
髙山と柳が活躍 韓国大学選抜に勝利/大学日本代表オープン戦

明大からは9番捕手で坂本誠志郎主将(文4=履正社)、3番中堅で髙山、先発投手で柳が出場した。
調子を上げてきた。柳は3回を無安打1四球に抑えた。積極的に振ってくる韓国大学選抜打線を相手に「キレのある球を投げることを意識した」と、カーブで2つの見逃し三振、勢いのある直球で6つのフライアウトを奪った。「手元の真っすぐの勢い、変化球のブレーキがあった」と善波達也監督も、本戦で先発登板の可能性が十分にある右腕を評価した。
一日で修正してみせた。髙山は前試合の2番から3番に打順を変更。善波監督が「比較的フリーで打てる」と考えた3番起用に3安打2打点で応えた。5回は先頭打者として右中間を破る三塁打、7回は右前適時打、9回は右中間への適時三塁打の固め打ち。前日の壮行試合では球に差し込まれる打席が多かったため「始動のタイミングを早くした」。その効果が一日で結果として表れた。短期決戦の本戦で必要となる、修正能力の高さを発揮した。
チームの雰囲気は上々だ。試合は初回に吉田正(青学大)の適時二塁打で先制すると、3回には茂木(早大)の適時三塁打などで4得点。その後も小刻みに得点した。投手陣も3安打1失点に抑え、9―1で韓国大学選抜に勝利した。坂本は「昨日の反省を生かして、いい形になっている」と手応えを感じている。一週間後の7月6日には韓国戦が控える。この試合では「チームカラーはアメリカに近く、真っすぐに強い」(坂本)と韓国人選手の特徴をつかむことができた。明日のJX-ENEOSとの試合が大会前最後のオープン戦となる大学日本代表。勝利で勢い付いていきたい。
[森光史]
打順 | 守備 | 名 前 | 打 | 安 | 点 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (右)左 | 佐藤(立大) | 2 | 0 | 0 | 四球 | 二ゴ | 一ゴ | ||||||
遊三 | 藤岡(亜大) | 2 | 1 | 0 | 左飛 | 左二 | ||||||||
2 | (遊) | 柴田(国学院大) | 2 | 2 | 0 | 一ギ | 左安 | 左安 | ||||||
三二 | 北村(亜大) | 2 | 1 | 0 | 左二 | 三振 | ||||||||
3 | (中) | 髙山(明大) | 4 | 3 | 2 | 三邪飛 | 四球 | 中三 | 右安 | 中三 | ||||
4 | (左) | 吉田正(青学大) | 2 | 1 | 1 | 右二 | 三飛 | |||||||
右 | 谷田(慶大) | 2 | 0 | 1 | 三振 | 遊併 | 中ギ | |||||||
5 | (一) | 茂木(早大) | 5 | 2 | 3 | 左飛 | 左三 | 二ゴ | 三ゴ | 中二 | ||||
6 | (指) | 桝澤(亜大) | 3 | 1 | 1 | 捕ゴ | 右三 | 三振 | ||||||
打指 | 横尾(慶大) | 1 | 0 | 0 | 遊ゴ | 四球 | ||||||||
7 | (二)遊 | 下石(東海大) | 5 | 3 | 1 | 中安 | 中安 | 三振 | 左安 | 三邪飛 | ||||
8 | (三)左 | 山足(立命大) | 4 | 1 | 0 | 二ゴ | 三ゴ | 遊飛 | 左安 | |||||
9 | (捕) | 坂本(明大) | 2 | 0 | 0 | 三振 | 一飛 | 死球 | ||||||
捕 | 宇佐見(城西国際大) | 1 | 0 | 0 | 三併 | |||||||||
計 | 37 | 15 | 9 |
名 前 | 回 | 球数 | 安 | 振 | 球 | 責 |
---|---|---|---|---|---|---|
柳(明大) | 3 | 54 | 0 | 2 | 1 | 0 |
○澤田(立大) | 3 | 30 | 1 | 3 | 0 | 0 |
吉田侑(東海大) | 3 | 41 | 2 | 3 | 0 | 1 |
11 | 上原(明大) | 2 | 北村(亜大) | 4 | 下石(東海大) |
---|---|---|---|---|---|
18 | 吉田侑(東海大) | 10 | 坂本(明大) | 8 | 桝澤(亜大) |
19 | 井口(東農大北海道) | 22 | 宇佐見(城西国際大) | 9 | 髙山(明大) |
14 | 濱口(神大) | 1 | 柴田(国学院大) | 24 | 谷田(慶大) |
15 | 柳(亜大) | 3 | 藤岡(亜大) | 26 | 吉田正(青学大) |
20 | 澤田(立大) | 5 | 茂木(早大) | 7 | 佐藤(立大) |
21 | 田中(創価大) | 6 | 横尾(慶大) | ||
16 | 高橋(専大) | 28 | 山足(立命大) |
試合後のコメント
善波監督
「今日は髙山が打ってくれたので点が入りました。昨日は髙山のいい場面でつながらなかったので、2番を止めて比較的フリーで打てる3番に持ってきました。横井コーチに髙山の頭の中を鍛えてもらって、それが良かったです。もともと柴田(国学院大)を2番にするプランもありましたが、まず髙山の2番から試してみて、やっぱりダメだということで、それで吉田正の状態とか、茂木も信頼していたのでこういう形にしました。髙山の2番は積極的な感覚の2番で、1点1点というよりはばっと流れをつくってくれないかな、とやってみたんですけど。柴田は今日みたいにバントもきちっと決めますし、もちろん良いバッターなので。(柳の投球について)ちょっとボールが高かったですけれど、手元の勢いはあったと思います。試合直前に修正しながらやっていたのがボールボールとなっていましたが、手元の勢いはありました。まっ直ぐは勢いだし、変化球はブレーキみたいな感じはありました。