投手陣が力投、慶大と2戦連続で引き分ける/東京六大学秋季リーグ戦

2014.09.03
投手陣が力投、慶大と2戦連続で引き分ける/東京六大学秋季リーグ戦
 秋季リーグ戦の慶大3回戦が行われ、延長15回の末3-3で引き分けた。先発の赤尾裕希投手(文4=錦城)は2回表に3失点したが3回以降立ち直り9回7安打3失点と試合をつくった。打線は3回裏に相手の野選で1点返すと3番酒井翔弥外野手(法2=東北)の二ゴロ間に1点を返す。さらに7回裏豊田貴光内野手(営4=広陵)が同点適時打を放ち試合を振り出しに戻した。その後好機をつくるもあと1本が出ず引き分けとなった

 エースの意地が見えた投球だった。9回表先発の赤尾は1死後8番中場(慶大)に死球を与えると代打戸田(慶大)に中堅へ二塁打を打たれ1死二三塁とされる。「1番だとスクイズがあると思ったので敬遠して2番との勝負を選んだ」と赤尾。1死満塁とし2番との勝負を選び中飛に抑えた。その後3番小西(慶大)も中飛に抑え、最大の危機を無失点で抑えた。
 本来とは違うスタイルで相手を翻弄(ほんろう)した。変化球投手の印象が強い赤尾だが今日の投球は直球中心に相手打者を抑えた。2回に変化球中心の投球で3失点。「3回以降直球中心に変えたのが一番大きかった」(赤尾)と力のある直球で相手打線を3回以降2安打に抑える力投を見せた。赤尾は「直球が良い日は直球中心に組み立てても良いと思った」というように新たな投球術を見せた。

 好機をものにできなかった。延長14回裏守備から途中出場の中村亮太捕手(政経1=明大中野八王子)が四球で出塁すると8番薄田寛也投手(農2=日本文理)の遊ゴロ間に二塁へ進塁し2死二塁とする。ここで7回に同点打を放った豊田が打席に立つが「力が入ってしまった」と二飛に倒れサヨナラの好機を逃す。15回にも1死後代打の加賀谷至内野手(法4=能代)が左翼へ安打を放ち出塁すると代走の風岡厚志(理工4=川和)が初球を盗塁し1死2塁にするも後続が倒れサヨナラの好機を生かせなかった。

 慶大戦は2試合連続で引き分けとなった。「明日で終わらせたい」(風岡)というように早めに決着をつけたい。投手陣はこの2試合で5失点と試合をつくっている。しかし、打線が機能しない。「自分らが点を取れればピッチャーは抑えてくれる」(豊田)というように次戦では点を取り、援護できていなかった投手陣を助けたい。

[常光純弘]

試合後のコメント
加藤直紀主将(商4=明大中野八王子)

「ここまで打てないと、普通だったら負けていると思うが、ピッチャーが粘り強く投げてくれているおかげで引き分けに持ち込めた。(久々のヒット)あれはたまたま。正直打てる気はしていない。何とか打とうとは思っているが、なかなかうまくいかない。みんなも打ててないので何とかしたいとは思っている。負けてないというのが救い。(得点シーン)あの回は確かノーヒットで2点取ったので、それはそれで相手のミスに付け込めて良かったと思う。満塁のところはもう1点、勝ち越すまでいかないというところ。ノーアウト満塁で、豊田がまたノーアウト満塁でつないだので、もう1点ですね。ワンアウト一、三塁になったわけではないので。ノーアウト満塁が2回続いて1点だったので。唯一の悔やまれるところかな。(先制)3試合全部取られている。先に取れることがベストで狙っているが、取られた後ピッチャーは3点以上取られていないので、何とか打ってあげたいというのが正直な気持ち。(守備)萩谷の守備はすごく成長していると思う。大中に関しても出番がない中で、出された時にしっかり仕事をしてくれているので頼もしい。チーム全体として守れている面をあるので、そこはしっかり明日も継続していきたい。(薄田)実際この慶応戦、この後どうなるか分からないですけど、勝ち点を取れたら一番のヒーローは薄田かなと。あいつが3試合後半粘り強く投げてくれたことが大きい。明日も期待している。(明日へ向けて)完封したい。打線がどうなるか分からないので、明日は篠原が0で抑えれば1点取れば勝ちなので、そんなことを言っている自分が情けないですけど。打つにこしたことは無いが、とにかく明日も粘り強く耐えながらワンチャンスをものにできたら。もう明日で決めてこれ以上試合をしたくないです。何としても勝ちます」

風岡
「一昨日から打線が調子悪いのは分かっていたのでどのようにして1点を取るか、どれだけ守れるかということが勝つための最低条件だと思っていた。序盤に投手のミスもあり走者をためて3失点したのが痛かった。よく追いついたと思うがいかに少ない点数で勝つための守りをしてなかったことが反省。春季リーグが終わった頃から久保田(駿・法1=広陵)も調子を落としていた。15回の攻撃は寶田(慎太郎・営3=東北)が出塁したら小技を考えてそのまま打席に立たそうと思ったが、ランナーがいなかったので一発のある加賀谷に任せようと思った。加賀谷が出塁して自分が代走として出た時盗塁を狙っていた。最終回の1死で酒井の打席だったのでアウトでもしょうがないという気持ちで思いっきり走った。慶大との試合も明日で終わらせたい」

赤尾
「最初は球が高くて自分でもおかしいと思ったが、その分直球が走っていたので良かった。2回の3失点は良かった直球に頼らず変化球中心に投げてしまった。それを合わせられて外野の前に落ちたり内野の間を抜かれたりしたのが多かった。相手には変化球投手のイメージがあるし自分も変化球に頼ってしまうところがあるので直球が良い日は直球中心に組み立てても良いと思った。3回以降は直球中心に変えたのが一番大きかったし自分でも気持ちを切り替えていけたのでよかった。9回表は1死二三塁の場面で1番だとスクイズがあると思ったので敬遠して2番との勝負を選んだ。気持ち的には抑えることしかなかったので気持ちで投げた。2番の中飛は走者がスタートできなかったことが助けられたと思う。死球は攻めた結果なので必ずしも悪いわけではないと思う。四球はもっと減らしていきたい。明日もあるので勝って勝ち点を取りたい」

豊田
「ピッチャーはずっと頑張ってくれていたので、とにかく1点取りたかった。(同点打)そのあと2回打てなかったのが悔しい。(打席では)後ろにつなげようと。(サヨナラの打席では)ここで決めてやろうと。その分力が入ってしまった。(調子は)良くない。ヒットも微妙な当たりでしたし。(守備)後半点を取られなかったら負けることは無かったので。打てないので守備だけはちゃんとしようと思った。今日はピッチャーのテンポが良かったので、守りやすいというのもあった。(薄田)薄田がいなかったら2日とも負けていたと思うので、感謝している。(明日へ向けて)自分らが点を取れればピッチャーは抑えてくれるし、守備もいいので、打つだけ。明日は絶対勝って勝ち点を取りたい」