NPB選抜に惜敗 明大から3選手が出場/ユニバーシアード壮行試合

2015.06.30
 来月3日に韓国・光州で開幕するユニバーシアード(野球は6日から11日)。その直前合宿の一環で大学日本代表対NPB選抜の壮行試合が行われた。明大からは代表でも主将を務める坂本誠志郎主将(文4=履正社)、上原健太投手(商4=広陵)、高山俊外野手(文4=日大三)の3人が出場。結果は2―3でNPB選抜に敗れた。

 プロ野球のシーズン中という異例の時期に行われた今回のプロ対大学生の一戦。神宮球場には大勢の観衆が押し寄せた。大学日本代表のスタメンとして8番・捕手で坂本、2番・中堅で髙山が出場した。7回までの出場となった坂本は、初回のクロスプレーで確実にタッチアウトにするなど堅実なプレーでチームに貢献。「狙いながら取れた」と田中(創価大)の7者連続三振を引き出す好リードも見せた。髙山はフルイニング出場したが、無安打と悔しい結果に終わった。上原は1点ビハインドの9回に5番手として登板。先頭打者に安打を許し1死三塁のピンチを招きながらも、きっちりと後続を抑え無失点で切り抜けた。

 試合は初回に先発の濱口(神大)が山川穂(埼玉西武ライオンズ)に2点本塁打を浴びて先制される。大学日本代表はNPB選抜の先発の安樂(東北楽天ゴールデンイーグルス)ら投手陣に5回まで2安打に抑えられた。それでも6回に3番の吉田正(青学大)が高橋(埼玉西武ライオンズ)からソロ本塁打を放ち1点を返す。1―3にされた後の8回には佐藤(立大)の適時打で再び1点差まで詰め寄るも同点の一打は生まれず。2―3とあと一歩のところでNPB選抜に及ばなかった。

 次は明大グランドに場所を移し、2日間に渡って韓国大学選抜、JX-ENEOSと大会前最後の練習試合を行う。この日は登板機会のなかった柳裕也投手(政経3=横浜)にも注目だ。試合後の壮行セレモニーで坂本は「必ず金メダルを取ってきます」と高らかに宣言。善波達也監督も「金メダルを目指し、心を一つにして戦う」と意気込んだ。ユニバーシアード開幕まであとわずか。臨戦態勢に入っていく。

[尾藤泰平]

打順 守備 名 前
◆日本代表打撃成績◆
(右) 佐藤(立大) 四球    遊ゴ       二ゴ    左二   
(中) 高山(明大) 左飛    三振       遊ゴ    遊ゴ   
(左) 吉田正(青学大) 中飛    二ゴ       中本    二ゴ   
(二)三 茂木(早大) 一直       二安    四球    三振   
(一) 横尾(慶大)    三振    投併    遊ゴ         
  山足(立命大)                         中安
(指) 谷田(慶大)    左二    一ゴ       中飛    三振
(三) 藤岡(亜大)    三振       三振            
  下石(東海大)                   三ゴ      
  桝澤(亜大)                         中飛
(捕) 坂本(明大)    四球       三振            
  打捕 宇佐見(城西国際大)                   三振      
(遊) 柴田(国学院大)    二ゴ       右飛       中安   
      計 31                           

名 前 球数
◆日本代表投手成績◆
濱口(神大) 49
田中(創価大) 53
井口(東農大北海道) 21
高橋(専大) 15
上原(明大) 11
◆ベンチ入りメンバー◆
11 上原(明大) 北村(亜大) 下石(東海大)
18 吉田侑(東海大) 10 坂本(明大) 桝澤(亜大)
19 井口(東農大北海道) 22 宇佐美(城西国際大) 髙山(明大)
14 濱口(神大) 柴田(国学院大) 24 谷田(慶大)
15 柳(明大) 藤岡(亜大) 26 吉田正(青学大)
20 澤田(立大) 茂木(早大) 佐藤(立大)
21 田中(創価大) 横尾(慶大)
16 高橋(専大) 28 山足(立命大)

