牛島の満塁弾などで連勝 東大から勝ち点つかむ/東京六大学春季リーグ戦

2015.04.13
 連勝で勝ち点奪取を決めた。初回に上西達也外野手(営4=明大中野八王子)の適時打で2点を先制すると6回には牛島将太捕手(営3=門司学園)の満塁弾で4点を追加。さらに7回、上西がダメ押しの本塁打を放ち7得点を奪った。投手は先発の上原健太投手(商4=広陵)を含む4投手で完封リレー。ピンチを招いても落ち着いた投球で本塁を踏ませず、7─0で勝利した。
 
 快音が鳴り響いた。2点リードの6回、先頭の上西が初回以来チーム3本目となる右前安打を放ち出塁すると、さらに連続四球で無死満塁の好機をつくり打席は牛島。2球目の高めに浮いたスライダーを捉え「バットに乗った」と、打球は左翼席ポール横に飛び込んだ。「めちゃめちゃ嬉しい」。本人も驚きの人生初の満塁弾で6─0と東大を突き放した。牛島は坂本誠志郎主将(文4=履正社)の代わりにスタメン捕手として出場。春季オープン戦から何度もマスクを被るなど、坂本の来年の後継者として期待が高まっている。牛島は「(坂本の)代わりを務めるのは難しい」と話すも捕手として2戦ともにフル出場し、無失点にリード。打撃の調子は下がり気味だったが、善波達也監督の「下半身で打て」というアドバイスを意識し、見事期待に応えてみせた。
 さらに打線の軸となったのは上西。1回戦から3安打と当たりを見せ、今試合では打順を上げ3番を任された。初回から無死一、二塁の好機で打席が回ってくると、左越え適時二塁打を放ち2点を先制した。さらに6点差で迎えた7回には「体が勝手に反応した」と甘く入った変化球を逃さず、右翼席へ本塁打を放った。「積極的にいくことを大事にしている」。今試合も躍動し3安打3打点と勝利に貢献した。

 対応力を見せた。先発の上原は5回を任され、本調子でないながらも8つの三振を奪う好投を披露。初回こそ直球を狙われピンチを招いたが、2回以降は「キレていた」というスライダーを中心に変化球を約7割投げ、直球狙いだった東大打線を手玉に取った。また継投した3投手も得点圏に走者を進めることなく安定した投球を見せ、完封勝ちを収めた。 

 まずは初戦カードを制した。しかし見えた不安もある。今試合7得点を挙げた打線だったが、安打は5本とつながらなかった。「もう少し点を取りたいところがあった」と坂本が振り返るように、この東大との2戦は計13安打、奪った得点は9点のみ。首脳陣からは「自分のスイングができていない」と指摘も受け、なかなか結果が残せていない選手も多い。次戦は空き週の後、慶大との対戦が控える。昨年春秋ともに勝ち点を奪われている相手に苦しい戦いが予想されるが「2勝して、チーム力としてカードを取りたい」(坂本)。復調に燃える選手とともに勢いそのまま連勝を目指す。

★新星たちがリーグ戦デビュー★
 ルーキー金子大地投手(商1=春日部共栄)が8回に登板。「ストレートで押す投球ができた」と三者凡退に抑え、リーグ戦初登板を飾った。同じくルーキーの吉田有輝内野手(商1=履正社)も4回の守備から初出場した。
そして守備で魅せたのが生山太智内野手(営2=明大中野八王子)。7回に三塁で初出場すると、三遊間を抜けそうなゴロを飛び込んで捕球、素早く送球しアウトにする場面も見せた。生山は高校の先輩である上西の活躍からも刺激を受け「自分も同じくらい活躍できるよう、頑張りたい」。熾烈(しれつ)な内野手レギュラー争いに名乗りを挙げた。

[川合茉実]

打順 守備 名 前
◆明大打撃成績◆
(中) 髙山(日大三) .143 四球 一邪飛      三振    左飛    一ゴ
(三) 渡辺(横浜) .250 中安    投ゴ   二ゴ    遊ゴ      
  小倉(関西) .—                          
(左) 上西(明大中野八王子) .750 左二    左飛      右安 右本      
  生山(明大中野八王子) .—                          
(右) 菅野(東海大相模) .250 一ゴ    四球      四球 投ゴ      
(一) 佐野恵(広陵) .250 三ゴ    二ゴ                 
  打一 山下(佼成学園) .000               四球   三振   
(捕) 牛島(門司学園) .250 三振       二ゴ    左本    遊ゴ   
(遊) 宮内(習志野) .000    二飛    中飛               
  吉田有(履正社) .000               一邪飛    左飛   
(投) 上原(広陵) .000    三振    遊ゴ               
  川合(倉敷商) .000                二飛         
  水野(静岡) .—                           
  金子(春日部共栄) .—                           
  坂本(履正社) .000                         三振
  吉田大(佼成学園) .—                           
(二) 大塚(花咲徳栄) .000    四球       一ゴ            
  打二 竹村(浦和学院) .000                左飛         
  萩原(九州学院) .000                         二ゴ
  星(宇都宮工) .—                           
     32 .210                        
名 前 球数
◆明大投手成績◆
○上原(広陵) 75 0.00
水野(静岡) 26 0.00
金子(春日部共栄) 12 0.00
星(宇都宮工) 17 0.00
◆ベンチ入りメンバー◆
10 坂本(文4=履正社) 菅野(法4=東海大相模) 12 牛島(営3=門司学園)
11 上原(商4=広陵) 小倉(文4=関西) 15 吉田大(国際3=佼成学園)
18 星(政経3=宇都宮工) 山下(政経4=佼成学園) 33 川合(政経4=倉敷商)
19 齊藤(政経2=桐蔭学園) 大塚(商4=花咲徳栄) 24 渡辺(政経1=横浜)
21 島田(政経3=佼成学園) 石井(営4=履正社) 27 佐野恵(商3=広陵)
23 水野(農2=静岡) 宮内(政経4=習志野) 29 萩原(営3=九州学院)
31 金子(商1=春日部共栄) 14 竹村(政経2=浦和学院) 38 東原(商2=天理)
高山(文4=日大三) 16 生山(営2=明大中野八王子)
上西(営4=明大中野八王子) 26 吉田有(政経1=履正社)
試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
勝敗表 第1週 4/12現在
明大 ○○          2 2 0 0 0 1.000
法大      ○○       2 2 0 0 0 1.000
東大 ●●             2 0 2 0 0 .000
慶大    ●●          2 0 2 0 0 .000
早大                   0 0 0 0 0 .000
立大                0 0 0 0 0 .000

