
早大に連勝でインカレ予選の切符勝ち取る 20安打13得点/東京六大学春季リーグ戦
序盤からは想像できない結果となった。先発の篠原匠投手(政経2=明大中野八王子)が初回先頭打者に四球を与えるなど乱調。2回は1死も取れず3失点で降板した。しかし、マウンドを引き継いだ薄田が悪い流れを断ち切る。2番手の薄田は8回途中まで1失点。1回戦からの連投ながら「しっかりコーナーを投げ分けられた」と打たせて取るピッチングで相手打線を封じ味方打線の反撃を呼んだ。
薄田は落ち着いたピッチングを見せた
好機を何度も生かした。3回に2死から鈴木と多々野将太内野手(農2=花巻東)の適時打で2点を返すと、2点差の4回には酒井翔弥外野手が「不調のときこそ思い切りいけば突破口になるかなと思った」と右越え本塁打。さらに久保田駿内野手(法2=広陵)の右前適時二塁打などで同点とし2死二塁で迎えたのはまたも鈴木。「本当にただうれしかった」と打った打球はセカンドの頭上を越える中前適時打となりついに逆転に成功した。
主将の意地が伝わる4安打だった。吉田主将は打率.416と首位打者も視野に入る位置にいた。最初の打席は凡退するも「こんなに打ったことはない。今日は神がかっていた。運があった」とその後4安打。特に最後の中越え適時二塁打は満塁の好機をものにする走者一掃の一打だった。
4安打を放った吉田主将
ここから全日本への戦いが始まっている。「みんなで勝ち取った入賞、予選会だと思う。もう1カードあると思ってしっかり勝ってやることは変わらない」(吉田主将)とこれからも総力戦で戦う姿勢は変わらない。今チームは太い束のような一体感がある。予選止まりでは終わらせない。
[吉田周平]
試合後のコメント
千田晃二監督
「4点目を入れられたときに、あと1点取られるようだとまずいと思った。けれども試合が進む中で点差を詰めていけたのが良かったと思う。(早大に大量得点で勝利したことについては)去年の秋まで9シーズン、早稲田と戦って勝ち点が取れなかった。卒業生の中には4年間勝ち点の取れないまま卒業していった選手もいた。けれども今日は、そういう苦手意識は持たず対等な気持ちで戦うことができたからだと思う」
吉田主将
「昨日も一緒だがみんなが頑張ってくれた。出ている選手に限らずチームとしてやってきたことの結果だと思うので自分は方向を示すだけなので、ついてきてくれたりサポートしてくれる周りの選手に感謝ですね。昨日勝っていることは大きなアドバンテージだったがどうしても勝ちを意識し過ぎて今日で終わらそうという意識が強過ぎてみんなプレー硬くなっているかなという印象があった。篠原もガチガチだったので。集まったときに今日負けたら明日勝てばいいとそんな勝ち意識しないでと声掛けて監督もそういう風におっしゃっていたので、修正して何とか試合を落ち着かせることができた。(チーム20安打)空き週やってきたバッティングができた部分もあるが、守備で昨日今日とリードされる形で苦しい場面を守ってチャンスを待っているという粘り強さが出てきたと思うので、一人一人の意識というか、勝ちにこだわる試合になった。(総力戦で見事にやってのけたが)常に総力戦、みんなでやるんだということを言ってきたので誰が打ったとかじゃなくて、出ている選手だけじゃなくてみんなで勝ち取った入賞、予選会だと思う。(次に向けて)もう1カードあると思ってしっかり勝ってやることは変わらない」
薄田
「ほとんど点が入る場面だったので別に打たれてもいいという気持ちでやっていたしあとはしっかりコーナーを投げ分けられたという印象。抑えようという気持ちはなかったが昨日投げて今日も投げてきた。3点は取られたが点は取れると思っていたので打たせて取ろうという気持ちだった。バッター全日本予選で勝たないと今回2位になった意味がないので勝つまで練習したい」
酒井
「2位になれて全日本の予選会に出られることが決まって良かった。(ホームランは)打率がとんでもないことになっているので不調のときこそ思い切りいけば突破口になるかなと思ったので初球から思い切り振っていこうと思った結果がいい感じで飛んでくれた。(先制されながらも粘り勝ち)今まで先制点を取って中押し、ダメ押しで逃げ切る形が明治のスタイルだと思っていたが今年は守備においてもしっかり粘れている部分が多いのでピッチャーがコースよくポンポンと打たせてくれればリズムよく守備で守っていけるので打たれてもリズムつくれるから粘れると思う」
萩谷直斗内野手(営3=水城)
「とにかくまずは勝てて良かった。個人的にはホームランも打てたし、うれしかった。(今日特に印象に残った場面は本塁打か)それもあるけれどもタイムリーも出せたから、それも印象に残っている。(早大相手に大量得点で勝利したが)篠原も途中アクシデントで交代してしまった薄田も、投手陣が本当によく投げてくれていた」
鈴木
「負けられない戦いだったので1球に集中して勝ちにこだわって臨んだ。(4回の逆転打は)ここまで全然打ててなかったので今日こそは何としてでも打ちたかったので結果につながって良かったと思う。(二塁手の頭上を越えて)本当にただうれしかっただけ。今日これを打って自分自身いい経験になったと思うしこれからのチームに勢いを乗せられたと思うので勝負強くやっていきたいと思う」
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