早大から勝ち点奪えず 3位に終わる/東京六大学春季リーグ戦

2014.05.27
早大から勝ち点奪えず 3位に終わる/東京六大学春季リーグ戦
 優勝の望みは絶たれた。春季リーグ戦最終カードである早大に1回戦に続いて1―3で敗戦を喫し、3位に終わった。先発の赤尾裕希投手(文4=錦城)は完投するも5安打5四死球3失点。エースとしての役割を発揮できず今季2敗目を喫した。2点ビハインドで迎えた8回、4番橋本健史内野手(商4=明大中野八王子)の適時打で1点を返すもその後打線はつながらず、逆転とはならなかった。この結果早大の3季ぶりの優勝が決定し、明大の秋春連覇は達成できなかった。

最終戦で敗戦を喫し悔やむ赤尾 <
最終戦で敗戦を喫し悔やむ赤尾

 先制点を許してしまった。両者無得点で迎えた4回裏、先発した赤尾は先頭打者を死球で出塁させると5番の併殺崩れの間に生還させ、先制点を献上。「苦手意識というかどうしても先にペースを握られてしまう」(赤尾)と今試合も1回戦同様先制点を奪取され、相手に流れをつかまれてしまった。
 昨季最優秀投手賞を受賞した右腕の姿が無かった。3失点した回全て先頭打者を死球で出し、悔いの残る最終戦となった。昨秋の防御率1.38から今季は2.57に落ち込み2季連続受賞はならず。昨秋は法大、立大戦で完投勝利を挙げたが今季は東大戦のみに留まり、6勝を挙げた前回に程遠く、今季は勝ち星3と不調に苦しんだ。「任されたところをしっかり投げたい」(赤尾)と秋季での挽回を誓った。

 好機をものにできなかった。先制点を許し迎えた5回表、酒井翔弥外野手(法2=東北)の右中間に抜ける二塁打、続く吉田由宇捕手(法3=日本文理)の右前安打で1死一、三塁の好機をつくるも次打者が凡退し無得点。その後各回で得点圏に走者を置くもつながらず、早大先発の向江を打ち崩せなかった。
 逆転勝利の道は遠かった。2点を追う8回、先頭打者寶田慎太郎外野手(営3=東北)が中前安打で出塁すると続く久保田駿内野手(法1=広陵)の左前安打、加藤直紀主将(商4=明大中野八王子)の犠打で1死二、三塁の好機をつくった。ここで打席に立ったのは4番橋本健。「4番に期待してチャンスをつくってくれたと思うので点を取ってやろうという思いで入った」(橋本健)と2球目、内角低めに入った直球を捉えると、打球は三塁の脇を抜け左翼線に沿って弧を描き1点を返した。しかし次打者が次々と凡退。最終回でも1死二塁と走者を出したがあと1本が出なかった。「接戦をものにされてしまった」(橋本健)と逆転を狙えただけに痛い敗戦だった。

8回二、三塁で適時打を放った橋本健<
8回二、三塁で適時打を放った橋本健

 悔しいシーズンとなった。早大と明暗が分かれ昨年春と同じ3位で今季を終えた。22年度春以来早大には連続で勝ち点を取られている。来季では8季ぶりの勝ち点奪取を狙いたいところだ。
 慶大、立大、東大から勝ち点を奪取し、優勝は見えてきていた。「そんなに力の差を大きく感じた試合はない」(赤尾)と順調に勝ち進み優勝戦線に足を踏み入れていただけに悔やまれる順位となった。 
 次戦は全日本選手権予選会だ。「一戦必勝で決めたい」(加藤)と昨年専大に負け全日本選手権に出場できなかった雪辱を果たすべく、チーム一丸で挑んでいく。

[橋本杏菜]

勝敗表 最終順位
試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率 順位
早大 ○●○ ○○ ○●○ ○○ ○○ 12 10 2 0 5 .833 1
法大 ●○● ○●○ ●○○ ●○○ ○●○ 15 9 6 0 4 .600 2
明大 ●● ●○● ○●○ ○○ ○○ 12 7 5 0 3 .583 3
立大 ●○● ○●● ●○● ○●○ ○○ 14 7 7 0 2 .500 4
慶大 ●● ○●● ●● ●○● ○○ 12 4 8 0 1 .333 5
東大 ●● ●○● ●● ●● ●● 11 1 10 0 0 .091 6