澤田もいい感じになってきましたし、吉田侑も1点取られてしまいましたけど、カーブの出し入れなんかも最終回しっかり出来ていました。彼独特のカーブでストライクをとってフォークとかの出し入れがきちっとできていました。吉田正の状態はOKだな、柴田もOKだなという感じでスタメンの選手を交代しました。明日の天気が雨みたいなのでバランスよく選手を使いました。明日は試合ができたら投手は濱口(神大)でいきます。昨日は初回5安打でしたけど、私の中では完全合格点です。あの緊張感の中で自分を見失う感じでばらけるのが嫌だと思っていましたが、それが全くなくて、逆にボールがまとまり過ぎて絞られているということだったのでOKです。より万全を喫するために明日に試合が出来れば濱口でいくつもりです。田中(創価大)の後の右ピッチャーが相手にとっては楽に見えるのかなという感じがあるので、そこをどうしようか考えています。昨日の田中のピッチングの内容は上出来だと思いますけど、本人は指のかかりが物足りないみたいでした。(エースとして)あの緊張感の中でビシッとやってくれますし、昨年の国際大会でもやってくれますし信頼しています。予選と決勝リーグとあるので投手の使い方はまだ分からないです。韓国のチームのイメージはありますが、中国とフランスはだいたいのイメージがあっても果たして本当にそうかなと。もう少し情報があるといいですね」
6回までマスクを被った坂本
「昨日の反省を生かしながら臨めました。チームとして形にはなっていていると思います。(韓国の野球を感じて)野球のカラーはアメリカに近い気がします。真っすぐに強そうです。(投手について)柳は良くなってきています。澤田も良いですし、吉田侑も良いです。真っすぐの質が外国人に通用するものになってきています。外国人との対戦では横の変化よりも縦の変化、前後の出し入れが大切だと思います。柳の場合はカーブであったり、真っすぐの高めの釣り球は外国人は反応するので。(壮行試合で監督からリード面の指摘を受けたが)自分でも粘り切れていないことがわかっていました。敢えてそう言ってくださることを期待と捉えて、自分が迷ったらチームに伝わってしまうので、自分も今日は迷わないように、迷いの伝わらないようにリードをしました。打撃面はもっと振っていかないといけないです。消極的になっている感じはあるので、振れるだけの準備をしていきます。(チームの雰囲気)壮行試合で負けた後もいい話し合い、いい意見を出せ合えました。チームとしてそうなってきたことはいいです。自分のリード一つにしても、迷いが生じたりはっきりしない部分が、いい影響も悪い影響もチームに与えてしまうので、そこをはっきりさせるのを徹底しようと話しました。(明日に向けて)試合をできた方がいいですが、しっかり調整して本番に向けたいい時間をつくれたらなと思います」
前日のNPB選抜に登板した上原
「昨日の壮行試合は、手応えがありませんでした。唯一良いところだったのは、三振を取りたいと思ったときに三振を取れたことです。良かったのはそこだけです。調子は良くないです。(プロを相手にして)特に意識はしませんでしたが、やっぱり感じたのは、甘い真っすぐだったら初球からでもタイミングを合わせて打たれるんだなということです。(守護神という役は)今までのリーグ戦でそういう経験を積んできているので、今までとあまり変わらないモチベーションというか、特に変える部分は無いと思っています。いつも通りやっていこうと思います」
3番に座り活躍した髙山
「横井コーチに少し前からバッティングを指導してもらっていましたが、昨日の打撃が良くなかったです。その良くない点を変えるというか、自分がよりいい結果になるような指導をしていただいて、今日は試しながらですけど良い形になったのでよかったと思います。ボールと距離をつくりたかったですけれど、そこばかり考えてしまって、タイミングの取り始めが昨日はうまくなく少し差し込まれていたので、今日は始動を早めにとってボールを長く見る感覚で入っていきました。今日のヒットはどれもいいヒットでしたけど、最後のスリーベースヒットは修正した新しい自分の形でしか打てないような打ち方だと思います。あの打球が出始めるのは新しいというか、自分にとって成長したところだなと思います。徐々に調子は上がっているなと思うので、一番いい形で初戦に入れればいいなと思います」
先発で好投した柳
「試合前にブルペンで監督に力感を抜いて投げることを指摘されて、緩くて力のないフォームからキレのある球を投げることを意識してやりました。ストレートでも強い球がいけて、そのフォームと球のギャップが生まれましたし、結果にもつながったのでそこは良かったかなと思います。韓国はパワーもあってしっかりした野球をしてくるんじゃないかなというイメージでした。戦ってみて甘いところに投げたら凄い飛距離も出ていたので気をつけなければいけないなというのはありました。坂本さんとのリードの兼ね合いはリーグ戦通りではなく、国際試合を意識した変化球とか大事だと思うので落ちる球とかが増えてくるのではないかなと思います。でも真っすぐは自分の持ち味だと思うので、真っすぐでファールを取りながら変化球という感じでやれたらいいなと思います。昨日のプロのプレーを見て、やっぱり目指しているところでやっている選手たちですし日頃の大学生の球とは違いました。すごいなと思ってとてもいい刺激になりました。チームの雰囲気は段々と良くなっています。仲も良いですし一つになってきていると思いますし、先輩方にもすごく良くしてもらっています。日本代表に選んでいただいたのでチームが一番を取れるように自分もしっかり貢献できるようにしていきたいです」
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