打線沈黙で早大に完封負け 優勝が遠のく/東京六大学春季リーグ戦

2014.05.25
打線沈黙で早大に完封負け 優勝が遠のく/東京六大学春季リーグ戦
 大事な初戦を落とした。東京六大学春季リーグ戦最終節の早大戦が24日に早大東伏見グラウンドで行われ、0―2で敗戦し優勝が遠のいた。先発の篠原匠投手(政経1=明大中野八王子)が9回2失点の好投を見せるも打線の援護に恵まれず今季3敗目を喫した。打線は早大エース・河合の前に沈黙。最終9回裏に1死二、三塁の好機をつくるもあと1本が出ず、完封負けに終わった。
 

9回自責点1の好投を見せた篠原<
9回自責点1の好投を見せた篠原

 最後まで河合(早大)を打ち崩せなかった。2点ビハインドの9回裏、先頭の久保田駿内野手(法1=広陵)が中前安打で出塁すると加藤直樹主将(商4=明大中野八王子)が四球を選び好機をつくる。ここで4番橋本健史内野手(商4=明大中野八王子)が犠打を決めて1死二、三塁とする。しかし5番以降が打ち取られ点を取ることはできなかった。低めの変化球に手こずり散発5安打。得点圏に走者を置くことがほとんどできず、加藤主将は「低めの見極めがチーム全体としてできなかった」と敗因を語った。

3打数2安打と一人気を吐いた久保田<
3打数2安打と一人気を吐いた久保田

 好投が報われなかった。先発の篠原は9回2失点で立大3回戦に続き完投した。6回に守備のミスから先制を許す苦しい展開となったが、崩れることなく先発の役割を果たした。自慢の速球を武器に内野ゴロの山を築き、強力早大打線を7回まで2安打に抑え込んだ。
 反省材料もある。8回は球が高めに浮き始め1番松本(早大)から3連打を許し失点。緊迫した投手戦で価値ある追加点を献上してしまった。「2点目を取られたのは自分の責任」と篠原は反省し「2点目が取られないようなピッチングを次はしたい」とさらなる高みへの決意を示した。

 次戦負けると勝ち点を落とし優勝を逃してしまう。大切な試合を任されるのはエース・赤尾裕希投手(文4=錦城)が濃厚だ。「河合にリベンジするためにも確実に勝って第3戦に持ち込みたい」と加藤主将は意気込んだ。全員野球で勝利をもぎ取り第3戦へ優勝の望みをつなげたい。

[常光純弘]

勝敗表 第7週 5/24現在
試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
早大 ○●○ ○●○ ○○ ○○ 11 9 2 0 4 .818
法大 ●○● ○●○ –●○○ ●○○ ○●○ 15 9 6 0 4 .600
明大 ●○● ○●○ ○○ ○○ 11 7 4 0 3 .636
立大 ●○● ○●● ●○● ○●○ ○○ 14 7 7 0 2 .500
慶大 ●● ○●● ●● ●○● ○○ 12 4 8 0 1 .333
東大 ●● ●○● ●● ●● ●● 11 1 10 0 0 .091

試合後のコメント
加藤主将

「最終回みたいな先頭を出してつないでチャンスで1本待つという形が最終回しかつくれなかった。こういった攻撃を最初から続けられるようにしないとなかなか点数を取れない。(河合投手の印象)真っすぐをバンバン投げてくるイメージがあったが、今日はほぼ変化球で攻めてこられた。低めの見極めがチーム全体としてできなかった。何とか向こうに真っすぐを投げさせるような打席をつくらないといけなかった。(9回のチャンスで4番にバント)確実に1死二、三塁を作って1本で追い付こうという形だった。あそこは誰でもバントだった。(明日に向けて)今日の負けは負けで切り替えて明日勝たないと勝ち点を落とすことになってしまうのでもう1回河合にリベンジするためにも赤尾で確実に取って第3戦に持ち込みたい」

久保田
「先制されたときの送球を取れなかったことが一番大きい。止めないといけなかった。しかも相手に先制されてピッチャーもいいピッチャーだったのでそこで取れなかったことは大きかった。(打撃は三塁打もあった)ボールがよく見えていて絞った球が打てるのでバッティングの方はいい感じで打てている。(得点圏に入ることが多かったが)自分は塁に出ることが仕事だと思っているのでその仕事ができたことは良かったが、やっぱりホームに帰りたかったというのが大きい。もっとチャンスメイクして得点につなげていきたい。(9回に同点に追い付ける可能性もあったが)いい形でチャンスつくれたがバッティングは水物なのでしょうがない部分もある。(明日に向けて)負けることは考えてないので明日、明後日、優勝決定戦と3連勝して優勝を目指したい」

篠原
「ピッチャーは点取られたら負けるので、いくらバッターが打てないバッターのせいと言われても、点を取られるのは自分なので仲間のミスも自分がカバーしなければならないし、自分が打たれたら負けるという意識でマウンドに立たないといけない。(8回の失点は)少し球が高めに浮いたかなという感じ。ランナー背負うと気持ちがすごく乗ってくるが、その気持ちが乗ってたまたま1球高めに浮いてしまった。(ゴロアウトが多かったが意識は)特にしていなかったが、自分の持ち味の速い球でジャストミートされないように気持ち込めてやった結果、差し込まれてゴロになったのが多かったのではないかなと思う。(河合との投げ合い)試合の流れが変わるなら、ホームランが出るか、どっちかがエラーするかと思っていた。そこが先に出てしまったというのと、そこで1点だったらまだ分からなかったが、2点目取られたのは自分の責任なので、2点目が取られないようなピッチングを次はしっかり修正したい。(1戦目の先発)今回自分にまかせてくれたので、やっとチームの2枚看板として認められたのではないかと思って、気持ち入れて投げた。(3戦目の登板)次は完封とか自分のことも大事だが、気迫のこもったピッチングでチームを勝たせたい。(早稲田打線の印象)空振りが全然なくて、ボールをよく見て気の抜けない打線だった。(それを9回自責1)自分の持ち味である真っすぐが早稲田にも通用したということで、さらに磨いていって誰にも点を取られないピッチャーになりたい」