(45)リーグ戦後インタビュー 高山俊、菅野剛士、坂本誠志郎

2014.06.14
 卓越した打撃センスは健在だった。高山俊外野手(文3=日大三)は今季も安打を積み重ねて計19安打、1年春以来の打率3割超えと存在感を示した。現役最多3度目のベストナインにも選ばれた高山に、今季を振り返ってもらった。

――今季を振り返っていかがですか
高山:
個人としては、前半戦は良かったですが、後半戦、特に最後の立教戦が良くなくて、最後まで戦い抜けなかったなというシーズンだなと思います。チームは、昨年は勝たないといけないところ、粘らないといけないところで粘れていましたが、今年はそういう試合をあっさり落としてしまったので優勝できなかったと思います。

――打率3割越えは1年春以来ですが、好調を維持できた要因は
高山:
ボール球を振らなくなったことが一番ですね。ただ、後半自分が良くなかったのは、チーム状況も優勝がなくなったというのもあって、集中が切れたわけではないですが、雰囲気の面もあったのかなと思います。

――14試合中11試合でヒットを打ちましたが
高山:
打てる試合は立て続けに打っていましたが、打てないと本当に打てないというシーズンだったので、打てない中でも1、2本打てるようにならないといけないと思います。

――動から動というフォームを今季、実践していかがでしたか
高山:
悪くはなかったと思います。これからは自分の状況に応じてフォームが変わることもあると思いますが、今シーズンの動から動の意識で結果が出たのでそれを忘れずにやろうと思います。

――今季の安打の中で印象的な一本はありますか
高山:
(慶大3回戦で打った)ホームランの一本です。あのホームランは自分らしいホームランでした。

――得点数がリーグトップタイの11点ですが、走塁への意識はどうでしたか
高山:
自分が意識するというより、得点は後ろの人が返してくれないといけないので、その結果かなと思います。盗塁はシーズン前からしていこうと思っていたので5つできてよかったです。

――チームのことになりますが、勝負所で粘れなかった原因などはありますか
高山:
昨年とそんなにメンバーが変わっていないのですが、3連覇しないといけないというのが固くなってしまった原因かなと思います。

――3連覇ということへのプレッシャーは
高山:
自分は感じませんでしたが、チームとしてはプレッシャーになっていたと思います。

――序盤のチャンスで先制できずに、相手に先制される試合が目立ちましたが
高山:
試合中のベンチの雰囲気にも何とかなるという雰囲気が多く見られたので、前半から、入りから勝つんだという雰囲気が足りなかったように思います。

――後半の得点はやはり多かったですね
高山:
相手投手も苦しくなってきて、打者も2、3打席立ってきているので、さすがに打たないといけない回でしたし。逆にそうなる前に、相手の立ち上がりを攻めて、1、2回に得点を取れるようにした方がいいと思います。

――今季カギとなった試合はありますか
高山:
この試合というよりは、先制点を取れなかった試合、イニングです。先制点が大事だなと思います。

――秋に優勝を取り返すために、これからどう取り組みますか
高山:
昨年は3年生、今の4年生が結構活躍していて、いい意味で引っ張ってくれていたので、秋は今の3年生がいい働きをできればいいなと思います。

――ありがとうございました。

◆高山俊 たかやましゅん 文3 日大三高出 181cm・84kg 外野手 右投左打

試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 打点 盗塁 犠打 四死球 打率
高山 今春・通算成績
今春 14 56 19 .339
通算 67 262 81 17 32 10 20 .309

 本来の打撃を見せられなかった。シーズン前半の不調からなかなか抜け出せなかった菅野剛士外野手(法3=東海大相模)。昨年はチームのポイントゲッターとして春秋連覇に大きく貢献したが、今季は打率1分8分8厘と苦しんだ。思うように結果を出せない打席が多く、もどかしさの残るシーズンを振り返ってもらった。