試合後のコメント
加藤

「どんないい試合をしても負けは負けなので次は仕切り直していきたい。(5回から8回までチャンスをつくった場面)こっちが勝手にチャンスを潰した。1死一、三塁で赤尾の場面でスクイズが出来なかったところがあった。みんなにも言ったが1アウト一塁の場面、エンドランで一、三塁がつくれないコーチャーの判断であったり、赤尾がチャンスで打てなかったことを切り替えられず先頭に四球を与えたり、死球で出したあと、打者を追い込んでもスライダーを真ん中に投げて決定的な1点を取られる。これを直さないと、全日本の予選からトーナメントの一戦必勝の場面でまず勝てないと思うのでこの2週間で見直さなければならない。(先頭打者の出塁について)先頭打者が出塁した回はチャンスになる。それなりにバントで送ったりしてチャンスをつくれたが、そこで1本が出なかった。(全日本の予選会に向けて)関東選手権で4位に入ったからこそもらえたチャンスなのでチャンスを無駄にしないように一戦必勝で全日本の切符をつかみたい」

赤尾
「(先頭を出した回に失点)悪い形で先頭出して、特に松井なんかは嫌なバッターでそこを出したのは、点に絡んでいると思うので、そこがすべてだと思う。(調子は)悪くないし、後半も結構上げて真っすぐでどんどん押してという感じだった。(失点後の与四死球は)うまく切り替えられなかった。どうしても1点勝負になると思って、そこで気持ちが切り変えられれば良かった。(今季の死球数は)インコースに攻めているというのがあり、ボールが抜けてデッドボールというのはないので、インコースを攻めた結果。もちろん当てない方がいいので、攻める気持ちというのをこれから課題にして、インコースの精度をもっと上げていかないといけない。任されたところをしっかり投げたい。(リーグ戦全体は)そんなに力の差を大きく感じた試合はないので、試合展開によってはコロッと変わっていたと思うし、もう一つ何か足りないんだろうなとは感じる。見えないミスというか、エラーとかに記録されない細かいミスとかそういうところ。守備でも攻撃でもそういう細かいところの差だと思う。(早大には勝ち点取れていない)苦手意識というかいつも勝とう勝とうと思っているが、どうしても先にペースを握られてしまうところがある。(予選会について)いい位置からスタートできるので、そこで勝って全日本を決めたい、先発か中継ぎか分からないが、一戦必勝で決めたいと思う。(篠原について)いいボール投げるし、テンポもいいのであとはもっともっと経験を積めばもっといいピッチャーになると思うので、期待している。もちろん負けたくないという思いもありますし、来年以降自分がいなくなった後にいろいろ成長してチームを背負ってほしいと思う。そういう意味では負けたくないという思いもありますし、頑張って成長してほしい」

橋本健
「早稲田は接戦をものにするチームで相手のピッチャーも良くて終始向こうのペースで投げさせたというか向こうにとって理想通りの試合をやらせてしまったというのを2試合通じて痛感した。(8回のタイムリーは)うまくチャンスをつくってくれてあと2回で1点ずついこうというのを攻撃前のミーティングで言ってそれで必死になって4番に期待してチャンスをつくってくれたと思うので点は取らないといけないし取ってやろうという思いで入った。(後半はチャンスが多かったが)本当に何回もチャンスをつくれていてタイムリー打つ前の打席でもチャンスで凡退してしまって最後決め切れないというのが詰めの甘いところ。ピッチャーも良かったし打線は浮き沈みがあるので打てないのはしょうがないがその中でも勝つには誰かのきっかけとかささいな1点取りにいくというのでも相手を揺さぶるという流れでも持っていけたりすると思ったのでそれが今日はあまり無かったからチャンスで決め切れなかった。(関東選手権でも残塁が多かったが)明治が負ける試合は接戦をものにできないパターンで負けると思うのでチャンスはつくれて全く打てていないわけではないが、点を取るには今までと同じことをやっていては駄目だと思った。調子悪いなりに点を取る方法というのはしっかりベンチで確認してやらないと、強いチーム相手だとこういう試合にしかならないと思う。(予選会に向けて)あと2週間なので負けられないのでやっぱり全日本に出るには勝たないといけないしこういう後味悪い感じで終わってもチャンスが残っているというのは勝てなくないと思うので口だけで予選会突破しようとか言うのは簡単だが言うだけじゃなくて本当に何か変えないといけないと個人的には思った。チームでの練習も変わってくると思うが個人としても4番として一番いい打順で打たせてもらっているので結果を常に求められる立場なのでしっかり練習して予選会を迎えたい」