないですが、それを考えようとする力がつきました。合宿の中で、他人への気遣いも必要なのでそれも学びましたし、価値観が違った人と一緒にスポーツをして同じところを目指してやってきたのでとても考えることが増えました。あとはストレス耐性ですね」
――4年間を終え、感じた明大ヨット部の魅力を教えてください。
「大学から始めて、どんな人でも十分にスポーツを追求できるということはすごくいいと思っています。全員が日本一を目指すことができます。明大ヨット部の魅力としては、それを目指せる環境があるということです」
――ありがとうございました。
[豊澤風香]
◆坂本 優斗(さかもと・ゆうと)理工4、希望ヶ丘高、183センチ・72キロ
※写真は明大ヨット部提供
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