――リーグ戦を振り返っていかがでしたか
菅野:
結果的に優勝できなくて、最大の目標だった3連覇を達成できなくて非常に悔しいシーズンでした。自分の成績も全然駄目だったので申し訳ない気持ちもあります。

――3連覇のプレッシャーはありましたか
菅野:
プレッシャーを感じることは少なかったですが、あったとは思います。

――リーグ戦の中で重要だったなという試合はありますか
菅野:
状況的には慶應の2回戦が大事だったと思います。そこで勝ち切れていればもっと楽なリーグ戦になったと思います。そこから次の早稲田戦に響いたのかなと思います。

――リーグ戦前半に打率が上がりませんでしたが
菅野:
その原因が分からなかったことが原因です。これが悪いということが練習から自分も周りから見ても分からなかったのでヒットが出ないことが長引いたと思います。

――法大1回戦の2打席目の初球でタイミングがつかめたとおっしゃっていましたが
菅野:
それまでの自分の打席を研究して、タイミングを早めにしようとしました。あの打席はヒットよりも感覚を良くするために入った打席だったのでその分、いい感覚をつかめて、改善することが見えてきたので良かったと思います。

――次の法大2回戦では当たりを取り戻しましたが
菅野:
野球は感覚のスポーツだと思っていて、前の試合で感覚をつかめたので、その感覚のまま次の試合に臨めたのであの結果が出たのは当然だったと思います。

――打点はチームトップの9打点でしたが
菅野:
ヒット数が極端に少なくて、打率も低かったのに打点だけチームトップというのは前の打者が活躍してくれた部分がありました。でも、打点がチームトップだったことは良かったと思います。

――この夏はどんなことを意識して過ごされますか
菅野:
今シーズンは変化球をカットして打てる変化球のコースだったり、直球を狙っていました。なので、今度は入ってくる変化球をカットするのではなく、しっかり捉えてホームランにできるような、広角に打てるような練習をしていきたいです。

――最後に秋への意気込みをお願いします
菅野:
このままやられっぱなしじゃ駄目だと思うので、4年生は最後のシーズンにもなりますし、最後に4年生をいい形で送り出したいです。なので、いつもそうなのですが優勝を目指していきます。個人としては、今シーズンはエンジンが掛かるのが遅かったので、最初からエンジンが掛かるようにこの夏は調整していきたいです。

――ありがとうございました。

◆菅野剛士 すがのつよし 法3 東海大相模高出 171㎝・75㎏ 外野手 右投左打

試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 打点 盗塁 犠打 四死球 打率
菅野 今春・通算成績
今春 14 48 .188
通算 58 190 54 19 28 29 .284
 今季も正捕手としてマスクをかぶり続けた坂本誠志郎捕手(文3=履正社)。打率を自身初の3割台に乗せるなど、打撃面は確かな手応えをつかんだ。しかし、個人成績よりも気になるのはチームの停滞。捕手として投手陣を引っ張れなかった悔しさが心に残った。

――今季を振り返っていかがですか
坂本:
個人的には打つ方はそれなりに結果が出たと思います。求められているのは守る方だと思いますし、そういうところで貢献できなかったことがチームの結果として出ています。キャッチャーというポジション柄、個人の成績よりはチームが優勝する方がうれしいですし、充実する気がしています。

――打撃では自身初の3割超えでしたが、打撃の調子はいかがでしたか
坂本:
昨年まではカードによって、いい時と悪い時がありましたが、今シーズンはシーズン通して、打席の中でのミスや駄目だったところを次に生かす工夫をできていたので好調につながったと思います。

――今季は全14試合中10試合でヒットを打ちましたが
坂本:
昨年は「打ちたい、打ちたい」と変なプレッシャーをかけながら、かけすぎながら打席に立っていました。でも、今シーズンからは余裕を持って打席に入ったり、相手投手に応じた準備をして打席に入れたことができていたので、そこが良かったです。

