打線が爆発し法大に快勝 史上初の新人戦5連覇達成/東京六大学春季新人戦

2014.06.04
 史上初となる新人戦5連覇を果たした。初回に石迫悠摩内野手(政経2=九州国際大付)の二塁打で2点を先制すると、3回にも石迫が3点本塁打を放ち、5―0と一気に法大を引き離した。投手陣も4人の継投で相手打線を2点に抑え、7―2の大差で勝利した。最多37度目の新人戦優勝を果たし、前人未到の偉業を成し遂げた。

 歴史的勝利にマウンドで歓喜の輪ができた。7―2と5点リードで迎えた9回。最終回でマウンドを託された星知弥投手(政経2=宇都宮工)は2死まで追い込み、勝利まであと1死とする。だが、法大打線にとってこの試合初の長打となる二塁打を浴びると、その後2死満塁のピンチを招く。しかし、5連覇のプレッシャーを背負い、簡単に打たれるわけにはいかなかった。2ストライクまで追い込むと、渾身の147㎞の直球で勝負。相手打者は手も出せず、見逃し三振で仕留めると星は両手を高く突き上げた。

 好機を逃さぬ一打で勝利を引き寄せた。初回から連打で好機をつくると5番石迫が中前適時二塁打を放ち、2点をいきなり先制する。3回にも犠打と死球で2死一、二塁の好機をつくると迎えるは石迫。初級の内角直球を完璧にとらえ、高々と左翼席へと運び入れた。7回にもダメ押しとなる二塁打を放ち、計6打点の活躍。準決勝の立大戦では4打数1安打と結果を出せていなかっただけに「自分のバッティングができて良かった」と満面の笑みを浮かべた。

 苦しい中でも流れを食い止めた。先発を任された水野匡貴投手(農1=静岡)は公式戦初登板。8四死球と制球力が定まらない中でも「絶対に点をやらない」と5回1失点の粘投で試合をつくった。その後も齊藤大将投手(政経1=桐蔭学園)ら3投手が意地の継投。結局、法大打線を7安打2失点に抑え、流れを与えることなく逃げ切った。
 
 歴史を塗り替えた。史上初となる5連覇が懸った今大会。プレッシャーがかかった中での試合だったが「みんなで盛り上がることができた」(吉田)と雰囲気の良さが勝利へとつながった。この流れを秋へとつなぐ。リーグ戦では今季3位に終わった中、若手が偉業を成し遂げた。チーム全体としても刺激を受け、秋こそリーグ戦、新人戦ともに優勝を果たす。

[西谷侑紀]

打順 守備 名 前
◆明大打撃成績◆
(二) 竹村(浦和学院) 三振    左安 四球    二失    左安   
(中) 加勢(札幌一) 中安    投ギ 三併    三飛    三振   
(遊) 吉田(佼成学園) 四球    三振    三振    三振      
  中山(明大明治)                      三振   
  河野(鳴門)                           
(捕) 佐野恵(広陵) 右安    死球                   
  中道(智弁学園)             右飛    中二    二ゴ
(三) 石迫(九州国際大付) 右二     左本    遊ゴ    左二    右飛
(左) 萩原(九州学院) 三振     左飛       一ゴ          
  牛島(門司学園)                   投ゴ      
  荒木(愛工大名電)                      中飛
(一) 富岡(日大三)    投ゴ    右安    三振 左飛      
(右) 坂田(倉敷商)    中飛    遊ゴ    中安    三ゴ   
(投) 水野(静岡)    三振    左安               
  佐藤(白樺学園)                死球           
  齊藤(桐蔭学園)                           
  川口(国学院久我山)                           
  田口(福岡大大濠)                      右安   
  伊藤(京都大谷)                           
  星(宇都宮工)                           
     37 12                        
名 前 球数
◆明大投手成績◆
○水野(静岡) 95
齊藤(桐蔭学園) 19
川口(国学院久我山) 14
星(宇都宮工) 35
◆ベンチ入りメンバー◆
川口(法2=国学院久我山) 12 小林恵(農2=遊学館) 荒木勇(文2=愛工大名電)
18 庭田(商1=松戸国際) 13 田口(文2=福岡大大濠) 加勢(理工2=札幌一)
23 星(政経2=宇都宮工) 佐藤(文2=白樺学園) 萩原(営2=九州学院)
19 水野(農1=静岡) 16 竹村(政経1=浦和学院) 28 内海朗(政経2=明大中野)
31 齊藤(政経1=桐蔭学園) 石迫(政経2=九州国際大付) 37 西岡(法2=浦和学院)
佐野恵(商2=広陵) 14 伊藤(商2=京都大谷) 38 坂田(文2=倉敷商)
22 中道(商2=智弁学園) 吉田(国際2=佼成学園) 39 中山(政経2=明大明治)
32 牛島(営2=門司学園) 26 河野(文1=鳴門)
富岡(商2=日大三) 15 竹下(営2=明大中野)

試合後のコメント
チームを引っ張ったゲームキャプテン吉田大成内野手(国際2=佼成学園)

「5連覇は、これまで歴史をつくってきてくださった先輩方と、ベンチ入りしてないメンバーのサポートのおかげで達成することができたので、本当に感謝したいです。新人戦は、いい意味で上下関係を気にすることなく下級生みんなで盛り上がることができたので良かったと思います。新人戦で優勝できてもリーグ戦で優勝できなければ意味がないので、秋はまずリーグ戦で優勝できるようにしたいです」

6打点と優勝に大きく貢献した石迫
「プレッシャーはありましたが、優勝できて嬉しいです。(5番に昇格したが)佐野(恵太捕手・商2=広陵)が調子が良かったので安心して打席に入れました。昨日自分の中で不甲斐ない成績だったので、自分のバッティングができて良かったです。(4回の本塁打は)初級から狙っていきました。5連覇できたことは嬉しいですが、次に向かってまた頑張ります」

最終回を抑え胴上げ投手となった星
「今日は真っすぐ主体のピッチングをしました。5連覇というのが記録だったので、優勝を目的として最後のマウンドにあがりました。水野と齊藤と川口と自分の4人で投げ切ることができました」

2安打の活躍をみせた竹村春樹内野手(政経1=浦和学院)
「ワンチャンスで石迫さんが一本打ってくれたのと、先輩方がいろいろ盛り上げてくれたのでチームとして一つになって優勝できたかなと思います。相手に勝つということを一番に考えていたので優勝へのプレッシャーはなかったです。チャンスが少ない中で自分の力が出し切れていなかったので、その点を少し反省して秋に繋げていきたいと思っています」

先発を任され最小失点に抑えた水野
「今日は四死球は多かったのですが、石迫さんが打ってくれたりと、2年生の野手の方を中心に試合を進めることができました。野手の方には感謝しています。
四死球が多く流れを作れなかった一方で、要所を締めて最小失点に抑えることができたのは良かったです。ピンチの場面は『絶対に点をやらない』と気持ちで投げました」