劇的勝利! 立大に2連勝/東京六大学春季リーグ

2015.05.12
劇的勝利! 立大に2連勝/東京六大学春季リーグ
 接戦をものにした。立大2回戦は4回に1点ずつ取り合った後互いに無得点で延長戦に突入。延長12回に四球と野選でチャンスを広げると、萩谷直斗内野手(営3=水城)の均衡を破る右前適時打で勝ち越しに成功、さらに寶田慎太郎外野手(営4=東北)の適時二塁打でダメ押しの3点目を奪った。4回からリリーフした薄田寛也投手(農3=日本文理)は同点で迎えた9回に1死満塁の危機をしのぐなど粘投し、9回1失点でチームを勝利へ導いた。

 緊迫した試合を制した。4回、先頭打者の寶田は中前安打で出塁すると、7番金子昂平捕手(営2=済美)の右中間を破る適時二塁打の間に先制のホームを踏んだ。その裏に振り出しに戻されたものの、薄田と相手エースの谷(立大)の白熱した投げ合いでその後は互いに0行進が続いた。しかし12回、ついに好機が訪れる。1死二塁で打席に入った久保田駿内野手(法2=広陵)の打球は三遊間のゴロ、しかしこれを遊撃手大井(立大)の野選で1死一、三塁。「これは勝てると思った」と萩谷の右前適時打で勝ち越し、ついに均衡を破った。その後も寶田のダメ押しの左越え適時二塁打も生まれ、勝負を決定付けた。

 まさかの出来事が起こった。3回に先発の篠原匠投手(政経2=明大中野八王子)が右手首に打球を受け緊急降板。4回から急きょ薄田が登板するも先頭打者に本塁打を浴びてしまう。出鼻をくじかれたもののその後は立ち直り、ゲームの流れを渡さなかった。圧巻だったのは9回のピッチング。1死満塁から「低めを意識して投げた」と徹底したピッチングで、投ゴロと三振で自分でつくったピンチを完璧に摘み取り渾身のガッツポーズが出た。尻上がりのピッチングでチームに勝利を呼び込んだ。

 秋から延長戦で無敗。エースの谷が相手でもその不敗神話は継続された。「追い込まれると強い」(薄田)と言うように、抜群の粘り強さを発揮する。次の試合は早大戦。早大の強みは強力投手陣。その投手陣を打ち崩すのは、今節の試合のような終盤の粘りだ。法大の優勝が決まっている今、激しい二位争いを制するためのポイントは「打線の奮起」(萩谷)。好調な打線が早大に打ち勝てるかどうかがカギとなる。

[木村亮]

試合後のコメント
寶田

「今日は投手戦になるという予想だったがその通りになって我慢比べの試合になるとチームは予測していたので想定内の試合運びだった。薄田に関してはベンチも準備していなくてよく薄田が最後まで投げてくれたなと思っている。延長12回のダメ押しはその前のチャンスで凡退してしまったのでここでは絶対に打たなければいけない気持ちでいった。最初レフトフライだと思ったがうまく風に乗って打球が伸びてくれたので良かった。立大の2連勝は次の早稲田戦に向けて良い流れのまま臨めるので良い試合だった。優勝の可能性はまだあるが2位狙いになってしまうかもしれないので早稲田戦もこの流れで勝って全国に行けるように頑張りたい」

薄田
「先頭バッターにホームランを打たれたので少し甘かった。その後は逆にしっかり投げようと思って投げ切ることができた。(ホームランは)うまく打たれた。緊急リリーフでの準備不足から打たれたわけではない。少し甘かったが低めにいっていたのであそこを打たれたら仕方がないと割り切っていった。(9回の満塁のピンチは)とりあえず前に飛ばさないようにというのが一番だったが相手バッターが山田さんだったので三振は無理だなと思っていた。打たれたら打たれたでしょうがないと思っていたのでとりあえずゴロを打たせようと低く投げた。捕手の金子もよく止めてくれていた。守備陣もよく守ってくれて助けられた。ゴロが多かったので久保田とかがよく守ってくれた。今日は(制球が)バラバラじゃなくまとまって投げられていた。ストライクゾーンで勝負せずにバッターが振ってくれるところに投げられたのが一番良かった。9回というイニングを投げたのは自分が記憶する中では初めて。あまり回数を気にしていなかったので9回も投げたのかという感じだった。自分は4回からの登板だったが相手の谷さんはずっと投げていた。すごいピッチャーだなと思った。今日勝つと勝たないのと全然違うので勝てて良かった。(早大に勝つためには)やはり打つこと。早稲田はピッチャーが良いので打てないことには始まらない」

萩谷
「今日の試合は長かった。篠原がああいう形(打球直撃)で降りてしまってその後薄田がすごく頑張っていたのでもうちょっと早めに決められたら良かった。最終的に勝てて良かった。12回は先頭がフォアボールで出てフィルダースチョイスでチャンスが広がったので、これは勝てるなと思った。相手先発の谷さんはフォークがすごく良い投手。追い込まれたら終わりなので追い込まれるまでが勝負だと思っていた。打った球はボール気味のカーブ。それまでもカーブの配球が多かったのでだんだん合ってきていた。ボール気味でも良いところに飛んで結果が出せて良かった。9回より前に打線がつながれば良かった。ただ最後しかヒットを打てずバントも失敗した。そういうところをしっかりしないと早稲田には勝てないと思うので反省している。早稲田も目の色変えてやってくるのでそれに負けないように。(早大に勝つためには)投手は頑張ってくれているので野手がもう少し打てれば。自分含めて野手の奮起に期待してほしい。今日勝てたのは薄田のお陰。感謝します」

金子
「よくピッチャー陣が投げてくれた。(4回からの薄田は)ツーシームをよく投げてくれたので良かった。あとはそれに緩急つければ良いと思っていた。ピッチャーのコントロールが良かったので助かった。(立大に2連勝は)チームにとって早稲田戦に対して勢いがつくのではないかと思う。(安打を放ったが)打撃は別に意識していなく守備だけなので。キャッチャーとしてのポジションを守るだけ。バッティングは他のバッターもいてキャッチャーは1人しかいないのでそこを重点的にやっている。(9回1死二塁、三塁の場面でマウンドに向かったのは)取りあえず落ち着いていこう間を取って落ち着かせようと考えていた。あと薄田さんは一発を打たれる可能性があるのでそこに気を付けるように言った。次早稲田戦に出たときは今日のような感じで一生懸命やっていきたい」