
チームでつかんだ価値ある1勝 全日本へ王手!/全日本大学選手権予選会
攻める気持ちだけは持ち続けた。明大は先日幕を閉じた東京六大学春季リーグで2位となり、全日本大学選手権予選会への切符を手にした。取っては取り返される展開が続いた。が、8回に流れが一変した。酒井翔弥外野手(法3=東北)がフェンス直撃の痛烈な安打を放ち、続く吉田由宇主将(法4=日本文理)が的確に犠打を決める。1死二塁、勝ち越しのチャンスでバッターボックスに入ったのは、代打の松原。「しっかり集中して、なるべくリラックス」と松原は、外のカーブをとらえて勝ち越しとなる右前適時打を放つ。その流れに乗ったのは萩谷。初球はインコースで、自身では球種が判断できず結果ボールのカウント。「次の球はストライク」と予測した萩谷は、高めの真っすぐを引っ張り適時三塁打。2人の走者が返り、また相手の送球が乱れる間に萩谷自身も本塁生還。これが勝利を決定づける攻撃となった。「(松原から)いい流れで打席が回ってきた」と萩谷。チームの誇るパワーヒッターも松原を称賛する。何としてでも勝つために、チーム全員で攻めの姿勢を保ち続けた結果が功を奏した。
一方、先発の小田が6回2失点とまずまずの結果。「雨で練習不足が否めなかった」と、限られた条件下であっても、自らの投げ込みが足りなかったことを課題とした。野手が点を取っても、流れを引き寄せることができなかった点も反省点として今後に生かす。それでも試合中、守備に就く野手陣やベンチ入りメンバーからの声掛けに対しては「盛り上げてくれて感謝している」。頼れる味方の守備に助けられる場面もあった。打撃では、自身は4回に安打を放ち、一時勝ち越しのホームを踏んだ。「自分にとっても、チームにとってもいいヒットだったと思う」。自身のピッチングのリズムにもつながったというこの安打。小田にとって今日の大きな収穫だった。

粘りの投球で篠原へ繋いだ小田
「勝つことが全て」と吉田主将。もう技術や内容は関係ない。とにかくチームで勝つことだけを考え、守備の際も、ベンチの中でも必死に声を出し合う。貪欲に勝利に向かうその姿勢が、今日の試合でも価値のある重い1点をもぎ取るための原動力となっていた。いよいよ20日は全日本への出場を懸けた一戦が行われる。それまでこの1週間は、明大準硬式野球部にとって集大成となる時間。勝ちにこだわり続ける選手全員の執念で、必ずや全国へと歩みを進める。
[石渡小菜美]
試合後のコメント
吉田主将
「トーナメントなので、勝てたっていうことが全てだと思う。リーグ戦いい結果で終われて、そのままの流れで行ければいいかなと思っていたが、個人的にはうまく調整できなかったし、あまり練習できなかったので、ちょっとあんまりバット振れていなかったが、まあ関係ないので勝つことが全てなので、誰が打った誰が打たないではなく、いつもリーグ戦でもそうだが、短期決戦でやっているので、チームが勝てれば、ヒット打つだけが勝利への貢献ではないので、自分の仕事としては最低限はできたかなと思う。もう1カードリーグ戦が続くと思って、あと2試合チームで力を合わせて頑張ろうっていう声掛けをしていたので、一応データを取ったりとかしていたので、しっかりとした準備をして今日に臨んだ。前半打てなかったが、しっかり準備はしたので、これが自分たちの力だと思う。チーム全体として、(日大三崎は)オープン戦をやっている相手だったし、ダブルスコアで圧勝していたので、負けるという意識はなかった。追いつかれてもリードされるということは結果としてなかった。監督は負けるという意識はベンチ内でも持っていなかったと思う。その勢いに立ててできたかなと思うし、そういう声掛けではないけれど、『やばい、負けるかもしれない』っていう声や雰囲気はなかったので、攻めだと思う。20日の関東学院は、来週の試合のために今まで精一杯やってきたので、この1週間が本当に大事な、自分たちがやってきたことの集大成だと思うし、一番大事な1週間になると思うので、しっかり準備して悔いのないように、最後短期決戦なので、内容ではないので、来週20日の試合で関学相手に、相手よりも1点でも多く取ってればいいので、勝ちにこだわって1週間やっていきたいと思う」
