(31)リーグ戦後インタビュー 上原健太、柳裕也

――今季を振り返っていかかですか
持っている力を出し切れなくてこういう結果に終わったのかなと思います。投打がかみ合ってなかったり、ここというところで抑えられなかったり、もう一本出ればというところで打てなかったり。そういう細かい部分で負けた気がします。
――チームに足りなかったものは何だとお考えですか
持っている力が発揮できないというところが目に見えて出た試合ばかりでした。悔いが残ります。自分たちの個人の力がうまく発揮できて、それがいい雰囲気でかみ合ってくれれば問題はなかったと思います。でもこういうかみ合わない時が本当ひどい結果になるかもしれないという思いは以前からありました。今回本当にそういう結果になってしまい、すごく考えさせられました。
――守りについてはどうでしたか
普段ちょっとしたところで出たミスが神宮でも出ている気がしました。練習中の雰囲気が足りないなと思いました。(足りない中で)練習をこなしているなと自分は感じていました。
――自身の投球を振り返っていかかでしたか
緩急がうまく使えた試合は、それなりに結果も安定していたので、間違いじゃなかったなと思いました。
――今季のケガの影響というのはどうでしたか
ピッチングをする以前に自分の中に問題を抱えて投げるというのは、マウンドに上がる上ですごく邪魔なことでした。いいコンディションで投げるというのは厳しかったです。でもそれでも投げなきゃいけない立場で、全然思ったようにいかずという感じだったので、苦労したかなと思います。ぎりぎりまで指の回復に務めて、土日はどれだけ耐えられるかというそういうやり方をしていました。
――一戦目の先発は柳裕也投手(政経3=横浜)に譲る形となりましたが
自分より柳のほうが勝てる確率が高いというのは、チームのことを考えればそれが一番で、自分としてもそれは認めざるを得なかったです。柳は頑張ってくれたかなと思います。悔しさ、もどかしさはありました。
――今季戦って新しく感じたことなどはありますか
個人の力がなくても、チームとしてちゃんと機能していればそれなりに戦えるんだなと他のチームから学びました。逆に自分たちの個々の能力が高くても、チームとしてうまく機能しなければこういう結果になるんだなと思いました。
――印象的な試合を挙げるとしたらどこでしょうか
法大戦、早大戦です。優勝の可能性を消してしまったのが自分という責任があるので、そういう思いです。どちらも負けに絡んでいるので。
――4年生として、エース背番号を付けての初シーズンはいかがでしたか
今までのリーグ戦と違って苦しい感じがしました。自分の調子も上がらずに、守備との息も合わずに、打撃とのかみ合いもなく。全てが淡々と流れて、個人個人で色々思いながらやっているような、そんな空気を感じました。
――課題や収穫はありますか
アクシデントがありながらどうやったらその中でもっと投げていけるのかなという対応力というものと、悪い状態からどういうふうに立て直していくのかというのは自分の中でとても気になっている部分です。その日の調子が悪ければ、その日の内にいい方向に変えていくと自分の調子を変えていけるような、何かモチベーションなり、技術的なことだったり、何か変えられるところがあると思うので、そこをコントロールできたらいいかなと思います。緩急が効けば、調子が悪くても自分も楽に試合ができたり感じたので、緩急を使う大事さを感じられたのは収穫です。
――秋へつながる部分はありましたか
技術はそれぞれが持っていて負けない力を持っている。ちょっとした部分、気持ちの部分を秋どれだけ出せるかというのを、みんなも思っています。今季の最後は自分たちらしい試合ができたと思うので、それを今度の秋は1戦目から出していきます。
――ありがとうございました。
◆上原健太 うえはらけんた 商4 広陵高出 190cm・86kg 投手 左投左打
試合 | 勝利 | 敗戦 | 打者 | 投球回 | 安打 | 四死球 | 三振 | 自責点 | 防御率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
今季 | 8 | 3 | 2 | 109 | 24 2/3 | 22 | 13 | 28 | 4 | 1.46 |
通算 | 50 | 12 | 8 | 645 | 155 | 130 | 50 | 144 | 33 | 1.92 |
あと1つ、投げ切れなかった。右のエースとしての働きを期待された柳裕也投手(政経3=横浜)。全てのカードで第1戦の試合を任されたが、いずれも中盤で途中交代と期待に応える投球はできなかった。来季へリベンジを誓う柳にお話を伺った。(この取材は5月31日に行ったものです)
――今シーズンを振り返っていかがでしたか
