打線爆発! 立大に完勝/東京六大学春季リーグ戦

2015.05.10
打線爆発! 立大に完勝/東京六大学春季リーグ戦
 不調だった打線が爆発した。立大1回戦は9-0で圧勝。3回先頭の吉田由宇主将(法4=日本文理)の右中間を破る二塁打を皮切りに打者一順の猛攻で5点を先制。その後6回と7回にも追加点を挙げるなど14安打9打点と立大の投手陣を打ち込んだ。先発のエース・小田敏大投手(営3=明大中野八王子)は10安打を打たれるも要所を締め今シーズン初完封勝利。エースの意地を見せた投球だった。

 集中打で好投手・加藤(立大)を打ち崩した。3回先頭の吉田主将が右中間を抜ける二塁打でチーム初安打を記録する。「何とか塁に出ようと結果的に長打で塁に出れて良かった」(吉田主将)。小田が犠打失敗しチャンスを広げられなかったが「悪い流れだったので初球から甘い球が来たらつなぐ意識で」と久保田駿内野手(法2=広陵)が初球をセンター前に運びチャンスを拡大する。続く萩谷直斗内野手(営3=水城)の左前適時打で先制、鈴木太郎内野手(法2=大船渡)のセーフティースクイズが相手一塁手の野選を誘い追加点を奪った。2死後には4番の多々野将太外野手(農2=花巻東)が初球のストレートを右中間深くまで弾き返す走者一掃の三塁打。さらに二塁手の送球がそれる間に多々野もホームインしこの回一挙5点を獲得し試合の流れを呼び込んだ。

小田は苦しみながらも完封勝利を挙げた
小田は苦しみながらも完封勝利を挙げた

 守備陣全体がエースを盛り上げた。小田は2回から6回まで毎回先頭打者に安打を許し10安打5四球と苦しみながら完封勝利を挙げた。「10安打されて点取られなかったのはやっぱり守ってくれたから」と小田。初回2死一、二塁から奥山(立大)の打球はセンター前へ。寶田慎太郎外野手(営4=東北)のレーザービームで二塁走者を本塁で刺し相手に試合の流れを渡さなかった。寶田は3回も先頭打者の右中間の当たりをすばやく二塁へ送球し二塁を狙った打者走者を刺して立ち上がり不安定だった小田を救った。

 ゴールデンウィーク期間の練習が実った。前節の法大戦では2試合で1得点と打線が不調。今節までは「バッティング練習を中心に振り込んだ」(吉田主将)。法大戦から1週間空き週のため野手陣が多くの時間をかけてバットを振り今試合の14安打9打点につながった。「明日打てないと意味がないので明日も結果を残したら練習の成果が出たといえると思う」(吉田主将)。次戦では昨秋ベストナイン投手・谷(立大)の先発が予想される。2位以内に与えられる全日本大学選手権予選会出場権獲得のため負けられない戦いが続く中、復活した明大打線が谷を打ち砕き2連勝で勝ち点を奪取する。

[常光純弘]

試合後のコメント
吉田主将

「今までになく打者も打ってくれたので点差は開いたが内容はスコア通りヒットやエラーの数はあまり変わっていない。ついていたということもある。勝てたことが本当に良かった。小田はコントロールに苦しんでいたので投げる球がない状況もあったが、そこは小田もしっかり考えて悪いなりに工夫して投げてくれた。ウイニングショットも小田が首を振って投げたい球を投げて三振を取る場面もあったので考えて投げてくれていた。そういう面では良かったと思う。前半相手のペースでやられていたので早いうちに点を取らないと相手に流れを持っていかれると思った。早めに点が欲しくて何とか塁に出ようと結果的に長打で塁に出れて良かった。法政戦は打てないで負けているのでバッティング練習を重点的に振り込んだ。今日はしっかり結果が出たが、明日打てないと意味がないので明日も結果を残したら練習の成果が出たといえると思う。谷は加藤君とあまり変わらない速球派で本格派投手なので特に意識することなく絞っていくといういつも通りのことをやって気持ちよく練習通り打てればいいと思う」

小田
「10安打されて点取られなかったのはやっぱり守ってくれたから。寳田さんのバックホームとか守備に助けられた。最後は疲れがあったが最後までいくということだったのでそれで終われて勝てて良かった。完封、ゼロで抑えたのも久しぶり。10安打されているのでゼロで抑えた感覚はない。結果的に1点もやらなかったのはピッチャーとしての役割は果たせたのかなと思う。バッターから先制して中押しダメ押しをしてもらって楽に投げさせてもらった部分というのも感謝したい。序盤は全然ストレートがいってなくて抜けていたボールが多かったがブルペンで多めに投げるようにして何とか立て直せたので修正できた部分も良かった。歩幅を狭めたことや2年のブルペンキャッチャーから今日の状態、どう投げているのかなど人からのアドバイスを参考にして立て直せた感じ。4回からは変化球が決まりだしてそれが入るからこそストレートが良くなる、立て直すことができた。(全日本を含めて2位以内に視野を入れての勝利は)すごく大きいと思うしまた優勝を諦めたわけではないので全部勝つつもりで。自分としては抑えるということを果たすことだけだと思うし、またピッチャー全体のことを見ながら後輩にアドバイスして全員で一戦一戦戦っていけたらと思う。取りあえず明日勝つことを考えてもう負けられないと思うので一敗もしないようにやるべきことをしっかりやりたい」

久保田
「勝てて良かった。4安打は自分の中では初めてだと思う。3回は吉田さんが塁に出て小田さんが送れず悪い流れだったので初球から甘い球が来たらつなぐ意識で打席に立ってそれが先制につながったのは良かった。小田さんのミスが消せたというのも良かった。調子自体は悪いとは思ってなかったが法政との初戦に打てずチームも負けてそういう時に1年生を使うのもありだと思っていた。でもいつでも出れるように準備はしていた。谷さんは去年春秋対戦して関東選抜でも同じチームだったので本当に良い投手ということは分かっている。今日のことは今日で忘れて明日自分のやれることをやれば結果はついてくると思うので自分の仕事をするだけ」

多々野
「守備で苦しい場面もあったがラッキーを含めて乗り切って、その流れのまま攻撃できたのでリズムとしては最高だった。3回の三塁打は真っすぐ、真ん中。打った感触は良かったので、あとは良いところに飛んでくれた。久々の長打だったので気持ち良かった。加藤さんには関東選手権で抑えられていたので、あんまり良い印象はなかったが、払拭(ふっしょく)できたと思う。バッティング練習で速い球を見てきたので、速球には対応するように練習してきた。明日は強い相手なので、今日大量得点できたからといって、明日またこれが続くわけではないと思うので、明日は明日で勝ちにつながるプレーをしたいと思う」