先発末次を打ち崩せず 法大に先勝許す/東京六大学春季リーグ戦

2015.04.26
先発末次を打ち崩せず 法大に先勝許す/東京六大学春季リーグ戦
 相手右腕を捉え切れなかった。ヤマ場の法大1回戦は1―9で完敗し、今季初黒星となった。打線は相手先発の末次(法大)に封じられ4安打のみ。7回1死一、三塁で併殺崩れの間に野崎優内野手(情コミ3=明大中野八王子)の生還が、唯一の得点となった。投げては先発した篠原匠投手(政経2=明大中野八王子)が初回に立ち上がりを攻められ5回4失点。継投した薄田寛也投手(農3=日本文理)も8回までに7安打3失点を喫し、法大打線に翻弄(ほんろう)されてしまった。

 初回に手痛い一発を浴びた。先発を任された篠原は「初球が少し甘くなってしまった」と初回2死の場面で4番中村(法大)に右越え適時二塁打を浴び、先制点を献上。3回も守備陣の失策が重なり満塁のピンチで3番橘に中前適時打を許し3点差に。流れは一気に法大に傾いた。「調子が良い時はお互いのことが分かっている。今日はそれが全然つかめなかった」(篠原)。今季初スタメンの金子昂平捕手(営2=済美)とうまく連携が取れず、5回5安打4失点でマウンドを降りた。
 継投した投手陣も捕まった。2番手の薄田も6回に1番萩原(法大)の内野安打で1失点。7回は無失点で抑えたが8回に2番藤口(法大)の適時打で2失点を喫し、3イニングで降板。「ボール球は振らないし甘く入るのは一発で打たれる」(薄田)と直球が甘く入り制球力が定まらなかった。続く3番手の古村佑(情コミ2=明大中野八王子)も1イニングで2安打2失点と最後まで法大打線に圧倒された。

 手も足も出なかった。早大を完封し立大のエースにも勝利した末次(法大)に散発4安打に抑えられてしまった。前半は得点圏に走者を進めることもできず、反撃の糸口さえつかめなかった。唯一の得点も、7回二塁手の悪送球の間に出塁した野崎が併殺崩れで生還した1点のみ。サイドスロー気味のポイントの絞りにくい右腕相手に「打ち上げてばかりで工夫がなかった」(吉田由宇主将・法4=日本文理)と完敗した。末次には昨年から打ちあぐねており、春秋通算28イニングで7得点。この日も攻略することができなかった。

 今季初黒星を喫した。東大、慶大に2戦連続で快勝し、開幕ダッシュに成功しただけに痛い敗戦となった。「全体的に浮足立っていた。ゲームの流れの中でチーム自体が落ち着いていなかった」(千田監督)と先制点を許してからほころびが見え始めた。2回戦では「開き直るだけ」(吉田)と勝ち点獲得につなげたい。

[橋本杏菜]

試合後のコメント
千田晃二監督

「今日は完敗。全体的に浮足立っていた。ゲームの流れの中でチーム自体が落ち着いていなかった。(得点につなげられなかったのは)早いうちに点差が開いてしまって焦っていたのもあるのかもしれないし、追い付けさせることのできなかった私の責任かもしれない。序盤から点数が開き過ぎてしまったので3点までだったら何とかいけたが4点以上開いて、末次くんの調子を考えるとちょっと動きにくかった。(法政の末次は)良かったと思う。キャッチャーの佐藤くんのリードが良かった。いい形で追い込まれて最後に振らなくてもいいボールを振らされたという感じ。それで途中まで1安打という情けない状況になってしまった。(昨年の春は勝ち点を取られているが)法政は強い。みんないい振りしているし芯でバンバン振ってくるし、うちの実力不足。(明日は)ここで終わったわけじゃないので2戦、3戦取れば勝ち点取れるのでそれに向けてやるしかない」

吉田
「完敗ですね。オフェンスもディフェンスも力負け。レベル的に完全に劣っている。リーグ戦なのでここで終わるわけにはいかないので開き直って、雰囲気良くできたらそれでイーブンにまで持っていけば何とか試合にはなると思う。(法政の末次は)フォアボール出さないので自分から崩れることはない。こっちが何とか打たないとチャンスをつくれないのでそこで打ち上げてばかりで工夫がなかった。良いピッチャーなので最少失点で抑えなければ勝負にならないが簡単にエラーが出たり、ミスが出てしまった。(7回の得点は)得点と言える程の得点じゃなかったので、あの前から試合はほぼ決まっていたのでもっと早く点を取る必要があった。(守備の崩れは)内野同士で連携が取れていない。今日は若いメンバーだったので内野守ってる萩谷とかがやってくれれば良かったが難しい。(明日は)開き直るだけ。楽しんで力では負けてるので気楽に元気出して何とか試合になるようにやるだけ」

薄田
「真っすぐが甘く入ってしまった。打たれたのも真っすぐだと思う。(調子は)悪くなかったが追い込んでから真っすぐが甘く入ったのでもったいなかった。(今日の敗因は)守備のエラーがなかったら(点は)入ってなかったと思うし、法政の方が全然打てるので守る方でエラーしてしまうと打つのも勢いがなくなるのでエラーは減らしたい。守備も安定してなかったので、ピッチャーも打たれたが守備面が残念だった。(勝つためのポイントは)守備。打てる日もあれば打てない日もあるので守りからエラーしないようにピッチャーもフォアボールで出さないように低く投げていけば。(法政は)他のチームと違ってファール打たないので一発で仕留めてくる。ボール球は振らないし甘く入るのは一発で打たれるし、(六大学の中で)一番いいと思う。(明日は)しっかり切り替えて開き直ってやっていきたい。投げれば0で抑えられるように頑張りたい」

篠原
「簡単に先制点を取られて相手に流れを渡してしまったのでチームに申し訳ない。調子はいつも通りだったが法政もバッティングが良くて何とかかわしていこうと思ったがうまくいかなかった。キャッチャーとももう少ししっかりと打ち合わせしとけば良かった。抑えて調子がいい時はお互いのことが分かっている。次こういうサインが来るだろうなとか。今日はそれが全然つかめなかった。感覚的なものだがそこがうまくいかなかったのが大事なところで打たれてしまった原因だと思う。(5回4失点は)とにかく悔しいがここで終わりじゃないので後に引きずらずにやっていきたい。(先制された初回は)3番の橘さんにレフト線に落とされ2ベースになってその次の4番の初球が少し甘くなってしまった。そこもキャッチャーはボール球気味にというサインだったがストライクを取りにいってしまったので、もっとキャッチャーの意図を感じられるような余裕があると良かった。(守れず打てずという試合だったが)打てないことはバッター陣に任せておくことなので、打てないことは何とも思わないが、先発で任されてきているので早い回に点を取られてしまうことは自分としてもとても悔しい。チームにも迷惑を掛けていると分かっていたので明日の試合勝って第3戦につなげられるように、また第3戦で今日みたいなピッチングをしないように、期間は短いがコンディショニングをしっかりしていきたい。(法大戦がヤマ場だが)相手バッターが結構振れているのでゴロを打たせていくことが大事。低めにボールを集めたり、コントロールが大事だと思う。(昨年の春は法政に)ボコボコにされた。苦手意識は正直あるが、そんなこと言ってもしょうがないので逆に法政が自分を恐れてくれるように練習していきたい。気持ち的な部分で苦手意識があると駄目だと思う。そこを何とか切り替えたい」