全然納得のいくシーズンではなかったです。全部1戦目を任せてもらって、任された1戦目で全然勝つことができませんでした。味方のエラーもあったのですが、そこで点をあげないで踏ん張ることができず、ずるずる負けてしまう試合が何回もありました。自分がもっとしっかりしていればチームも違ったかなと思います。
――カードの1戦目を任されました
上原さんの指のケガとかもあって、自分が1戦目を任せてもらいました。自分も先頭に立っていくつもりで冬もやってきたのでもっと活躍しないといけなかったんですけど、それに応えられなかったかなというのはあります。中盤以降のスタミナの面での球が弱くなってきた部分もあって、そういう回に打たれることが多かったです。勝負所で一本を簡単に打たれてしまうこともありました。春も課題と言ってきたことが、改善できなかったです。
――被本塁打も多かったですが
また4本打たれてしまいました。本塁打はチームの流れが変わるので、自分自身気をつけてやらないといけないなと思いました。打たれたのは全部真っすぐです。やっぱり自分はキレだったりで勝負するピッチャーなので、今はホームランになっている打球が外野フライになったりにしていかないといけないと思うし、簡単にホームランにしてはダメなので。
――フォーム変更の成果は
リーグ戦もその日その日のコンディションが変わる中で、立ち上がりとかはしっかり入っていけたところは多かったんですけど、やっぱりどうしても中盤に崩れてしまうところがありました。スタミナの面もそうですが、フォームも見直していかないといけないなと思います。写真とかを見てもグローブを被せて投げてしまっているところがあるので、修正しないといけないなと思います。
――例年と比較して変わった部分は
去年に比べて変化球で空振りを取ることが多かったんですが、逆に直球で空振りを取れませんでした。直球がファールになったりして、手先の変化だけでごまかしごまかしの投球になってしまうところがありました。ボール1個分高いのか、低めに連続して決めきれませんでした。
――周囲から言われたことは
監督から、テイクバックのときに手首をひねってしまう悪い癖があるのでそこだけ注意するように言われました。監督の期待に応えないといけないという気持ちが強かったので、申し訳ないという気持ちがありました。誠志郎さん(坂本主将・文4=履正社)には試合の中でその日のいいボールとか悪いボールとかを上手く見極めながらリードしてもらいました。「丁寧に投げてくれ」とだけ言われました。
――1戦目の重圧もありましたか
1戦目はエースが出てきて、打つのも難しいと思うので、そこで先に点を取られてしまったり3、4点取られてしまったりすると勝つのもきつくなってしまう。1戦目に投げるということの難しさと責任感というのは強く感じました。
――今季1番悔しかった試合は
慶大の1戦目と3戦目。横尾さんに本塁打を2本打たれて負けた試合が自分の中で悔しかったです。東大でいい感じで勝って、次の慶大でしっかり勝ち点を挙げることがカギでした。そういう中で、同じ打者に2回とも本塁打を打たれて大事な試合で結果出せなかったという部分が大きいです。
――味方のエラーが多かったことについては
たしかに今季はエラーが多かったのですが、そこをカバーするのが投手の役割です。味方のエラーがあっても、そのせいにしないで、自分で抑えられる投手にならないといけないなと感じました。信頼とかも出てくると思うので、そういう姿勢も出していかないとと思います。
――来季の抱負をお願いします
春はこういう形でふがいない思いをしましたし、周りの人たちからの期待もこんなものじゃなったと思うので、応えられなかった悔しさ、応えないといけなかったという気持ちもあります。夏の悔しさをしっかり引きずって、鍛え直していきたいです。神宮で活躍するのを1番目標にして頑張ります。そこで結果を出せるような取り組みをして秋チームが優勝できるようにしたいです。自分がやらなければいけない立場だと思っているので、具体的な目標は分からないですけど、とにかく完封、完封でチームの頼りになる投手に存在になれるように夏、頑張りたいと思います。
――ありがとうございました。
◆柳裕也 やなぎゆうや 政経3 横浜高出 180㎝・80㎏ 投手 右投右打
試合 | 勝利 | 敗戦 | 打者 | 投球回 | 安打 | 四死球 | 三振 | 自責点 | 防御率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
今季 | 8 | 2 | 3 | 164 | 39 2/3 | 32 | 15 | 37 | 10 | 2.21 |
通算 | 30 | 7 | 5 | 422 | 106 2/3 | 77 | 33 | 114 | 30 | 2.53 |
[川合茉実・萬屋直]
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