試合後のコメント
代打で出場した坂本

「結果的に連勝できてよかったです。もう少し点をとりたいところではありました。(打線は5安打)打撃は調子があってそういうものではありますが、このカードは自分のスイングができていないと首脳陣からも言われていました。代打で出ましたが、打席に立たないと分からない部分もあります。楽しさを味わうことができました。試合に出てチームにいい影響を与えることができればと思います。(上原に関して)経験もあるので、その日にあったピッチングをできています。これからも期待に応えて今日のような投球をしてくれればと思います。東大が直球狙いなのは昨日から分かっているので、今日も初回が終わってからは、バッテリーも変化球主体に切り替えていました。(次カードの慶大戦について)苦しく厳しい試合になるとは思います。何とかチーム内でまとまれば。2勝して、チーム力としてカードを取りたいです」

先発し5回無失点の上原
「(今日は5イニングに登板)今日は最初から5回でという話でした。ストレートはまだという感じです。今日はそれが極端に出たのかなという感じですね。まだ全然投げれてないので肩自体ができていないのかなという感じです。変化球がある程度まとまったというのは収穫といえば収穫です。人差し指は大丈夫です。気持ち的に万全な状態ではなく、不安はあるんで投げられるだけ投げていきたいです。(来週は空き週だが)実践練習が入ってくると思うので、そういうので対バッターという感覚をもう少し覚えたいなという感じです。休んでいる暇は無いので、投げられる日は投げてという感じでいきたいです」

本塁打を含む3打点の活躍を見せた上西
「積極的にいく気持ちは常に持って、一球を大事にすることを大事にしています。シーズン前はそんなに手応えはなかったんですけど、4年生で最後の年でチームのために貢献できるようにということが目標だったのでその気持ちだけでやってきました。打順とかはあまり考えないようにして、その状況に応じて積極的にいくことを大事にしています。ホームランは真っすぐを待っていたんですけどスライダーが甘いところにきたので体が勝手に反応していました。今はリラックスして打席に立てています。一打席目はどうしても1点欲しい場面だったので、犠牲フライをと思っていました」

攻守で勝利へ導いた牛島
「犠牲フライで十分かなと思っていました。打ったのはスライダーです。バットに乗った感じがありました。めちゃめちゃ嬉しかったです。満塁ホームランは今まで打ったことなかったです。高校は15本、大学ではオープン戦でも打ったことはなかったです。ボールはもらったので部屋に飾ります。監督から下半身で打てと打席の前に言われたのでそれだけを意識していました。ホームラン以外の凡打の内容は全然よくなかったです。守備でいつもイメージしているのは0に抑えることです。今日上原さんはスライダーが結構切れていて良かったです。初回に真っすぐが結構打たれたので、真っすぐは強いなと思い変化球でいこうと思いました。任された試合は何としてでも勝ちたいです」

リーグ戦初出場で華麗な守備を見せた生山
「(初出場)緊張はあったんですけど自分を出して、今までやってきたことをするという一心でした。(好守について)慣れないポジションだったんですけど、来たボールに反応して、やってきたこと、しっかり捕って投げるといった基本的なことを意識していました。(出場機会が増えている)入部してから、スポ薦に絶対負けたくないという気持ちで、周りの奴らより練習してうまくなってやろうと日々練習を積んできました。そういう部分を認めてもらえたのかなと思います。内野手が多いのでレギュラー争いは厳しいですが、自分は元気とガッツあふれるプレーで貢献していきたいです。(上西選手について)高校からの先輩。自分も同じくらい活躍できるよう、これからも頑張りたいです。(今の目標は)内野手としてレギュラーになることです。少しでもチームの勝利に貢献できるように頑張ります」

初登板を果たした金子
「7回に水野さんが投げている途中に、次の回から行くぞということで言われました。行くしかないという気持ちでマウンドに上がりました。ヒットを打たれたとしても、0点に抑えればいいと思って投げました。とにかく0点に抑えることを考えていたので、その結果三者凡退で抑えられて、最高の結果がついてきて良かったです。自分の持ち味はコントロールだと思っています。今日はストレートで押すピッチングができて良かったです。(今後に向けて)短いイニングの登板になると思いますが、きちんと次からも0点に抑えるピッチングができるようにしていきたいです」

2試合連続でスタメンを勝ち取った渡辺
「まだ始まったばかりですけど、ゴロもさばけてヒットも出ていい状態だなと思います。4年生は本当にすごい選手が多くて、その中で出させてもらっていて、成長できる中でやらせてもらっているので申し訳ないという気持ちも少しはあるんですけど、その中で一勝でも多く貢献できるようにと思ってやっています」