好機で着実に得点を重ね立大に先勝/東京六大学春季リーグ戦

2015.05.23
 好機で逃すことなく得点し5─3で立大に勝利した。初回、先発の柳裕也投手(政経3=横浜)が大城(立大)に先頭弾を打たれ1点を追う展開をしいられる。しかし直後2回に大塚健太郎内野手(商4=花咲徳栄)の適時打と吉田有輝内野手(商1=履正社)の犠飛で勝ち越しに成功。追加点を加え4─1とした6回、失策が絡み2点を奪われたが最終回に内海朗外野手(政経3=明大中野)の適時打で突き放した。立大に先勝し、勝ち点奪取へ王手をかけた。

 終始主導権をにぎった。0─1と1点を追う2回。1死一、三塁の好機で打席に立ったのは大塚。2ボールからカウントを取りに来た球を振り抜くと、打球は右翼手の頭を越え同点の適時二塁打に。続く吉田有も中犠飛を放ち勝ち越しに成功した。さらに4回には菅野の内野安打から、坂本誠志郎主将(文4=履正社)と大塚の2者連続適時二塁打で4─1とリードを広げ、先発・田村をマウンドから引きずり下ろした。また、1点差とされて迎えた9回。またも大塚の安打でチャンスを広げ、1死一、三塁とすると打席には代打・内海。「うまく反応して拾った」とスライダーを捉え右翼線に放った打球は、試合終盤での貴重な1点を奪う適時二塁打に。点差は2に開き、立大の逆転ムードを断ち切った。
 意地の一打でチームに貢献した。大塚は4打数3安打2打点と大活躍。今季はここまで無安打で、早大2、3回戦ではベンチ入りメンバーからも外れていた。しかし東大2回戦以来となるスタメン出場を果たしたこの試合では一転。「間を長く取ろうと思った」と打席での試みが功を奏し、今季初打点をマークした。苦しみ抜きながらも、気迫の一振りで返り咲きを見せた。

 4試合ぶりの勝利だった。先発の柳は1回、いきなり先頭の大城(立大)に3球目の直球を捉えられ、左翼への先頭打者本塁打を許してしまう。しかし「切り替えないといけないと思って、試合をつくることだけを考えた」(柳)。ボールが先行し、5回を投げ5四球と苦しみながらも1失点に抑える粘投で「チームのみんなに付けてもらった勝ち星」(柳)と開幕戦ぶりの白星をつかんだ。
 流れは一切渡さなかった。4─3と1点差に迫られる展開となった直後7回からは上原健太投手(商4=広陵)が登板。上原は「自分の調子がどうであれゲームの流れをこっちに持ってくるのが絶対に必要な仕事」と言葉通り、8回には変化球を軸に3者三振に取る圧巻の投球を披露。本調子ではないながらも「役割は果たせた」(上原)と3回を無失点に抑え、追随を許さなかった。

 負けられない戦いに王手を掛けた。坂本は「勝ててよかった」と5─3の辛勝を振り返った。序盤から勝ち越すと少ない点差を逃げ切り、接戦を制した。投手陣は好調ではない中粘りを見せ、打線は好機でしっかり走者を還すなど、苦しい中での理想の形が見えた。「いい形で終わろう」(坂本)。投打にスキを見せず立大に連勝で有終の美を飾る。
 

★明大中野出身・内海が躍動★
 「緊張でふわふわしていた」。9回1死二塁、代打で打席に立った内海はスライダーを捉え、右翼線へリーグ初打席初安打初打点となる適時二塁打を放った。母校・明大中野高に通う1年生がそろって応援にきていた今試合。内海も高校時代に同様に試合を観戦し「ここで活躍したい」と明大野球部への入部を決めた。大学入学後は朝6時前から練習のために起き、監督と練習を重ねてきた内海。「チャンスで打って(監督に)恩返ししたいと思っていたのでうれしい」と笑顔を見せた。

[川合茉実]

試合後のコメント
主将としてチームを引っ張る坂本

「納得いく勝利ではないですけれど、勝ててよかったです。試合後のミーティングでスコアに出ていないミスをなくして明日いい形で終わろうとなりました。(夏のキャンプ地の高森町の方々が応援に来ていたが)キャンプでいつもお世話になっていますし、この状況でも応援に来てくださってありがたいです。そういう人のためにも勝てたのはよかったです。子どもたちのお手本になる野球をしたかったですね。(適時打について)1球目で差し込まれましたが、うまく逆に打てました。バットを振っていけてはいます。(投手陣について)柳は悪い中で何とか勝ちを優先した投球でした。3ボールが9回あったりとはまっていない状況でいかに粘れるか、バッテリーとしても勉強になった試合です」

7回から登板し3回4奪三振の上原
「最後の四球があれですけど、きちんと役割は果たせたかなという感じです。試合始まる前からどこでも行ける準備しておけと言われていて、そうなると大体後ろの方というのが分かっているのでそれに合わせて準備していました。(今日の球の質は)60%くらいです。もうひとつ上まで行かないと普通とはいえないです。(現在は短いイニングが多いが)短いイニングと分かっているので先発の時みたいにスタミナを考えてというのは一切ないです。自分の中ではバンバン投げてという気持ちでマウンドに立っています。気持ち的に前に前に行けます。自分の調子がとうであれゲームの流れをこっちに持ってくるというのが絶対に必要な仕事だと思っているので、自分がどうこうというより試合の流れを壊さないようにという感覚でやっています。(シーズン後もユニバーシアードなどがあるが)今の自分は明日に備えるのが一番ですけど、この先もまだまだシーズン続くつもりでやっていて、さらに感覚を取り戻すというか投球の精度をあげて行く意識はこれからもしていこうかなと思います」