試合後のコメント
壮行セレモニー
善波監督

「本日はシーズン中にも関わらず、このような機会をいただき、本当にありがとうございます。NPB関係者、選手スタッフの皆さまに心より感謝申し上げます。また、多くの皆さまに球場に足を運んでいただき、声援をいただきました。本当にありがとうございます。これから大学日本代表はユニバーシアードでの金メダルを目指し、今日の経験を大いに生かし、選手スタッフ心を一つにして戦いたいと思います。引き続きご声援のほどよろしくお願いします。今日は本当にありがとうございました」

坂本主将
「本日はこの壮行試合にたくさんの方にお集まりいただき、ありがとうございます。そして、シーズン中にも関わらずこのような機会をつくっていただいた選手の方々、監督コーチの皆さま本当にありがとうございました。大学日本代表はこれまで世界大会で金メダルを取ったことがありません。それをこの善波監督の代で、自分がキャプテンをするチームで必ず金メダルを取ってきたいと思います。一つ一つ確実に勝利を重ね優勝してきます。韓国での試合になりますが、皆さまの応援が力になります。どうぞ応援のほどよろしくお願いします。今日は本当にありがとうございました」

記者会見
善波監督

「立ち上がりから一球に対する集中力、仕留める力、この辺りのプロの選手のレベルの高さを感じました。逆に大学代表はつなぎの面で物足りなさのあった試合です。(キーマンは)捕手の坂本がもう少し粘り強くリードしてほしかったなという気はします。ベンチからの指示も含めて、そこが勝敗を分けるポイントでした。打線のつながりを、打順を含めてもう一度見直したいと思います。投手陣は特に今日の結果を見て、田中正義には頼り切るわけではないですが、柱になって活躍してほしいと思います。こういう緊張感のある試合を組んでいただけたということ、ありがたい環境をつくっていただけた中で、金メダルを取りたいではなく、取らなくてはいけないという思いを強く強く感じた一日でした。本当にいい環境を与えていただいています。今までの先輩の方々、大学代表が世界で金メダルを取れていないという思いも含めて、必ず勝たないといけないと強く思っています」

坂本主将
「(田中とのバッテリー)(田中)正義とは昨年の代表から組んでいますが、一段と変化球の精度が上がっていて成長を感じました。プロ相手でも今日の正義のようにきっちり投げれば抑えられると分かりました。三振が増えてきたときには、自分自身三振を取ることを意識しました。狙いながら取れたのは良かったです。正義がきちっとなげて、吉田正が打つ形は今後も変わらないです。プロの打者は早いカウントからのフルスイングであったり、打席に入るまでの準備段階での違いを感じました。仕留める能力もですし、1打席目の反省を2打席目に修正してくる部分でもすごい大学生との違いを感じました。投手はボールが速いですし、変化球もすごく丁寧に、甘いところにいかないように投げてきました。そこが大学との違いです。国際舞台を経験している自分や中心となる選手が引っ張らないといけない中、自分が不甲斐ない結果に終わりました。状態を上げて、身を削ってチームのためにできることをします。まずは自分のことをしっかりしながら、それをチームに還元できるようにしたいです。金メダルを取るといった以上、有言実行しないといけないです。金メダルのためにできることをやって、日本に帰った時にいい報告ができるようにしたいです」

NPB選抜チームのコメント
青山監督
「全体的に大学生は大きな体の人はいないですがコンパクトに振るチームだなということを感じました」

山川穂
「僕が大学の日本代表とかに入っているときに選考会とかを共にやったメンバーも何人かいましたし僕もプロに入って間もないので大学生は懐かしい気持ちとプロには無いチームの元気があって大学生は元気だなという印象があったので、そこは僕も見習って明日からも頑張りたいと思いました」

安樂
「僕はまだプロに入って数カ月ですけどプロの意地とプライドはあったのでヒットは打たさないようにしようという気持ちでマウンドに上がりました」