――打席でのルーティーンを大切にされているように見えましたが
坂本:
相手にポンポン投げられるのもいやですし、自分の考えとかを整理するために打席を外したりとか、いろいろやって自分なりに工夫しながらできる余裕があったのが良かった気がします。

――ご自身が打った安打の中で、この一本が印象に残っているというのはありますか
坂本:
有原さん(早大)から一本打てたことです。早稲田との1回戦で有原さんと3打席やりましたが、その3打席は自分のスイングができていましたし、自分の中でポイントを押さえながら打席に入れたので。有原さんとの3打席は、自分の打席での気持ちなど、こういう感じで入ればいいんだなというのが見つけられたような気がします。

――投手陣については今季通していかがでしたか
坂本:
今年はキャンプの日程がずれたりして、練習の面で充実したところが少ないというのはあったとは思います。でも、やはり昨年のキャッチャーの人に投手陣の管理を頼りすぎていたというのはありましたし、シーズン始まってみて頼りすぎていたと感じていました。いい時はうちのピッチャーは普通に投げれば抑えますけど、悪い時に抑えられるか、最少失点に抑えられるかというのが自分の仕事だと思っているので、そういった意味で今シーズンは点を取られすぎているなと思いました。 昨年は1人粘って2人目も粘れましたが、今シーズンは2人目が粘れなかったりというのがあって、そのあたりは技術面、精神面が足りていなかったと思います。

――開幕前に投手や捕手との連携を心配されていました。今季は試合中にブルペンに向かうことが多く見られましたが
坂本:
先発の状態で、1人で投げ切るのはきついかなというのは序盤からあったので、それをブルペンに伝えに行ったり、確認でブルペンのピッチャーやキャッチャーに状態を聞いたりしながらやっていました。慶応のカードを落として、かなり自分の中でそこが気になったので、その後のカードの方がブルペンに行く回数が増えたり、自分も神経を使いながらブルペンにというのが多かったです。ただ、そこに気を使いだすとゲームに入り切れていない気もしますし、秋は他のキャッチャーやピッチャーともコミュニケーションを取って、ゲームに入ったら相手バッターと今投げているピッチャーにもっと集中できる環境をつくらないといけないと思います。

――チームのことですが、昨年に比べて今季は粘り切れなかったように見えました
坂本:
どこかで甘えがあったり、弱い部分があって、これはチームでも個人でも言えることなので、どうやって詰めていくかは簡単に見えてこないですけど、これはチームとして方向を見つけてやっていかないといけないです。

――相手に先制される試合が目立ちましたが
坂本:
先制することはチームに勢い付きますし、先制されることはこっちの立場としては苦しいことです。先制すること、先制されないことというのは気になりました。確かに、こっちが粘っても先制されることが多かったですし、そうなってくるとこっちも精神的にきつい部分があった気がします。

――カギとなった試合はどこになりますか
坂本:
慶応戦です。勝てなかったということは。勝ち点を落とすことを知らない選手が多かったり、どういう状況か分かっていない選手が多い分、やっぱり早い2カード目に勝ち点を落としたことでモチベーションの持っていき方も結構きついところがありました。慶応は前評判では、少しピッチャーも落ちるということも聞いていましたけど、やってみるとそんなこともなかったです。準備の段階から遅れている気がしたので、慶応を落としたことが痛かったです。

――秋に向けてはどんなことに取り組みますか
坂本:
練習することはそんなに変わらないと思います。チームとしての厳しさや、個人の意識の持っていき方も高いところにもっていかないといけないです。秋が終わったら自分らの代が始まるので、そういう意味で3年生をいい方向に持っていけばチームもいい方向に流れていくと思うので、3年生の中で厳しさをもってやっていこうかなと思います。

――ありがとうございました。

◆坂本誠志郎 さかもとせいしろう 文3 履正社高出 175cm・76kg  捕手 右投右打

試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 打点 盗塁 犠打 四死球 打率
坂本 今春・通算成績
今春 14 43 13 .302
通算 58 170 40 10 25 20 28 .235