3安打2打点の活躍が光った大塚
「タッチアップでいいかなと。最低でも1点は取りたいと思っていたらああいう結果になりました。打ったのはスライダーです。先制されてもすぐ勝ち越せたというのは気持ちの強さだと思います。チームとしても自分としてもそういう部分がありました。4回は2塁走者を3塁に進めようと思ってライト方面を意識していました。タイミングが遅れてしまってレフトに飛んでしまったんですけど、結果オーライです。ストライク来るかなと思っていました。(今季初打点ですが)間を長く取ろうと思っていました。最近です。そういうのがバッティングにつながっていると思います。勝ち点は東大からしか上げれていないので、最後は秋に繋げられるようにここで取ってリベンジできるようにしたいです」

代打で出場しリーグ初出場で打点を挙げた内海
「いつも通りの気持ちで打席に入りました。それでも緊張でふわふわした感じでした。初球から振りに行こうと思っていました。ヒットは、スライダーにうまく反応して拾った感じです。チームとしても点が欲しい場面だったので打ててうれしかったです。ですがその後の走塁は反省しています。明大中野高の一年生が学校行事で応援に来ていたので、ちょうどこの日に打てて良かったです。高校の時に自分もリーグ戦を見に来て、ここで活躍したいと思って入部しました。普段の練習では5時50分に起きて、監督にティーをあげてもらっています。チャンスで打って恩返しをしたいと思っていたので、本当にうれしいです」

先発し5回1失点で勝ち投手となった柳
「チームのみんなに付けてもらった勝ち星です。自分のピッチング自体は反省の方が多いです。調子は良くも悪くもないという感じだったのですが、制球がダメでした。打たれないように投げていて、厳しいところに続けて投げなければいけないところで、それができていなかったです。そこが自分の課題かなと思います。(本塁打を打たれた後は)先頭だったので切り替えないといけないと思って、試合をつくることだけを考えました。(セットポジションについて)フォームがバラバラだった気がしたので、反動の少ない投げ方で安定させることができればと思ってやりました。残りの試合もチームが勝てるように、自分も機会があればしっかり投げたいと思います」

2回の勝ち越し打を放った吉田有
「(久しぶりの試合だったが)せっかくチャンスをもらったのでなんとか結果を残そうと思いました。(犠牲フライについて)チャンスの場面だったのでとりあえず点が欲しいと思って打席に入りました。ヒットを狙ったのが結果的に犠牲フライになり、それがなんとか点に繋がったので良かったです。(次への意気込み)まだヒットが打てていないのでとりあえずバットを振りこんでいきたいです。」

打順 守備 名 前
◆明大打撃成績◆
(中) 髙山(日大三) .326 左飛    三振    三安    三振      
(左) 小倉(関西) .313 二ゴ    三安    三ゴ       投ゴ   
(三) 青野(広島国泰寺) .400 一ゴ    一併                  
  打三 川合(倉敷商) .000             三振            
  石井(履正社) .313                      三振   
(右) 菅野(東海大相模) .353    左二    二安 遊ゴ       二ゴ   
(一) 山下(佼成学園) .333    二ゴ    遊ゴ    三振       四球
  竹村(浦和学院) .067                           
  西村(智辯学園) .000                           
(捕) 坂本(履正社) .258    四球    右二    三振       三振
(二) 大塚(花咲徳栄) .375    右二    左二    中飛       一安
(遊) 吉田有(履正社) .000    中犠飛    二飛       遊飛      
  内海(明大中野) 1.000                      右二
  宮内(習志野) .200                           
(投) 柳(横浜) .067    遊ゴ    二直               
  水野(静岡) .000                           
  高橋亮(前橋育英) .000                   二ゴ      
  上原(広陵) .000                         中飛
     33 .253                        

名 前 球数
◆明大投手成績◆
○柳(横浜) 105 2.27
水野(静岡) 17 1.93
上原(広陵) 43 1.59

◆ベンチ入りメンバー◆
10 坂本(文4=履正社) 山下(政経4=佼成学園) 髙山(文4=日大三)
11 上原(商4=広陵) 13 西村(農4=智辯学園) 小倉(文4=関西)
17 柳(政経3=横浜) 大塚(商4=花咲徳栄) 28 内海(政経3=明大中野)
19 齊藤(政経2=桐蔭学園) 33 川合(政経4=倉敷商) 39 逢澤(文1=関西)
21 島田(政経3=佼成学園) 石井(営4=履正社) 14 竹村(政経2=浦和学院)
23 水野(農2=静岡) 35 青野(商4=広島国泰寺) 24 宮崎(文2=履正社)
31 金子(商1=春日部共栄) 宮内(政経4=習志野) 26 吉田有(商1=履正社)
高橋亮(政経4=前橋育英) 菅野(法4=東海大相模)
22 中道(商3=智辯学園) 上西(営4=明大中野八王子)
試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
勝敗表 第7週 5/23現在
早大    ○○ ●○○ ○△○ ○○ 10 .889
慶大    ●● ○●○ ○○ ○○ .667
法大 ●● ○○ ○○ ●○○ ●  10 .600
明大 ○●● ●○● ●● ○  ○○ 11 .455
立大 ●△● ●● ○●● ●  ○○ 10 .300
東大 ●● ●● ○  ●● ●● .111