小田
「雨で全然練習ができてなくて、練習不足が否めなかった。状態としても内容としてもあまり良くなかったが、勝てたということは良かったと思う。(オープン戦のときに大勝した相手だったが)一回勝った相手でもしょせん練習試合だったので、(今日は)新しく当たる相手だと思って気を引き締めた。油断はなかったと思う。一番の課題は、雨で練習できない中どのように自分の力を出すことができるかだったので。完璧には出せなかったですけど、切り替えて次に行く。全体的に球が行ってなかった。走ったり投げ込みもできていない状態で今日臨んでいるので。まあまた1週間後にあるので、雨降られないことを祈りながら練習するだけ。(野手陣の声が良く出ていたが)力になっている。いつも守備からとか打撃から盛り上げてくれて感謝している。点を取ってくれたのに流れを引き寄せられなかったのは、ピッチャーとして良くなかった、反省点。今日は収穫というよりも反省の方が多かった。課題的には練習をやらないと良いボールはいかない。コントロールがかろうじて良かったので、相手(打線)を2点に止めることができたのだが、一歩間違えれば危なかったので。あとはサインミスなどもあったので、そういう細かいところを詰めていかなければいけないなと思った。(4回には安打を放って一時は勝ち越しとなるホームを踏んだ)打撃はスターティングラインナップにいる限りピッチャーも打つことが必要だと思うし、ヒットを打ったことによってピッチングのリズムにもつながっていったので、自分にとってもチームにとってもいいヒットになったと思う」
萩谷
「思ったより接戦になってしまって流れも悪かったけど、松原がいいところで打ってくれたので、その流れで自分も打つことができた。相手投手はとにかく球が遅かったので引っかけるのだけはやめようと思っていた。終始いい感じで打席に立つことができた。最後の打席は高めの真っすぐだと思う。初球インコースにチェンジアップか真っすぐかよく分からないボールが来てボールになって、次の球はストライクを取ってくると思った。松原が勝ち越しのタイムリーを打っていい流れで打席が回ってきたので良かった。差し込まれた感じはあったが、良いところに飛んでくれて、外野も前に来ていたので三塁を狙った。けれどギリギリだった。全日本優勝を目標にしているので、リーグ2位ということもあり、予選会で2つ勝たないとスタートラインすら立てない。一戦一戦大切に。練習では、ピークを持って来れるようにした。練習中から低い打球を意識していてやってきて、その成果が出て良かった。次の関東学大は良い投手がいるし、今日の試合をしていたら負けてしまうと思う。本当に勝たないと意味がないので、この1週間しっかり準備してベストな状態で試合に臨みたい」
松原
「外のカーブで、ちょっとタイミングが外れたが、うまく引っ張って拾えた。大事な場面で使っていただけたということで、しっかり集中して、なるべくリラックスして立とうと思った。リーグ戦のときの勢いのまま、それをなるべく保って、チーム全体で一つになって勝っていこうという意識だった。今の良い状態を保ったまま、何とか20日迎えて勝てればなと思う。(個人的には)やはりここで途切らせないで、20日もせめてもう1本、チームの勝ちに絡めるように、機能できたらなと思う」
多々野
「初戦勝たないと次はないので全力で戦った。いい試合になって均衡して流れが行ったり来たりしていたので、何とか8回こっちにリズムが来たことは大きかったと思う。(4回の先制適時打は)真っ直ぐが少し浮いてきたので、上にかぶせられたかなと思う。次の相手が高崎経大でも関東学大でも同じで、自分たちの野球をするだけなので、そのためにこの1週間。バッティングの好調を維持することが来週に向けて大事だと思うので、打撃の方で買われて出していただいてるからこそ、そこで結果を出せればと思う」
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