(30)リーグ戦後インタビュー 髙山俊

2015.06.08
 今季リーグ2位の17安打を放ち自身5度目のベストナインを獲得した髙山俊外野手(文4=日大三)。通算117安打で歴代6位タイにつけ、記録の重圧をものともしなかった。ラストイヤーを迎え周囲の期待が高まる今季も変わらぬスタイルを貫いた髙山にお話を伺った。(この取材は5月30日に行ったものです)
 
――今季を振り返って
苦しいシーズンだったのは間違いないですが、その中ではある程度は頑張ったかなとは思います。

――チームにとってどんなシーズンになりましたか
早い段階で優勝がなくなってしまったので、ちょっと粘りが足りなかったというか。試合を見てもミスが多いのが目立ったので、まだまだ強いチームになれるのではないかなという印象です。

――ターニングポイントとなった試合は
個人的には毎試合毎試合がそうですけど、チームとしては勝てなかった試合は全部ですね。反省点が多い試合だと思うので、勝てなかった試合だと思っています。

――オフにやって来たことが生きたと感じたことはございましたか
春、状態がずっと悪くなかったのは冬にレベルアップができたからだと思っているので、いい形でつながっているかなとは思います。

――監督から何か掛けられた言葉はありましたか
個人的に、前半は全然波に乗れなくて。数字は残らなかったんですけど、それでも状態は悪くなかったので「状態は悪くないからそのまま変に考えすぎることなくやれ」ということは言われました。

――今季印象に残っている打席についてお聞かせください
東大戦の1本目ですかね。ピッチャー強襲というか、きれいなヒットではなかったんですけど最初の打席だったので。あの1本は印象に残っているというか、そこからスタートを切ったシーズンになったかなと思います。

――慶大戦ではシフトを引かれる場面もありました。今季、特にやりづらさを感じたことなどはありましたか
1年生から試合に出させてもらっているので、まあシフトを引かれたり、攻め方が厳しくなったりはある程度当たり前のことだと思っています。そのくらいは自分の頭の中にもあったので、必要以上に考えることはなかったです。自分の形でやっていくことだけを考えていました。

――主に1番打者としての出場でした。試合の入りの打席での意識はいかがでしたか
自分は球種を張ったりするタイプではないので、逆に1打席目の方が素直に入れたというか。1打席目凡退した後の2打席目の方がいろいろ考えてしまうので、1打席目の方が何も考えずにというか、ある程度球種はわかりながらも素直に打席に入れていたと思うので、入りに関しては、トータルしたらいい方だったと思います。

――チャンスの場面での意識はいかがでしたか
チャンスで小さくなるタイプではないんですけど、今季はチャンスで少し打とうとしすぎてしまって、強引な打席や惜しい打席が多かったかなと思います。もう少し何も考えずというか、必要以上に考えないように打席に入れていたら、チームの位置も変わってきていたのではないかなと思います。印象に残っている1打席、というのはないんですけど、チームが4位だったので、そう考えたら主軸としては機能していなかったと思うので、結構そういう打席が多かったなと思います。

――試合序盤で1本出ると気持ち的に楽になる部分はありましたか
そうですね。ありました。(無安打の試合も)状態は悪くなかったんですけど、ヒットが何打席も出ないとやはり気持ち的な部分から焦りというか、焦りまではいかないにしても少し考えてしまって無安打、という試合が終わってみたらもったいなかったです。そういう打席が多くありましたね。試合後は、考えるべきことは考えますが、その試合を引っ張ってもしょうがないですし、次の試合ではピッチャーも変わるので、その日の相性が悪かったんだなと考えるくらいで引きずったりしないようにはしていました。

――慶大戦前にフォームを変更した理由についてお聞かせください
開幕カードの東大戦で、ボールは見えていたんですけど、振り出したらボールにうまくミートできないというか、なんかちょっとズレがあって。テイクバックの仕方が素直にできていなかったので、構えの位置を変えて、テイクバックをスマートにしたというか。そうすることによって、ミートポイントも自然と合ってきたという感じです。フォームを変えるにあたっていろんな人に言葉をもらいました。監督だったり、コーチだったりですね。いろんな打ち方をするバッターがいるので、どういう打ち方に自分が合っているのかを、もう一度考えさせられました。空き週だったのでいろんな打ち方を試して、細かいことではありますけど意識を変えながらやっていく中で、そこが一番ミートしやすかったというか、そんな感じですね。うまく当たっていれば変える必要はまったくないですし、調子が悪ければまた考えることはあるんですけど、ボールは見えていて、ただミートが合わないということだけだったので、そこに関してだけの試行錯誤をやっていました。

――慶大戦に入る時には完全にその形で固まっていたのでしょうか
フォームを変えるのに1、2週間となると相当短いので。はまっている感覚はなかったんですけど、徐々にいい流れになってきているなという時に慶大戦に入れたので良かったと思います。慶大2回戦の満塁ホームランもその一つの手応えにはなりました。

――フォームのポイントについてお聞かせください
フォームというよりは、バットの軌道を上から出せるようなフォームが自分の形だと思うので、そのようにバットが出やすいようなところにいっている時がいいと思います。(インサイドアウトは)オフシーズンはいろいろ考えてやっていたんですけど、実戦的なピッチャーになると自分のきれいな形で打つヒットというのはなかなかできないので、もうシーズンに入ったらそこを考えすぎることはなくしました。

――内野安打と本塁打を打った日に、「これ(内野安打)が一番自分らしいヒット」と振り返っていらっしゃいました
うまくスイングができる時は長打も打てて、自分があまりうまく合わない時でも、ああいう形でヒットになればいいと思っています。形にこだわらずヒットを打てればという感じです。

――最後に夏に向けて、抱負をお願いします
個人としては、振り返って17本という数字はまあ良かったかなと思いますが、それでももう少しヒットを出せた打席もあったので、そこを改善していきたいです。チーム全体に関しては、勝ち切れない試合やミスの多い試合がたくさんあったので、そういった部分をしっかりつぶしていきたいです。

――ありがとうございました。

◆髙山俊 たかやましゅん 文4 日大三高出 181cm・84kg 外野手 右投左打

試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 打点 盗塁 犠打 四死球 打率
髙山 今季・通算成績
今季 12 51 17 .333
通算 93 366 117 22 44 16 35 .320